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医療安全に関する考え

危機管理担当副院長・医療安全管理室長 神谷紀輝

患者個人の多様性

医療行為を受ける側の個人には多様性があることは、ご理解いただけると思います(たとえば、ある症状に多くの人に有効な薬があってもその薬にアレルギーを持っている場合にはその人に使用する際には注意が必要になる)。
仮に確立した治療法であっても、その個人に対し効果が得られるかどうかは保証することはできず、予測の範疇を越えた反応が生じる可能性もあります。

医療・医学の不確実性

医療施設で行われている行為は裏付けとなる科学的根拠、経験をもとに実施されています。しかしそれは期待される効果を保証する絶対的なものではありません。その有効性の証明には確率の概念(統計学)を用いることで、効果の客観的評価を行ったものであり、行為を受ける当人に対する評価ではありません。もちろん行為の程度(侵襲度)によって確率の幅の大小があります。

説明と協力

その結果、医療行為は不確実性と多様性の影響を受けて、さらにいくつもの考慮すべき過程を経て最終的に実施されるものなのです。
その不確実性を補完するために医療者からの十分な説明、個人のご理解ご協力が不可欠となります。
医療者は不確実性の高い医療行為を行う際に目的、利益、不利益、危険因子などに関する情報を個人に対しご説明いたします。説明同意書が必要となった際には、以上の点を十分にご理解頂いた上でご署名ください。疑問があるとき、すぐに署名する決心がつかないとき、またはご本人以外の方にも説明を聞いた上で判断したい場合には、担当医にその旨お伝えください。
個人のご協力には、医療行為によって期待される効果が確実に、速やかに得られるための度重なる確認行為など医療安全に関連した指示や行為にご協力頂くことが含まれます。

参考 理化学研究所ゲノム医科学研究センター鎌谷直之 医療における付加宇実性と多様性 臨床リウマチ:24:3, 2012

医療安全の体制

当院の基本方針にあるとおり「患者さまと医療者の良好な信頼関係に基づく高いレベルの医療安全をめざし、すべての職種が協同して適切な安全管理を行う。」ため図1の体制で行っております。

また、当院における医療事故・医療過誤の発生防止に組織的に取組み(注1)、医療の質を保証し、安全かつ適切な医療の提供体制を確立することを目的とした医療安全委員会を毎月開催しています

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(注1)
■医療事故調査報告制度
医療事故調査制度は、平成26年6月18日に成立した、医療法の改正に盛り込まれた制度です。
制度施行は平成27年10月1日です。
■内容
医療事故が発生した医療機関において院内調査を行い、その調査報告を民間の第三者機関(医療事故調査・支援センター)が収集・分析することで再発防止につなげるための医療事故に係る調査の仕組み等を、医療法に位置づけ、医療の安全を確保するものです。