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概要

整形外科診療を窓口とし、人工関節置換術・自家培養軟骨移植術を受けられる方を対象に診療を行っています。
当外来は、高齢者の増加に伴い、変形性膝関節症の患者さまが経時的に増加している背景から、2006年に設立されました。整形外科医、麻酔科医、合併症管理の内科医、さらに、手術室および病棟看護師、理学療法士、各種主検査のための技師、薬剤師など各部署が円滑に連携し、人工関節手術に対する専門性を深めることで、人工関節に特化した医療機関として、患者さまにより良い結果を提供することに努めています。

対象疾患

変形性関節症(膝・股・足・肩)

関節のクッションとなっている軟骨などがすり減ったり傷ついたりすることで、骨と骨がこすれあい、痛みや運動障害を招くのが変形性関節症です。
変形性膝関節症の場合は、クッションとなる半月板や軟骨が摩耗して機能しなくなり、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)がこすれあうことによって起こります。男女とも50歳前後から増加しますが、比較的女性に多くみられます。20~30歳代でも、膝関節内の重篤な骨折から変形性膝関節症に移行する場合があります。
変形性股関節症の場合は、生まれつき股関節がずれていたり(先天性股関節脱臼)、骨盤の発育不全(臼蓋形成不全)などがあると、成長による体重増加などでクッションになっている骨頭表面の軟骨が潰れて機能しなくなり、骨頭と臼蓋がこすれあうことによって起こります。

慢性関節リウマチ

関節内の膜が炎症を起こす病気です。放出された化学物質が原因で炎症が起こり、この化学物質が関節の軟骨や骨を破壊し、関節の痛みや腫れを引き起こします。

その他

特発性・2次性骨壊死症、急速破壊性股関節炎など

診療内容

おもに人工膝関節および人工股関節置換術を扱いますが、人工肘関節、人工肩関節、人工足関節などの置換手術も行っています。
また、20~30代の若い世代の関節内の重篤な骨折等の外傷・激しい運動による軟骨欠損に対しては、人工関節置換術を適応する前の段階として自家培養軟骨移植術を年間20件ペースで取り扱っています。自家培養軟骨移植術と人工関節置換術のどちらが適応になるかは、膝の軟骨の状態によりますので、ご相談いただければ幸いです。
※自家培養軟骨移植術は、膝関節のみ実施しています。

人工関節膝関節・股関節置換術

人工膝関節および人工股関節置換術は基本的に、傷が小さく、筋肉や腱への侵襲を少なくし、術後の疼痛を抑え、早期のリハビリテーションと社会復帰が可能な最小侵襲手術( MIS:Minimum Invasive Surgery)を採用しています。
MISをさらに効率的で安全に行うためのナビゲーションシステムを活用したり、患者さまの骨の形に合わせてインプラントを設置するオーダーメイド人工関節PSiを採用しています。
また、人工関節の機種も現行で最も正常膝関節の動きに近いものを採用し、膝関節内側だけが変形している場合など、膝蓋大腿関節のみの膝蓋大腿関節置換術、内側や外側のみの単顆関節置換術をパーツ別に組み合わせた人工関節も採用しています。
MISからの早期リハビリテーションを実現するために、麻酔科の協力により、足が動いてもほぼ無痛を実現する痛みのコントロールを行っているのも大きな特徴です。

当外来(センター)で行う人工関節手術件数は年々増加し、現在は膝関節・股関節を中心に年間200件ペース(2015年度 人工膝関節置換術102件/人工股関節置換術74件)を超えるに至っています。診療された患者さまのデータから得られた様々な情報を検討し、麻酔方法、手術方法、リハビリテーション内容などを常に見直し、その時点でできうる最高の条件を提供してまいります。

