北里大学の理念・目的・3つの方針

北里大学の理念・目的・3つの方針

北里大学の理念
学祖北里柴三郎の旺盛なフロンティアスピリットと、真理探求への飽くなき姿勢を精神的な基盤とする北里大学は、7大学院と7学部、一般教育部、2付置研究所、4大学病院を有し、生命科学に特化した個性的な大学として、社会的に評価されている。

大学の理念は、学術の中心を担う本学が、独自の知的価値の創出と人材育成を通じて社会的使命を達成するため、いかなる教育、研究、医療活動を展開するかの基をなすものである。

本学では、建学の精神を21世紀の現代に投影させた次の各項目をもって大学の理念となし、大学組織の到達目標及び行動規範としている。
  1. 生命科学の最先端に位置する教育学術研究機関となる。≪生命科学のフロンティア≫
  2. 社会の要請に応じた教育と基礎研究・応用研究に最善を尽くし、絶えず改善改革を進める。
  3. 新研究分野の開拓や新規技術の創出ができる独創性と開発能力の涵養を通じ、生命科学をリードする研究者、教育者を養成する一方、専門職業人として必要な高度専門知識・技術を教授し、社会に有為な人材を養成する。
  4. 生命科学の最新の知見を学生、教育者、研究者のすべてに望みどおりに提供する。
  5. 教育・研究・医療の諸活動を通じて社会貢献を目指す。
このような理念の下、本学は、目指す将来像を「健康・環境・食の連携により、生命科学と医療科学を学ぶ総合大学」とし、日々、教育・研究・医療の向上に努めている。
北里大学の目的

大学

本大学は、北里柴三郎創業の精神に則り、生命の科学に関する深遠な学術の理論と応用を教授研究し、学術文化の向上と社会の福祉・衛生に貢献することを目的とする。(北里大学学則第1条)

大学院

本大学院は、学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめて、文化の進展に寄与することを目的とする。(北里大学大学院学則第1条)

各学部・研究科等の人材の養成に関する目的その他の教育研究上の目的

大学は、学位を付与するための教育課程(学位プログラム)を行う存在として、その人材養成目的を明確にし、その内容を公表することが求められ、学則第2条において定められている。
○大学設置基準
(教育研究上の目的)
第二条 大学は、学部、学科又は課程ごとに、人材の養成に関する目的その他の教育研究上の目的を学則等に定めるものとする。

○大学院設置基準
(教育研究上の目的)
第一条の二 大学院は、研究科又は専攻ごとに、人材の養成に関する目的その他の教育研究上の目的を学則等に定めるものとする。
3つの方針
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
入学者受け入れ方針(アドミッション・ポリシー)

学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)

学位授与方針は、各学部・大学院研究科において定める教育目標および教育課程に沿って必要な学習成果を修め、その証として、学士課程にあっては所定の単位を修得し卒業した者、大学院課程にあっては所定の単位を修得し学位論文(または特定の課題についての研究の成果)の審査および最終試験に合格し、当該課程を修了した者に対して、学位を授与することを方針とする。

教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)

教育課程の編成・実施方針は、各学部・大学院研究科において定める学位授与方針に基づき、学生が卒業・修了時に修めるべき学習成果を到達目標として、学士課程にあっては人間性の形成および基礎から専門への円滑な移行と学修成果の達成を、大学院課程にあっては高度の研究能力・実務能力の育成を配慮した体系的な教育課程を編成し、教授団一体となった組織的な教育の実施を方針とする。

具体的には、
学士課程にあっては、幅広い視野と豊かな人間性を形成する科目群(1群科目)、専門の基礎的知識・技術を形成する科目群(2群科目)、高度の専門的知識・技術を形成する科目群(3群科目)、総合的な能力を形成する科目群(4群科目)により、各専門分野の特性に応じて、順次性をもたせかつ有機的に関連付けた体系的な教育課程を編成し実施する。

大学院課程にあっては、課程教育の充実を期して、大学院学生が豊かな学識を基盤とし専攻分野における高度の研究能力・実務能力を身につけられるよう、各専門分野の教育に必要な講義、演習、実験、実習、実技の各授業科目を有機的に関連付けた教育課程を編成し、授業科目の授業および研究指導を実施する。

