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概要

眼の乾き、疲れや充血、ごろごろ感といった症状をともなうドライアイを専門に診療しています。ドライアイは一見重篤な疾患ではないように思われがちですが、自己免疫疾患の一種であるシェーグレン症候群が原因の場合もあります。当外来では、角結膜の観察、涙液分泌機能検査だけでなく、涙液油層観察装置を用い、涙液の層別診断を行い、その結果から治療を進めています。点眼治療だけでなく、特殊製剤である血清点眼、涙点プラグ挿入、涙点閉鎖術も行っています。

対象疾患

ドライアイ

涙は眼の表面にある角膜や結膜を守るはたらきがあり、「まばたき」をすることで、常に新しい涙が眼の表面を覆い、乾燥や細菌感染などから眼を守っています。この涙の量が減り、成分が変化し、角膜や結膜に障害が起きる状態が「ドライアイ」です。ドライアイは、涙の分泌自体が減ってしまう涙液分泌減少型と、すぐに涙が蒸発して眼の表面が乾燥する涙液蒸発過多型があります。

健康な人でも、年齢とともに少しずつ涙の量は少なくなります。夜になると涙の量は減りますが、緊張、ストレス、寝不足、そして精神安定剤などの内服でも少なくなることがわかっています。仕事で一日中パソコンの画面を見続けたり、エアコンの利いた乾燥した室内に長時間いるなど、涙の量が少なくなる原因は至るところにあります。

全身疾患が基礎にあり、かつ涙液分泌に異常の見られるシェーグレン症候群の場合は、ドライアイの程度も重症で、重度の角膜障害をともなうことも多く見られます。角膜の傷に細菌感染などが生じると角膜潰瘍を発症し、治療が遅れると、失明することもあります。

おもな症状

眼が疲れる、充血する、ごろごろする、まぶたが重くて開けにくい
※その他にも様々な症状があります。疲れ眼の患者さまの約60%がドライアイであったという調査結果も報告されています。

治療内容

検査

当外来では、角結膜の観察、シルマーテスト(涙液分泌機能検査)だけでなく、涙液油層観察装置(DR-1)を用いて診断を行っています。
また、眼鏡のピントが合っていないことや、コンタクトレンズのカーブが角膜に合っていないことが非常に多く見られます。当外来では、涙液検査を受けるだけでなく、眼鏡とコンタクトレンズのチェックを一緒に行うことをおすすめしています。

治療

  1. 人工涙液やヒアルロン酸の点眼をし、足りない涙を補う
    多くの場合、眼の乾燥を防ぐために人工涙液の点眼薬や保湿効果のあるヒアルロン酸の点眼で改善できます。ただし、点眼薬はどれでも良いということではなく、特に日に何度も点眼しないと改善できない場合は、防腐剤を含まない人工涙液の使用をすすめています。防腐剤は、かえって角膜を傷つけてしまうことがあるためです。

  2. 点眼液で、涙液を改善する
    涙の量を増やす効果が期待できる点眼や、涙の成分中のムチンを増やして涙の層のバランスを安定させる点眼で、劇的に異物感や見えにくさを改善できることがあります。

  3. 涙点プラグを挿入し、眼を自分の涙で潤す
    これらの点眼薬でも改善されない場合は、眼の表面を自分の涙で潤すために、目頭の涙点に涙点プラグを挿入し、涙が鼻涙管から排出されないようにします。

  4. 自己血清点眼療法で、足りない栄養分を補う
    人工涙液や涙点プラグを使用しても眼の表面の傷が治らないときは、単に涙の量が足りないのではなく、栄養分が足りないことが多く、この場合は自己血清点眼療法を行っています。これは、血液中の血清成分を分離し調整するもので、この血清成分が涙の成分に非常に似ていることから行われるようになりました。この自己血清点眼は無菌的に精製する必要がありますが、当院では薬剤部との連携により、血液を採取した当日に製剤室で無菌的に精製して患者さまにお渡ししています。

緊張やストレス、寝不足、精神安定剤などの内服、生活環境などが原因になる場合も多いため、軽度のドライアイの場合は、患者さま一人ひとりの生活環境の中に原因となるものを探し、指導をしていくことが治療となることもあります。

医師紹介

担当医の小川医師は、当院にてドライアイ外来を開設して20年以上の経験を有しています。ドライアイ研究会に所属し、常に新しいドライアイ治療についての情報を患者さまに提供しています

氏名 役職・専門・出身 資格等
小川 旬子(おがわ じゅんこ)
<役職>
眼科副部長、地域健診科部長

<専門>
眼科一般、ドライアイ、コンタクトレンズ
<出身>
聖マリアンナ医科大学医学部(1985年卒業)
日本眼科学会専門医
日本抗加齢医学会専門医
難病指定医
身体障害者福祉法指定医

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