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概要

肝臓外来では、肝障害でお困りの多くの患者さまや診断や治療に難渋している近隣の医療機関からのご紹介などを積極的に受け入れ、診断・治療にあたっています。血液検査や超音波検査等のみでは診断が難しい場合は、1泊入院していただき、肝臓組織を直接エコーガイド下で採取し、病理専門医の診断も参考に確定診断をします。肝臓腫瘍の診断・内科的治療も積極的に行っています。

対象疾患

肝炎(ウイルス性、自己免疫性、薬剤性、アルコール性)、肝硬変症、肝臓がん、NASH(非アルコール性脂肪肝)、胆嚢・胆管疾患

おもな症状

だるい、体が黄色い、尿の色が濃い、おなかが張る、食欲がない、足がむくむ

治療内容

当院はウイルス性肝炎の治療に関して豊富な治療経験をもっており、都内でも常に上位の診療実績を築いてきました。近年問題となっている非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の診断・治療にも力を注いでおり、本学薬学部や企業とも連携して治療薬の研究や発症の原因究明を行っています。また、外来には院内認定制度に合格した肝臓病看護院内認定看護師が常駐しており、患者さまの日常生活の注意点や疑問にお答えできる体制をとっています。2016年4月からは肝臓の硬さを体外から非侵襲的に剪断波(せんだんは)で測定する腹部エコー装置を導入し、簡易的に肝硬変への進展度を計測できるようになりました。
胆石症・総胆管結石症の診断・治療も胃腸センタースタッフと連携して行っており、胆嚢や胆管腫瘍の診断・治療も、胃腸センター、消化器外科と密に連携し行います。
入院治療が必要な場合は、複数の科の医師・スタッフが連携するセンター医療になります。肝臓内科医が主治医となり、外科、内視鏡、放射線科医や薬剤師、栄養士、肝臓病看護院内認定看護師が関与するチーム医療を行っています。それぞれの立場から診断・治療や入院中や退院後の療養について、よりきめ細かい対応ができるよう日々努力しており、患者さまが不安のない療養生活をめざします。退院後も肝臓外来にて患者さまに最適な治療・療養指導を行います。

肝腫瘍

肝腫瘍には、良性、悪性、肝臓から出る原発性、他の臓器からの転移性のものがありますが、当院では、造影CTやプリモビスト造影MRI検査のほか、診断が難しい場合はエコーガイド下の腫瘍生検を行い、正確な診断に努めます。治療が必要な場合は、肝臓内科医によるエコーガイド下でのラジオ波焼灼療法(RFA)をはじめ、肝臓外科医による手術、放射線科医による経皮経肝動脈塞栓術(TACE)などのうち、最適な治療法を選択します。また、抗がん剤による化学療法の経験も豊富です。
さらに、樹状細胞ワクチン療法(自費診療。肝細胞がん術後は一部先進医療申請中)とよばれる免疫療法も行うことができる、全国でも数少ない病院のひとつです。

肝炎および肝障害

診断が難しい場合は、エコーガイド下肝生検で肝炎部分を採取して病理検査を行い、正確な診断をつけます。ウイルス性B型・C型肝炎の治療薬の進歩は目覚ましく、現在ではほとんど飲み薬で治療可能です。肝臓病センターでは豊富な経験に基づき、患者さまに最適の治療薬を選択します。
また、患者さまにご協力をお願いして第III相臨床試験とよばれる新薬開発において欠かすことのできない肝炎治療薬の臨床治験も行っています。
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、飲酒をほとんどしていないのに脂肪肝からアルコール性肝炎と同じような炎症が生じて、場合によっては肝硬変症に至る疾患です。肥満の方や糖尿病の方にも多く、食事指導のほか、炎症を抑えるべくエビデンスに基づいた内服治療を行います。
もちろん、自己免疫性肝炎(AIH)や原発性胆汁性胆管炎(PBC)の内服治療にも豊富な経験があります。重症の肝炎では肝不全になり生体肝移植の適応となる場合がありますが、この場合、慶應義塾大学病院消化器内科への転院治療ができます。

肝硬変症

一部の慢性肝疾患は、治療に反応しない場合があり、肝硬変症に進展します。肝硬変になってしまったかどうかを診断には、肝生検がいちばん確実ですが、採血データや剪断波を利用した腹部エコーなどでも、簡易的な診断ができます。肝硬変症は重症化すると、食道や胃に静脈瘤とよばれるこぶができます。このこぶは、大きくなると突然破裂し大出血することがあり、破裂を防ぐ予防的治療が重要です。肝臓病センターでは、内視鏡専門医や放射線科専門医とのチーム医療により、予防処置を行います。内視鏡的な処置としては内視鏡的硬化療法 (EIS)·内視鏡的静脈瘤結紮術 (EVL)が 放射線科的にはB-RTO(バルーン閉塞性逆向性経静脈的閉鎖術)を行うことができます。
難治性の腹水に関しては、新しい利尿薬であるサムスガRを併用した内服治療のほか、腹水濾過濃縮再静注法(CART)を行います。また、外科とのチーム医療によりデンバーシャントと呼ばれる腹腔静脈シャントを作成する場合があります。

生体肝移植について

肝硬変症が進んで対症療法が難しくなることが予想される場合、65歳までの患者さまには生体肝移植を行うことがあります。肝臓病センターは日本赤十字社医療センター、慶應義塾大学病院と提携しており、肝移植が必要な場合は紹介いたします。

医師紹介

日本肝臓学会専門医、日本内科医学会専門医が診療を担当します。

氏名 役職・専門・出身 資格等
土本 寛二(つちもと かんじ )
<役職>
病院長

<専門>
内科一般、肝臓疾患
<出身>
慶應義塾大学医学部(1974年卒業)
日本内科学会認定内科医・指導医
日本消化器病学会消化器病専門医
日本肝臓学会肝臓専門医・指導医
日本医師会認定産業医
難病指定医
身体障害者福祉法指定医

慶應義塾大学客員教授
北里大学名誉教授
医学博士

常松 令(つねまつ さとし)
<役職>
副院長、消化器内科部長、肝臓病センター長、研究部部長、研究部臨床試験センター長

<専門>
内科一般、肝臓疾患
<出身>
新潟大学医学部(1987年卒業)
日本内科学会認定内科医・指導医
日本肝臓学会肝臓専門医・指導医
国土交通省航空身体検査指定医
日本消化器病学会消化器病専門医・指導医
日本人間ドック学会人間ドック認定医
人間ドック健診専門医
日本医師会認定産業医
難病指定医
身体障害者福祉法指定医

医学博士
牧田 遊子(まきた ゆうこ)
<役職>
消化器内科医員、肝臓病センター医員

<専門>
消化器内科、肝臓疾患
<出身>
佐賀大学医学部(2007年卒業)
日本内科学会認定内科医
熊谷 直樹(くまがい なおき)
<役職>
非常勤
難病指定医
金子 文彦(かねこ ふみひこ)
<役職>
非常勤
難病指定医