入学者受け入れ方針(アドミッション・ポリシー)

入学者受け入れ方針は、
第一は建学の精神と大学の理念・目的を理解し、学力と学修意欲において適切な者を幅広く募集する中から、公正かつ多様な方法により本学に相応しい人物を入学者として選抜する。

第二は、大学の理念・目的および社会的使命の下、入学志願者についてはその能力、動機・意欲、価値観、世代、国や地域等の多様性を尊重し、公正な選考を通じて多様な人物を入学者として受け入れる。

第三は、前2項に沿って多様な入学試験制度を用意する。
具体的には、入学志願者の学力を基準として客観的かつ公平に考査する一般入試・センター試験利用入試、学力をはじめ個性や資質、能力、学修意欲などの適性を総合的に評価する推薦入試(指定校推薦入試、公募制推薦入試)、学修背景を踏まえた様々な観点から入学志願者の資質・能力・態度・学修意欲などを評価する特別選抜(AO入試、帰国生徒、社会人、外国人留学生)、多様な入学経路を開く編入学試験(学士入学試験、編入学試験)とする。

本学が求める学生像

学士課程
  1. 建学の精神と大学の理念・目的を理解する者。
  2. 入学後の修学に必要な基礎学力を有し、より高度の専門知識と技能を身につける意欲のある者。
  3. 学問に真摯に取り組み、自己探求や生命科学の新しい世界の発見・創造に意欲のある者。
  4. 他者への思いやりを備え、自己の知識や能力を社会のために役立たせる意欲のある者。

大学院課程
  1. 修士課程
    学士課程(相当)で身につけた基盤的能力を基に、専門分野で自ら課題を発見し解決する研究意欲のある者、または高度な専門性を要する職業等に必要な能力の修得に意欲のある者。
  2. 博士後期課程
    修士課程で身につけた専門知識と研究能力を基に、自立して創造的研究を行う学問的な資質と能力を有する者。
  3. 博士課程
    修業年限6年の学士課程(相当)で身につけた基盤的能力を基に、自立して創造的研究を行う学問的な資質と能力を有する者。
教育研究組織の編制原理
生命科学は日々発展し続け、時には従来の定説をくつがえし学問のパラダイムシフトをもたらすような新たな発見も見られ、学問的な知見の獲得、蓄積とその応用は、技術の進歩とあいまって目覚ましい成果をあげている。

「生命科学の最先端に位置する大学の創造」を目指す本学は、「実学教育の実践」と「サイエンスの追求」をモットーとして教育、研究、診療、社会連携に取り組んでいる。

教育研究組織の編制原理は、時代的・社会的要請に対応する形で、
一つは各学部・学科および研究科・専攻の学問領域に沿った「縦型の教育研究の深化」を方針とし、教育研究の最前線において自ら組織を編制・充実するボトムアップ式、

二つ目は学部横断型カリキュラムや全学共同プロジェクト研究による「横型の教育研究の推進」を方針とし、全学的な教育研究組織を提案・先導するトップダウン式を融合させそれを慣行としてきた。

しかし、生命科学の進歩発展はそれを上回るような勢いを見せており、多様な価値観の存在が尊重される大学組織の中にあって、編制原理の在り方とともに、真に先進的な教育研究組織の構築が問われている。
教員組織の編制方針

大学として求める教員像

北里大学の教員は、建学の精神および大学の理念・目的、各学部・研究科の教育目標を十分に理解し、人材育成への使命感と倫理観をもって優れた教育と卓越した研究を行い、常に学生の学修意欲を喚起し入学目的の達成を誠実に支援する、学問的能力と豊かな人間性を備えた教員であることが求められる。

そのために 「北里大学の求める教員像」 を定め、本学の教員に求められる能力・資質・態度を、

  1. 建学の精神(北里精神)の理解と生命科学の探究
  2. 教育
  3. 研究
  4. 社会連携

の4つの分野において明示する。

編制方針

教員組織の編制方針は、学生に対して責任ある教育を行うために、
第一は大学設置基準などの法令の要件を満たす専任教員を配置する。

第二は、大学および各学部・研究科の理念・目的、教育目標ならびに学位授与方針、教育課程の編成・実施方針、学生支援の方針など各種方針とそれらの目標を実現するのに十分な教員組織の整備を方針とする。
学生支援の方針
学生支援の方針は、
第一は学生が学修に専念し学業の達成ができるよう、学修・生活環境を整備充実する。