自家培養軟骨を用いた膝軟骨修復術

自家培養軟骨「ジャック」を用いた膝軟骨修復術は、再生医療で実用化された最先端医療です。

軟骨は膝や肘などの関節の骨の表面を薄く覆っていて、関節の動きを滑らかにする役割を担っています。軟骨組織はケガなどで一度損傷を受けると自然には治らない組織です。軟骨組織にはもともと血管がないため、軟骨組織を治すための細胞も、細胞を増やすための栄養も供給されないので、軟骨は自然治癒しないのです。自己修復が難しい軟骨組織ですが、軟骨細胞自体には増殖する能力があります。そこで、患者さまの軟骨組織の一部を取出し、軟骨細胞が増殖できるような環境を整えて作られたのが自家培養軟骨です。軟骨欠損部に自家培養軟骨を移植することで、軟骨組織が修復することが確認されています。
この方法は「自家培養軟骨移植」といい、平成24年7月に厚生労働省で認可され、平成25年4月より保険適用になりました。

侵襲の少ない関節鏡手術で膝の軟骨を少量採取し、ゲル状のアテロコラーゲンと混合して立体的な形に成型した後、培養します。約4週間の培養期間中に軟骨細胞は増殖し、軟骨基質を産生して本来の軟骨の性質に近づいていきます。この方法は三次元培養法と呼ばれ、軟骨細胞が本来持っている性質を維持したまま培養できる、とても優れた方法です。
ジャックの適応は、事故などを原因とする膝関節の外傷性軟骨欠損症などで人工関節に置き換えるほど重い症状ではないが歩行に支障がある人、30~50代の働き盛りで再びスポーツなどをやりたいという患者さまを対象として想定しています。
自家培養軟骨移植が可能な医師基準、施設基準を満たす病院は国内に100~150カ所で、都内では、当院を含め数施設のみです。
※ジャックは広範な軟骨欠損がある場合に適応され、小さな欠損では自家骨軟骨移植を適応する場合もあります。

JTEC(株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング)のHP
http://www.jpte.co.jp/

自家培養軟骨とは
http://www.jpte.co.jp/business/regenerative/cultured_cartilage.html

医師紹介

氏名 役職・専門・出身 資格等
月村 泰規(つきむら やすのり)
<役職>
病院長補佐、整形外科部長、スポーツ整形外科部長、リハビリテーション科部長、人工関節・軟骨移植センター長

<専門>
整形外科一般、膝・足関節などの関節外科、脊椎外科、スポーツ医学
<出身>
日本医科大学医学部(1988年卒業)
日本整形外科学会整形外科専門医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本体育協会認定スポーツドクター
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本整形外科学会認定リウマチ医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
身体障害者福祉法指定医
難病指定医

医学博士
金子 博徳(かねこ ひろのり)
<役職>
整形外科部長、総合スポーツ医学センター長、予防医学センター予防医学科部長

<専門>
整形外科一般
<出身>
慶應義塾大学医学部(1994年卒業)
慶應義塾大学大学院(2000年修了)
日本整形外科学会整形外科専門医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本抗加齢医学会専門医
難病指定医
身体障害者福祉法指定医

医学博士
齋藤 良彦(さいとう よしひこ)
<役職>
整形外科副部長、人工関節・軟骨移植センター副センター長、救急科副部長

<専門>
整形外科一般、膝・足関節などの関節外科・スポーツ医学
<出身>
東京医科大学医学部(2006年卒業)
日本整形外科学会整形外科専門医
身体障害者福祉法指定医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
日本整形外科学会認定リウマチ医
日本体育協会公認スポーツドクター
日本医師会認定健康スポーツ医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本整形外科学会認定研修指導者
日本体育協会公認アメリカンフットボール指導員
介護支援専門員(ケアマネージャー)
関東学生アメリカンフットボール連盟メディカル委員
難病指定医
小川 亮(おがわ りょう)
<役職>
整形外科医員

<専門>
整形外科一般、股関節
<出身>
慶應義塾大学医学部(2010年卒業)
日本整形外科学会整形外科専門医
難病指定医

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