トップ> 高校での出前講義受付中 >平成22年度出前講義のご案内
北里大学海洋生命学部では,海の生命科学”の魅力を皆様に伝えたいと考え,高校生を対象とした『出前出張講義』を実施しています.これまで3年間に計59校の高等学校において実施し,生徒や教員の皆様から好評を頂いています.
この機会を是非ご利用ください.易しく解説しますので,理系科目が苦手でも問題ありません.経費は当方負担にて伺います.
お申し込み方法:この用紙
にご記入のうえ,FAX(0192-44-2125)でお送り頂くか,e-mail ( kaiyo@kitasato-u.ac.jp ) にて必要事項をご連絡下さい。
生理
サケやマグロなど硬骨魚類の成長は,哺乳類と同じようなメカニズムにより調節されています.それでは軟骨魚類のサメや最も原始的な魚のヤツメウナギはどうでしょうか? そもそも,魚は生まれてから死ぬまで成長し続けるのでしょうか?講義では,魚の成長のメカニズムに関する最新の研究内容を解説します.
多くの動物にはオスとメスが存在し,性染色体の組み合わせによって遺伝的に性が決まります.しかし,魚類のいくつかの種では環境要因によって性が決まり,さらに雌雄同体現象や性転換をみせるものもいます.人為的な性の転換も可能で,私たちの性とは違いかなりの柔軟性があります.講義では,魚の多様な性の分化と環境適応,繁殖戦略について紹介します.
サカナも色を識別できるといったら皆さんは驚くでしょうか? サカナの色覚は意外に発達しており,ヒトより優れている点もあります.その能力の一つは,棲んでいる場所の背景を認識して体表の色と模様を合わせることです.意外なことに,水槽の色や光はサカナの食欲にも影響します.この現象には,脳でつくられるホルモンが関わっています.その最新の情報を紹介します.
魚を飼っている水槽に近づくと,魚たちは餌をもらえると思うのでしょうか,人のいる方に寄ってきたり水面で暴れたりします.彼らは(我々もそうですが)特に食べることに関して優れた学習能力を持っているのです.この学習能力を利用して,経済的で環境にも優しい新しい養殖技術「自発摂餌」が開発されました.この講義では魚の自発摂餌に関する研究について紹介します.
魚も私たちも当たり前のように毎日繰り返している「食事」ですが,食べるという行動を引き起こす「食欲」は,脳内のたくさんのホルモンの共同作業によって生み出されているのです.では魚と私たちでは同じ仕組みなのでしょうか? 単純そうに思える魚の食欲の仕組みですが,実は意外にとっても複雑であることがわかってきました.この講義では,複雑だからこそ面白い魚の食欲システムについての解説と,魚の食欲に関する研究から広がる可能性について,みなさんと一緒に考えてみたいと思います.
全ての生物の寿命は有限で,死ぬまでの限られた時間で成長して繁殖します.最近の研究で,寿命を決める遺伝子が見つかりました.寿命はストレスと深く関わっています.ストレスとは有害なものと考えられますが,逆に有益なこともあります.講義では,寿命とストレスに関する最新の知見を解説します.
免疫系の発達した脊椎動物では,自己と異なる細胞は白血球によって攻撃され,拒絶されます.子供の細胞も精子も母親にとっては“非自己”です.なのになぜ妊娠が成り立つのでしょうか.胎生魚の研究から,免疫系と胎生の進化の過程を探ります.
おさかなの表面がヌルヌルしていることは,皆さんご存知でしょう.でもこれ,いったい何のためにあるのでしょうか? 実はこの中には様々な防御因子が含まれており,バイキンの侵入に備えているのです.しかもこの防御システムは,どうやらおさかなの種類によってちょっとずつ違っているようです.この講義では,様々なおさかなの体表防御因子について紹介します.
皆さんはナマコについてどんなイメージを持っていますか? 気持ち悪い?でも珍味として酒の肴に重宝がられますし,中華料理では高級食材なんです.また,機嫌が悪くなると内臓を吐き出したり(でも大丈夫,数ヶ月で内臓は再生します),半分に切っても死なずに2匹になったり…と,意外とおもしろい生き物です.この講義では,そんなナマコの生物学を解説します.
