北里大学 一般教育部 人間科学教育センター

北里大学一般教育学部

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人間科学教育センター

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センター長より

人間科学教育センター長 石多 正男
人間科学教育センター長
石多 正男

 人間科学教育センターは一般教育全般をになう一般教育部の中で、特に「教養教育」に責任を持つ教員組織です。文系の、そして健康科学(体育)系の教員がいます。われわれの任務は、みなさんが文化全般に対し豊かに感じる心を持ち、社会との関わりの中で生きがいを感じ、心も身体も健康に過ごすことができるようにお手伝いすることです。

 本サイトには、専任教員のプロフィール、開講科目とその内容(シラバス)などを載せてあります。履修の参考にしてください。


人間科学教育センターの構成

人文社会科学単位
人文社会科学単位

 私たちの単位は、昨年度(2011年度)までの人文科学単位、社会科学単位に、言語文化の先生を加えて新たに発足した単位です。ここでは、われわれを取り巻く文化的・社会的・言語的環境を学問的考察の対象とするとともに、われわれ自身がよりよく生きていくためにそれらについて深い理解をもつことを目標にしています。北里大学の1群科目のうち、人文社会科学単位は担当科目を3つの領域(文化・社会・教養演習(言語と文化))に区分して、授業展開を行っています。具体的な教育の内容についてはシラバスなどを参照してください。

[文化の領域]
  人文科学は私たちが自分自身を見つめ、自分のことを考え、自分のことを知ろうとする学問です。
旧来の学問体系ですと哲学、倫理学、宗教学、文学、芸術学などがこれに入ります。

  開設科目:哲学の楽しみ、科学を考える、芸術の楽しみ(音楽、美術)、倫理学、文学の楽しみ、信仰と救い

[社会の領域]
  社会科学は私たちが社会の中で他の人たちとどう一緒に生きるかを考える学問です。旧来の学問体系ですと、社会学、政治学、経済学、法学、商学、歴史学、心理学、文化人類学などがこれに入ります。

  開設科目:心理学、環境を考える、政治のしくみ、歴史と人間、法律の役割、仕事と人間、文化人類学、日本と国際社会、個人と社会、日本国憲法

[教養演習(言語と文化)]
  教養演習系科目「言語と文化A・B」では、ドイツ語・フランス語・中国語という3種類の言語(英語以外の第2外国語)及びそれらの言語の文化的背景を学習する機会を提供しています。

  開設科目:言語と文化A(ドイツ語・フランス語・中国語、文法中心)、言語と文化B(ドイツ語・フランス語・中国語・文化中心)

健康科学単位

[健康の領域]
  健康科学は、 学生生活はもとより生涯にわたって心身ともに健康な生活を送るためにはどの様なライフスタイルが望ましいのかを研究する複合領域です。

  開設科目:健康の科学A、健康の科学B、健康の科学C、健康とスポーツ演習、ライフスポーツ演習A(水泳)、ライフスポーツ演習B(キャンプ)、ライフスポーツ演習C(スキー)、教養演習

人文社会科学単位

人間科学教育センター 人文科学単位 芸術の楽しみ講義風景 人間科学教育センター 人文科学単位 教養演習風景

芸術の楽しみ講義風景

教養演習風景

役職 氏名 詳細 担当科目
教授 小河原 誠 【詳細】 哲学の楽しみ、科学を考える、人間科学総合、教養演習A
教授 岡野 安洋 【詳細】 言語と文化(ドイツ語)、大学基礎演習A
教授 鈴木 牧彦 【詳細】 心理学
教授 石多 正男 【詳細】 芸術の楽しみ、人間科学総合、大学基礎演習B
教授 野村 廣之 【詳細】 文学の楽しみ、教養演習B・C、大学基礎演習B
准教授 赤澤 とし子 【詳細】 経済のしくみ、大学基礎演習B
准教授 小林 亜津子 【詳細】 倫理学、教養演習B
准教授 畠山 禎 歴史と人間、教養演習B、大学基礎演習B
准教授 林 志津江 言語と文化(ドイツ語)、教養演習A
講師 小島 佐恵子 【詳細】 個人と社会、北里の世界、仕事と人生、大学基礎演習A

健康科学単位

ライフスポーツ演習A・B・Cのコース紹介

ライフスポーツ演習A (水泳コース)

  このコースは、前期学内授業と夏期休暇中に集中授業を行うコースです。集中授業は、室内プールを利用し、午前中実習を6日間実施します。個人泳力のレベルに応じグループ編成を行い、泳法技術の習得や持久力の向上を目指しています。また、日本赤十字社の救急法や水中気功なども行っています。


ライフスポーツ演習B (キャンプコース)

