Language    Japanese  ⁄  English  


Left menu
Right menu
国際水圏メタゲノムシンポジウム
−水圏メタゲノミクスの展開と水圏生物多様性の展望−

開催の趣旨

国際水圏メタゲノムシンポジウム  ポスター  近年、分子生物学的技術の飛躍的な進展により、生命科学研究の考え方や進め方が大きく変化している。特にゲノムサイエンスの分野では、ヒトゲノム配列解読の終了宣言が出されて以来,微生物レベルの研究は、全ゲノム配列決定を行うことが今や日常的になってきている。この原動力となった次世代シーケンサの誕生と普及は,ゲノム情報をより大規模かつ短時間に得ることを可能とし、生命科学的研究においては、ゲノム情報を調べることから研究がスタートする時代に突入している。

  水圏生物科学分野においても例外ではなく、次世代シーケンサを活用することで、この分野の生命科学研究が大きく前進している。特に水圏微生物研究でその傾向が顕著であり、次世代シーケンサとメタゲノム解析を利用した新たな研究分野が生み出されている。今まで不可能であった難培養性の細菌のゲノム解析がメタゲノム解析により可能となり、水圏微生物の遺伝子資源の利用を促進する研究、水圏の生産力の原動力となる微生物が作り出す低次生態系の研究、魚病細菌のゲノム解析の研究などが精力的に進められ多くの研究成果が報告されている。

  わが国の排他的経済水域(EEZ) は、世界でも有数の高い生物多様性を誇る海域である。この多様性の高さは、豊富な生物資源の源となっており、海洋国家である日本は、古くからその恩恵を享受してきた。このような中、わが国は世界に先駆け,1980年代からマリンバイオテクノロジー分野を発展させ、物理化学的な海洋環境研究とともに海洋生物の多様性を把握し、海洋生物資源の積極的な利用を推進してきた。

  本シンポジウムは、環境保全,資源確保,産業応用の観点から大きな注目を集めている水圏メタゲノム研究の最新の知見と直面している課題を国際的視点から紹介し、議論を深めようとするものである。また、水圏メタゲノムから続く水圏生物ゲノムの解析は、水圏生物の生命現象を知る上で重要な課題であるのみならず、産業への応用や,環境問題への取り組みとも大きく関連する。そこで、本シンポジウムは水圏生物ゲノム解析の現状と最新知見についても合わせて議論する。

  なお,本シンポジウムでは、1962年にノーベル生理学・医学賞を受賞されたジェームズ D ワトソン博士による特別講演を企画した。周知のように、ワトソン博士によるDNA二重らせんモデルの提唱とその機能の証明は、その後の生物学に革命的な変化をもたらした。ワトソン博士の基調講演は今後の水圏ゲノム研究にも大きな刺激となることは間違いない。

実行委員長
   五條堀 孝
副委員長
   緒方 武比古
   和田 時夫