腸に炎症が起きる多くの疾患のうち、特に潰瘍性大腸炎(Ulcerative colitis; UC)とクローン病(Crohn's disease; CD)という病気を指します。これらの疾患は慢性的に下痢や腹痛、下血などをきたす原因不明の難治性疾患ですが、近年の研究によって、本来自己の体を守るための免疫機構がうまく働かないために、腸や本来共存すべき腸内細菌に対して攻撃的に働いてしまうことが原因の一端ではないかと考えられています。
これらの疾患の発症は年々増加しており、厚労省の特定疾患受給者数の統計によれば、2016年現在、潰瘍性大腸炎は18万人、クローン病は4万人を超える方が罹患しているといわれており、20代から40代の比較的若年者に多いことが特徴です。
慢性的に続く下痢・血便・腹痛、発熱、体重減少、肛門病変(痔瘻)など
内視鏡やレントゲン、CTなどを組み合わせて検査・診断を行います(バルーン小腸内視鏡、小腸・大腸カプセル内視鏡、MRエンテログラフィーも可能)。
治療は、保険適応内のすべての既存治療ならびに治験などの先進治療を行っています。
A.5-アミノサリチル酸(ASA)製剤(サラゾピリン®、ペンタサ®、アサコール®)
B.副腎皮質ステロイド
C.免疫調節薬(イムラン®、アザニン®、ロイケリン®)
D.抗TNF-α抗体(レミケード®、ヒュミラ®)
E.抗生剤・プロバイオティックス
F.栄養療法(エレンタール®)
G.血球成分除去療法(アダカラム®、セルソーバ®)
H. 漢方薬(青黛)、各種新薬の治験
※英語による診療も行っています。We have English-speaking doctors.
診療患者数 | 大腸内視鏡(IBD専門医枠) | |
潰瘍性大腸炎(UC) | 565人 | 362件 |
クローン病(CD) | 180人 | 66件 |
外来・入院を問わず一貫して国内外で研鑽を積んできた専門医が診療を担当いたします。内視鏡、消化管透視に関しても炎症性腸疾患の専門医が実施いたします。複数の専門医師により常に診療方針を協議し、外科医、IBDに詳しい看護師や栄養士などをそろえたチーム医療を提供します。
氏名 | 役職・専門・出身 | 資格等 |
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![]() | <役職> 非常勤 <専門> 内科一般、消化器疾患 <出身> 慶應義塾大学医学部卒業(1973年卒業) 慶應義塾大学大学院(1977年修了) | 日本内科学会認定内科医・指導医 日本消化器病学会専門医・指導医 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医 日本大腸肛門病学会専門医・指導医 難病指定医 小児慢性特定疾病指定医 日本炎症性腸疾患学会理事 北里大学大学院医療系研究科(炎症性腸疾患臨床研究講座)特任教授 |
![]() | <役職> 炎症性腸疾患先進治療(IBD)センターセンター長 消化器内科部長 <専門> 消化器疾患 <出身> 名古屋大学医学部(1998年卒業) | 日本内科学会認定内科医 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医・指導医 日本消化器病学会消化器病専門医・指導医 日 本消化管学会暫定専門医・暫定指導医 難病指定医 小児慢性特定疾病指定医 日本医師会認定産業医 北里大学大学院医療系研究科(炎症性腸疾患臨床研究講座)特任准教授 日本大腸検査学会評議員 日本消化器内視鏡学会関東支部評議員・学術評議員 日本消化器免疫学会評議員 医学博士 |
![]() | <役職> 消化器内科医員 <専門> 消化器内科 <出身> 千葉大学(2016年卒業) | JMECC 緩和ケア講習修了 |
![]() | <役職> 消化器内科医長 <専門> 消化器内科、炎症性腸疾患 <出身> 近畿大学医学部(2007年卒業) 広島大学大学院(2017年修了) | 日本内科学会認定内科医 日本消化器病学会消化器病専門医 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医 日本消化管学会暫定処置による専門医、指導医 難病指定医 日本感染症学会指導医 北里大学医学部(炎症性腸疾患教育・臨床研修学EAJZ)特任助教 医学博士 |
![]() | <役職> 医員 <専門> 消化器内科 <出身> 浜松医科大学(2016年卒業) | 日本内科専門医 |