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概要

ぶどう膜は、虹彩(茶目)、毛様体、脈絡膜から成り、そこに炎症が生じる疾患をぶどう膜炎といいます。原因としては、免疫異常によって起こるものや、病原体の感染によるものなどがありますが、原因不明であることも少なくありません。免疫異常で起こるぶどう膜炎には、サルコイドーシス、ベーチェット病、原田病のいわゆる3大ぶどう膜炎や、リウマチ疾患、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)などがあります。感染性ぶどう膜炎を起こす病原体には、細菌・ウイルス・寄生虫などがあります。
症状が快方に向かっていたのにまた悪くなる、再発しやすい、合併症を生じることが多い疾患ですので、根気よく治療することが必要です。

おもな症状

充血、眼痛、飛蚊症、視力障害など

治療内容

検査

ぶどう膜炎は全身疾患と深い関連があるため、眼科的な検査に加え、血液検査、胸部レントゲン撮影、髄液検査、ツベルクリン反応などの全身検査が必要です。当外来では、他科との連携による全身管理、各種特殊検査を併用しながら病型病状に応じたきめ細かな診療を行っています。感染性ぶどう膜炎では、その病原体を眼内液中のDNA検査などで特定し治療開始することが良好な予後につながります。
※HLA(ヒト白血球抗原)検査、ウイルスDNA検査など一部の検査は自費(保険診療対象外)になります。

治療

治療には、局所療法と全身療法があります。

局所療法

一般的に局所療法として、散瞳薬とステロイド薬の点眼が用いられます。また、炎症が強い場合には局所へのステロイド薬の注射(結膜下、テノン嚢下、球後)が用いられます。最近では、後部ぶどう膜炎に対して持続性のステロイド薬の後部テノン嚢下注射を行い良好な成績が得られています。

全身療法

全身性疾患をともなう場合や局所療法で十分な効果が得られない場合に、ステロイド薬、免疫抑制剤などの全身療法が行われます。また、ベーチェット病ではレミケードが用いられ良好な効果が得られています。

ぶどう膜炎の合併症

ぶどう膜炎は、白内障、緑内障、嚢胞様黄斑浮腫、網膜剥離、硝子体混濁、硝子体出血といった様々な合併症を引き起こします。視力障害を残す場合は主にこれらの合併症によるものです。これらの合併症に対する治療が重要で、ぶどう膜炎の治療と平行して行う必要があります。白内障、緑内障、硝子体混濁などでは手術療法が必要となる場合もあります。
白内障は、通常の白内障手術と同様に超音波水晶体乳化吸引術と眼内レンズ挿入が行われ、良好な成績が得られています。しかし、手術時期の選択、手術前後のぶどう膜炎のコントロールには熟練が必要です。
緑内障は、主に点眼、内服治療を行い、コントロールが不良の場合は手術が行われます。
ぶどう膜炎では、嚢胞様黄斑浮腫といわれる黄斑部の浮腫がしばしばみられます。最近では、光干渉断層計により非侵襲的に簡単に診断が可能となりました。治療は、ステロイド薬の眼球周囲への注射が用いられる場合が多く、全身の副作用もなく良い成績が得られています。

医師紹介

安藤靖恭医師は、慶應義塾大学病院にて約20年にわたり、ぶどう膜外来を担当。2005年より当院へ異動し、ぶどう膜炎外来を開設しています。

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