女性が閉経する前後5年である約10年間(更年期)にかかりやすい、女性ホルモン分泌低下に関連した健康上の問題を専門に扱っています。
患者さまの症状に対する原因の診断や治療を行うだけでなく、骨粗鬆症や生活習慣病などの将来かかりやすくなる疾病の予防に関して、健康保険診療で行える範囲での診療も行っています。
また、婦人科がん治療の専門医として子宮がんや卵巣がん等の診断・治療だけでなく、若くして閉経してしまった患者さまの健康維持や全般的なフォローも行っています。
のぼぜ、ほてり、発汗、イライラ、うつ、不眠、頭痛、めまい、動悸、肩こり、手のこわばり、冷え、むくみ、頻尿、性交痛、腟・外陰部の乾燥・違和感、不正性器出血、腹部膨満感など
更年期障害を診断するには、他の診療科が専門とする病気によるものではないことを、これまでの経過や検査、他診療科の診察等によって確認する必要がありますが、ほとんどの場合において当院内で対応することが可能です。また、血液検査による現在のホルモン分泌状態の測定や必要に応じて、女性ホルモン補充療法(HRT)が可能です。
当院では内服薬・注射剤のほかにもテープ状のホルモン剤も用意しており、個々の患者さまの状態や希望に合わせた女性ホルモン補充療法を行っています。また、健康保険が適用となる漢方エキス製剤による治療も積極的に行っておりますので、お気軽にご相談ください。
近年、健康寿命を延ばして老後の健康不安を軽減させるために、更年期から疾病を予防する様々な取り組みがなされています。
当外来では、血栓症リスクが高くなく腎機能に問題のない患者さまを対象に、選択的エストロゲン受容体作動薬(SERM)とビタミンD製剤の服用による閉経後骨粗鬆症の予防に取り組んでおり、副効用として乳がん発症リスクも軽減できるのが特徴です。
また、当院では、DXA法と呼ばれる最も信頼性の高い骨密度検査を、腰椎と大腿骨を同じ日に測定して結果をお知らせすることが可能です。骨粗鬆症のため今から治療が必要と診断された場合には、当院内の
骨粗鬆症外来に紹介しています。
婦人科悪性腫瘍は更年期に発症することが多く、さらには閉経前から治療により子宮や卵巣の機能を失う患者さまでは、がんの治療が終了しても女性特有の様々な身体症状による悩みに直面するため、長期間のフォローが必要とされています。
加えて、婦人科悪性腫瘍の再発と診断された患者さまも在宅医との連携を前提に、院内外の他診療科から協力のもと症状緩和目的の手術・放射線・化学療法や細胞免疫療法等の集学的治療も行っています。
特に卵巣がんをはじめとする腹膜播種に対する治療として、腹水濾過濃縮再静注法(CART)を用いた悪性腹水のコントロールや、強オピオイド薬の一種であるメサドンを用いた疼痛緩和治療にも力を入れて、高齢・合併症等の個々に患者さまにおける状態やご家族も含めた希望を尊重した、優しい治療を目指しています。
日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医、日本臨床細胞学会細胞診専門医、日本がん治療認定機構がん治療認定医、日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医、メサペイン®錠処方登録医を有している専門医が診療を担当します。
氏名 | 役職・専門・出身 | 資格等 |
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![]() | <役職> 婦人科副部長 <専門> 婦人科腫瘍、更年期医学 <出身> 慶應義塾大学医学部(1994年卒業) 慶應義塾大学大学院医学研究科(2004年修了) | 婦⼈科がんの専⾨医。治療中にがんが⾒つかっても安⼼して治療を任せられます。 日本産科婦人科学会産婦人科専門医 日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医 日本臨床細胞学会細胞診専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医 日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡) 日本内視鏡外科学会産科婦人科技術認定医 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了 母体保護法指定医 医学博士 |