  このコースは、前期学内の授業と夏期休暇中に集中授業を行うコースです。集中授業は、静岡県朝霧高原野外活動センターを利用し3泊4日で野外生活を実施しています。プログラムは、食事コンテストを含む炊飯活動、歌やレクリーエーション活動、班対抗のスタンツ大会的なキャンプファイヤーなどを行い、自主性、協調性を養いながらテント生活で他学部との交流も深め、楽しく実習を実施しています。


ライフスポーツ演習 (スキーコース)

  このコースは後期学内の授業と春期休暇中に集中授業を行うコースです。集中授業は長野県菅平高原スキー場を利用し3泊4日のスキー実習を実施しています。プログラムは、午前、午後2時間半の技術指導、夜は班別ミーティング、視聴覚指導、実技班対抗レクリーエーション大会などを通し、集団生活、協調性などを養い、他学部との交流も深め楽しく実習を実施しています。


役職 氏名 詳細 担当科目
准教授 武下 正次 【詳細】 健康の科学、健康とスポーツ演習、ライフスポーツ演習、教養演習B
准教授 大内 茂実 【詳細】 健康の科学、健康とスポーツ演習、ライフスポーツ演習、教養演習B
准教授 西垣 昭 【詳細】 健康の科学、健康とスポーツ演習、ライフスポーツ演習、教養演習B
准教授 安倍 希美 【詳細】 健康の科学、健康とスポーツ演習、教養演習C
准教授 北川 淳 【詳細】 健康の科学、健康とスポーツ演習、ライフスポーツ演習

開講科目

科目名 期間 開講期 単位
文化の領域 哲学の楽しみA 半期 前期 2
哲学の楽しみB 半期 後期 2
科学を考えるA 半期 前期 2
科学を考えるB 半期 後期 2
芸術の楽しみA 半期 前期 2
芸術の楽しみB 半期 後期 2
倫理学A 半期 前期 2
倫理学B 半期 後期 2
文学の楽しみA 半期 前期 2
文学の楽しみB 半期 後期 2
信仰と救いA 半期 前期 2
信仰と救いB 半期 後期 2
社会の領域 日本国憲法A 半期 前期 2
日本国憲法B 半期 後期 2
法律の役割A 半期 前期 2
法律の役割B 半期 後期 2
経済のしくみA 半期 前期 2
経済のしくみB 半期 後期 2
個人と社会A 半期 前期 2
個人と社会B 半期 後期 2
政治のしくみA 半期 前期 2
政治のしくみB 半期 後期 2
文化人類学A 半期 前期 2
文化人類学B 半期 後期 2
日本と国際社会A 半期 前期 2
日本と国際社会B 半期 後期 2
環境を考えるA 半期 前期 2
環境を考えるB 半期 後期 2
歴史と人間A 半期 前期 2
歴史と人間B 半期 後期 2
心理学A 半期 前期 2
心理学B 半期 後期 2
健康の領域 健康の科学A 半期 前期・後期 2
健康の科学B 半期 前期・後期 2
健康の科学C 半期 前期・後期 2
健康とスポーツ演習 通年 前期+後期 2
ライフスポーツ演習A 半期+集中 前期+夏季休暇 2
ライフスポーツ演習B 半期+集中 前期+夏季休暇 2
ライフスポーツ演習C 半期+集中 後期+冬季休暇 2
小計:78

教養演習系科目
科目名 期間 開講期 単位
教養演習系科目 教養演習A 通年 前期+後期 2
教養演習B 半期 前期 1
教養演習C 半期 後期 1
大学基礎演習A 通年 前期+後期 2
大学基礎演習B 半期 前期 1
小計:7
言語と文化A・B 言語と文化A(ドイツ語) 通年 前期+後期 2
言語と文化A(フランス語) 通年 前期+後期 2
言語と文化A(中国語) 通年 前期+後期 2
言語と文化B(ドイツ語演習) 通年 前期+後期 2
言語と文化B(フランス語演習) 通年 前期+後期 2
言語と文化B(中国語演習) 通年 前期+後期 2
小計:12

センターの活動

平成17年11月7日(月)
第一回セミナー実施 【話題:持続可能な「自然と社会」とは】
平成16年11月11日(木)
第二回セミナー実施 【話題:医療倫理としての「人間尊厳」アプローチ】
平成16年6月30日(水)
第一回セミナー実施 【話題:医療を経済学的に考える】
平成15年10月16日(木)
第一回セミナー実施 【話題:日本人の栄養所要量 −その決め方と使い方−】

