一般教育部長のメッセージ

学生の皆さんへ

一般教育部長 伊藤真吾

能動的に学び、
広い視野と深い知識を手に入れ、
自分の未来を切り拓いてほしい

一般教育部長  伊藤 真吾

 私たち一般教育部は、幅広い視野および豊かな人間性と倫理観を備え、総合的な教養を身につけた人材の育成を目的として、主に1年次生対象の基礎教育や教養教育(本学では「1群科目」と呼ばれる)を担う組織です。教員組織は、自然科学教育センター、人間科学教育センター、基礎教育センターの3センターから成っています。所属教員の専門分野は多岐にわたり、各々の専門分野の研究を行うとともに、その専門知識を生かした授業を行っており、幅広い学問分野に対する教育を展開していることが特徴です。

 「1群科目」は「基礎教育科目」、「人間形成の基礎科目」、「教養演習系科目」に分類されます。「基礎教育科目」には、物理、化学、生物、数学、情報、英語が含まれており、2年次以降の専門教育へスムーズに移行するための基礎を築く役割を担っています。高校で学ぶ内容を基礎としつつ、大学ではその基礎をさらに強固にし、理解をより深めていきます。高校での学びに個人差があることも考慮し、その差を補うことも目的の1つです。「人間形成の基礎科目」には、哲学、芸術、倫理学、文学、心理学、健康科学などが含まれます。この中には、みなさんの専門とは直接関わりのないものもあるので、これらを学ぶことに疑問を感じる人もいるかもしれません。しかし、これらの科目は基礎教育と同じくらい、重要であると私たちは考えています。純粋な教養としての面白さを知ってほしいことはもちろんですが、倫理観や価値観、人間性を育むことがみなさんにとって大切なことだからです。また、様々な文化や歴史、哲学に触れることで、自己や他者の理解を深め、人間関係や社会での役割をより理解することにもつながります。社会に出てからも役立つこととなるでしょう。「教養演習系科目」には、教養演習、大学基礎演習、言語と文化が含まれます。教養演習は担当者の専門分野を背景とする演習中心の科目で、自ら課題を見出し、それを解決していく能力を育むことを目的としています。大学基礎演習は、高校から大学への円滑な移行を目指し、大学での学習方法を実践的に学び、身につけるための場です。また、言語と文化では英語以外の言語および各国における多様な文化・習慣・価値観などを学ぶことができます。

 大学生活は、将来を見据えて過ごす非常に重要な時間です。勉学に励むことはもちろん、多くの人と出会い、多様な経験を積むことも大切です。部活動やサークル、懇和会、ボランティア活動など、様々な活動に参加することで、自分の興味や関心を広げ、新たな発見や成長の機会を得てほしいと思います。興味や関心の幅を広げることで、新たな経験や気付きを得たり、新たな人間関係を構築したりすることができます。それは、みなさんのこれからの成長に大きな影響を与えてくれることとなるでしょう。

 大学には各専門分野において最先端の知識をもつ先生方がたくさんいます。このような環境で自由に「学び」に没頭できる4年間ないし6年間は、大学生ならではの貴重な時間です。受け身になることなく主体的に取り組み、この貴重な機会を最大限に活用してください。高等学校までにみなさんが経験してきた「学び」は、与えられた問題に対して、その正解を導くことが多かったかもしれません。しかし、現代の社会においては、自ら問題や課題を発見したり、答えのない(そもそも正解がない)問題に対して、知識、技術、経験を活かし、論理的に考え、他者と議論・協力をしながら、最適な結論を導きだしたりする力が求められています。このような力は一朝一夕で得られるものではありませんが、多くの科目を学んでいくなかで、少しずつ着実に身につけてもらえることを期待しています。