生態
太陽の届かない暗く,冷たく,高圧の深海には,太陽に依存しない生き物たちの楽園があります.深海には海底火山のある熱水噴出域,地震の巣の周辺などにできる湧水域,鯨骨生物群集や沈木生物群集などの生物起源の化学合成生態系があります.砂漠のような深海底にぽつりと熱水や湧水ができると,そこにはサンゴ礁の生物量にも匹敵するほどの生物がひしめき合って生きる深海のオアシスができるのです.そこにいきる生物たちを紹介してゆきます.
お盆をすぎると出てくるといわれるクラゲたち.皆さんが普通に見ているふわふわと泳いでいるクラゲは,クラゲの生活の一面でしかないのです.クラゲには雌雄の区別がなく自らが分裂して増え,付着生活をするイソギンチャクのような形をしたポリプの世代があり,それがクラゲの正体かもしれません.十億年の昔から生き続け,淡水から汽水,浅海から深海まであらゆるところに適応して生息するクラゲ類,その生命力,適応力の秘密をお教えします.
魚の生きがいって何だろう?皆さんはそんなことを考えたことがありますか?生き物は自分の遺伝子を残すために,「ゆっくりとした競争」をしながら生きています.そのために,様々な戦略や戦術を用いますが,それはおどろくほど多様です.例えば恋の仕方も様々で,一夫一婦から一夫多妻や一妻多夫まであるかと思えば,オスが子供を産んだり,オスがメスに寄生したりするものまでいます.魚にも,もてるヤツともてないヤツがいるって知っていますか?
18メートルにもなる巨大ザメに手のひらに乗る小さなサメ? 餌を探す高性能レーダー? 必殺技で魚を捕らえる? クッキー作りの得意なサメ? やさしい平和主義者? サメ,このジョーズのイメージで知られる海洋生物の真の姿に迫ります.
海藻は陸上植物とは違って赤や緑,茶色など様々な色をしていたり,これが同じ種類かと思うほど大きさと形が違う体を持っていたりします.海藻はなぜこのように多様なのか,そして,この変わった生物と我々人間との深い関係について解説します.
磯に行けば誰でも見たことのあるフジツボ.でも,この不思議な動物についてどれだけ知っていますか? 口はどこ? 動けないのにどうやって子孫を残すの? 子供はどんな形? 成長するの? 何の仲間?寿命は? さあ,あなたはいくつ答えられますか? ダーウィンをも虜にしたこの動物.この講義を聴けば,あなたもダーウィンの気持ちがわかるかも.ビデオや写真を通して付着して生活するこの動物の神秘に迫ります
化学
海洋生物は,相手をだまして餌にありついたり,捕食者を感知して逃げ出したり,さらに共生関係を結んだりして,上手に生き抜いています.このために化学物質を利用する海洋生物もいるのです.これら海洋生物の生き残りのための,様々な化学物質について解説します.
自分の食べるものに気を使っていますか?様々な食材が氾濫する現代,食品の三次機能である機能性が注目されています.この講義では水産食品に含まれる健康機能性成分のいくつかを紹介し,いったい何を食べればよいのか一緒に考えてみたいと思います.
磯遊びで小さなカニや貝を捕まえた経験のある方は多いでしょう.沢山とれたので,持って帰って味噌汁の具にでもしましょうか?実はこれは危険な場合もあるのです.この授業では致死的な食中毒の原因となる海洋生物と,それら生物の持つ有毒成分について紹介します.
貝毒ってどんなもの? どれくらい危険なの? 魚介類を安全に食べるにはどんな注意が? 記憶喪失性貝毒ってどんなもの? 毒の生産生物は? 生産生物にとって毒はどんな意味があるの?… これまで分かったこと,まだ分からないこと,今考えていること.魚介毒全般の解説と,記憶喪失性貝毒を例に結果だけでなく楽しい追求過程を紹介します.