話題:持続可能な「自然と社会」とは

概要:
1. 今回の話の問題意識は、養老孟司先生の著書:「一番大事なことー環境論」で述べられている、蝶々やトンボ、めだかのいる川の消滅、昆虫のすめる環境が身の回りで失われていること。それは人間社会にとって何か大きな問題を示唆しているのではないかということの課題である。

2. その点から、今日の人々が求めるLOHAS=Life Style  Of Health And Sustainability とは、これまでの大量生産と浪費の生活から、新しい価値観と自己啓発をする個人からなる、culture creative な社会への移行過程ではないかと考える。

3. ところが2030年代には、中国とインドなど新興国の急速な経済発展とWTO体制の進展とあいまって、石油など資源へのアクセスをめぐるスクランブル、温暖化対策の進展が見られないこと、そしてグローバルな生態系の危機が予想され、地球の生命システムを支える上でのさまざまな問題が先鋭化する可能性が高い。

4. この状況は、相互依存の中でシステムの存続を可能としている、自然と社会、生物と非生物の関係性が、相互間の介入、改変が大きくなる中での自然の文化化、人間の脱自然化が進むことの中で生まれてくる。現在は、自然とは何か、といっても人工化が進むことで、自然のアイデンティティーを失ってきている。グローバルなエコシステムの人間活動による占有は、植物の純一次生産の3〜40%を人間が利用していることに端的に見られる。

5. では持続可能性とは何か。初期は、一定面積の耕地からの、持続的な最大収穫量を言っていたが、1986年の「Our Common Future」の持続性では、将来世代のニーズの充足を取り入れることと、貧困撲滅など公正の実現をもとめる=その後の国連環境会議のキーワードとなっている。しかし、その解釈は玉虫色。最近は、地球システムとしての健全な生態系機能の維持、たとえば生物多様性における持続性の追及(そして社会と調和)がある。

6. この課題は、1992年、2000年、2002年の国連会議で、アジェンダ21の計画化、持続的な開発委員会の設置、国連ミレニアム開発目標の宣言と採択へと展開し、次第に一つの理念としての形をとってきている。健康維持、貧困と感染症の撲滅、教育、環境改善が一体化していく。

7. そのためには、地球システムとしての自然科学のみならず、社会としてのグローバルな秩序の形成を求める科学、さらにはグローバルに公正を確立することのできる道徳哲学などを総合化した取り組みが求められている。それはまだ専門性こそ確立はしていないが、地球規模変動と人間科学を統合するものとして、「持続性科学」という分野へと構築、推進する動きが生まれてきている。

8. この持続性科学では、世界経済のグローバル化を支える市場主義経済の位置づけは、人々の利己心追及が社会的調和と発展をもたらすとする( A.スミス)=短期利益の最大化という経済的合理性の追求であり、一面的であると見る。この枠組みでは、環境問題は、市場の外部性とし、その内部化を図る。また市場の失敗(道路など公共財)は政府が提供するものと考えている。

9. それに対して、持続性で求められるような地球共有財としてのエコシステムサービスにおいては、他者への配慮と地球の健全性を含むようなマインドを生み出すことが求められている。これをエコロジカルな合理性という(V.L.スミスの論理の拡大)。持続的な「自然と社会」のためには、豊かな自然の創造と健全性維持へのスチュワードシップが求められる(長期的なペイオフとなっている)。

発表者:元麻布大学教授、本学一般教育部非常勤講師 竹下壽英先生
日 時:平成17年11月7日(月) 16:30〜18:00
場 所:一般教育部L2号館11番教室

話題:医療倫理としての「人間尊厳」アプローチ

概要:
  「人間の尊厳(Menschenwuerde)」アプローチは、現在、ドイツやフランスの生命倫理学の原理となっている。とりわけドイツでは、「人間の尊厳」概念が「全世界に及ぶ倫理的・法的コンセンサス」を表現していると言われ、広く援用されている。
  生命倫理学の骨格は、J.S.ミルに由来する「自由主義の法理」のなかで作られていったが、最近では、代理母、クローン技術、エンハンスメントなど、自由主義の有効射程に含まれないものが多く出てきている。そこで、たとえば「人間の尊厳を守る」という憲法上の原理によって、代理母の禁止を導き出してくるという法体系を作れるのではないか。「自由主義の法理」では、個人の行為の規制根拠は「他者危害」だけで狭すぎるが、「人間の尊厳」原理を使えば、これとは対照的に、規制の可能性を大幅に広げることができるのではないかというアプローチが始まった。
  だが、「人間の尊厳」概念のインフレ的な使用が、この概念の規範的な効力を弱めてしまっている。「人間の尊厳」概念は、「人格」としての個人のみならず、前人格的な胎児やヒト胚、人間という種にも適用されているが、これら三者すべてに同等の「尊厳」(生存権)を与えることができるのか。また、日本で代理母が禁止される際の「[代理母となる]人を専ら手段としてのみ扱う」がゆえに、代理母となる女性の「尊厳」を損なうという理由は正しいのだろうか。さらに、「究極の不妊治療」として、夫婦どちらかのクローンを作るという場合でも、「親が自分の幸福追求の手段として子どもを作るべきではない」というカント的な理由で、クローン人間作りを禁止するという論法は正しいのだろうか。
  たとえ白血病で苦しむわが子を救うために、そのドナーとして新たに子どもを生むという場合であっても、不妊治療のためのクローン技術の利用と同様、その「子ども」が自然な生殖によって生まれた子どもと同じように、自立した人格として成長することを親が期待しているのなら、その子を「手段としてのみ利用」することにはならず、その「尊厳」を侵害することにはならないのではないだろうか。

発表者:倫理学単位 助教授 小林亜津子
日 時:平成16年11月11日(木) 16:30〜18:00
場 所:一般教育部L2号館11番教室

話題:医療を経済学的に考える

概要:
  「医は仁術」というとき、それは医師が患者を慈しみ治療に尽くす倫理的立場を表しているが、他方、「医は算術」というとき、それは医は金銭的利害で行われてはならないという戒めの意味で用いられる。しかし、「算術」というのを「経営効率性」の意味に考えれば、それは「仁術」を継続的に行うために必要なことである。したがって、医療を行う病院や診療所は、医業の再生産が可能になるように経営努力が求められ、現在の社会保険システムの下では、その経営努力に見合う診療報酬体系が対置される必要がある。いわゆる「医療費適正化」の問題もこのような文脈の中で考えられるべきであろう。
  このことに関連して、医療の効率を経済学でいう生産性との関係で考えてみた。生産性とは、どれだけの生産要素を投入(インプット)して、どれだけの生産物が産出(アウトプット)されたかの比率であり、製造業であれば労働者1人1時間当たり製品の量が一定期間に2倍になったとすれば、生産性は2倍になったと計算される。この考え方を医療にあてはめて、インプットを医師の診療時間と考えたとしてもアウトプットは何であろうか。それを患者数(ないしは診療件数)だと考えた場合、医師が一日に診療した患者数が多ければ多いほど生産性は上がったということになるが、医療の場合は個々の患者のニーズは異なるから、「数」という視点だけではなく、それぞれの患者に最もふさわしい診療がなされたかという「質」の視点を無視することはできない。だから、医療の場合は「生産性」というより「貢献性」という概念の方が適切ではないかと考えられる。医療が専門技術サービスであるという特性を踏まえたこの分野の一層の議論・研究が望まれる。

発表者:社会科学単位 助教授 赤澤 とし子
日 時:平成16年6月30日(水) 16:30〜18:00
場 所:一般教育部L2号館11番教室

話題:日本人の栄養所要量 ―その決め方と使い方―

概要:
  栄養所要量とは、我々が健康に暮らすために必要とされる栄養素の種類とその量や栄養素間の比率などを決めたもので一日あたりの量で示されている。わが国では大正中期より主として国立栄養研究所で基礎的研究が行われ、国民の健康保持・増進、疾病予防のために用いられてきた。この所要量策定に関する基本的な考え方は、いかにして国民の栄養状態を保つかといった戦中戦後の食糧難の時代から、運動不足、肥満、生活習慣病の増加を問題としなくてはならない飽食の時代におけるそれへと大きく変わりつつある。しかし、基本的には個人を対象にした所要量ではなく、集団を対象としていることには変わりがない。
  ここでは、われわれ一人一人、個人の健康の保持・増進のために摂るべき栄養所要量の推定方法について考える。
またいかに学問的に厳密に栄養所要量が決められても、我々が口にするのは栄養素そのものではなくそれらが複合的に含まれている食品である。我々は生まれてより毎日3度3度食べてきた食事によって形成された食習慣ならびに嗜好によって食品選択を行う。それらの合計としての1日摂取量と栄養所要量が毎日正確に合致するなどということはほとんど不可能に近い。健常人の場合はこれらの許容幅が広く特に問題は少ないであろう。しかし、食事療法の有効なある種の疾病では摂るべき栄養素の許容幅は極端に狭くなることが考えられる。治療のための指示栄養量を満足させながら、可能な限り患者の食習慣・嗜好に近い食事を提供するためのコンピュータ・システムについて考えてみた。

発表者:健康科学単位 助教授 白鷹 増男
日 時:平成15年10月16日(木) 16:30〜17:30
場 所:一般教育部L2号館11番教室