第二は、学生の心身の健康保持および生活上の問題の解決、人権侵害や危害の防止に最善を尽くす。

第三は、学生が充実した課外活動や正課外プログラムを通じて学生生活を豊かにし、人間的に成長することを支援する。

第四は、キャリア指導に注力し、社会的職業的に自立した能力の育成と適切な進路の選択を支援する。

具体的には、以下の三支援策を推進する。

1.修学支援

学修支援
  1. 大学教育への円滑な移行を目的とした初年次教育(教養演習)を通じて、大学で学ぶ意義や学修法を解説し、意識の転換と意欲の喚起に努める。
  2. 基礎教育分野における円滑な接続のために、英語、数学は習熟度別授業を実施する。
  3. 高校の数学、理科の未履修者に対して高大接続科目の履修を勧める。
  4. 一般教育部学習支援室において、学修に不安をもつ学生(主に1年次生)を対象とし補修教育も含めた組織的な学修指導、相談・助言を行う。
  5. オフィスアワー等の相談体制を充実し、一般教育・専門教育とも日常的な学修相談に応じる。
  6. 障がいをもつ学生を支援するために、ノートテイカーなど学生ボランティアグループの積極的な関わりを推進する。
  7. 学修促進の観点から図書館、自習室の学修機能を充実する。

経済的支援
  1. 経済的に困難な学生の学業継続支援を目的とした独自の給費・貸費奨学金制度を充実する。
  2. 東日本大震災の被災地域出身学生を支援するために、学費免除および独自の給費・貸費奨学金を継続的に運用する。
  3. 建学の精神を発揚し、優秀な学業成績を修める学生の育英を目的とした独自の育英奨学制度を充実し、学業への専念を経済的に支援する。
  4. 日本学生支援機構をはじめ地方自治体、公益団体等の奨学金制度を周知し、安定した学生生活の維持のためにその活用を推進する。

教育研究活動支援
  1. 在学生有志(KCN)による高校生への入学案内・相談業務を通じて、在学生有志の教育研究活動への理解を深める。
  2. 就職・進学内定者(KJA)による後輩学生への進路相談を充実し、社会人としての自覚を促進する。
  3. 大学院学生のティーチング・アシスタント(TA)採用を推進し、教授法の修得と経済的支援を両立させる。
  4. 大学院学生のリサーチ・アシスタント(RA)採用枠拡大を検討する。
  5. 大学院学生の公募型研究プロジェクトを拡充し、大学院学生の研究能力を向上させる。
  6. 大学院学生の海外での研究発表に対する経済的支援策を構築する。

2.生活支援

相談・安全確保
  1. 学生の心身の健康保持に関わる相談体制(健康管理センター(保健室、学生相談室))の維持向上に努める。
  2. 人権侵害(ハラスメント)防止活動を推進し、健全なキャンパスの維持に努める。
  3. 様々な社会悪から学生をまもる活動を推進する。
  4. クラス主任、チューター、学生生活担当部署、学生相談室の連携を強化し、退学・休学を含めた修学・生活上の問題や進路相談に適切に対処する。
  5. 学生生活満足度調査を定期的に実施し、調査結果を学修・生活環境の改善に役立てる。
課外活動支援
  1. クラブ活動の充実を指導、支援する。
  2. 学生・教員間の懇和会を充実し、特に初年次教育として取り組む一年次生の大学生活への適応を支援する。
  3. 充実した学生生活を送れるように学生自習室、食堂、カフェテリア、憩いの場、駐輪場等の学修・生活環境を整備する。

3.進路支援

キャリア形成支援
  1. 1年次授業科目「仕事と人生」を充実し、低学年から社会的職業的に自立した能力の育成に努める。
進学・就職支援
  1. 進学情報を充実し、適切な進学先の選択を支援する。
  2. 就職率100%を目標に、低学年における職業意識の動機付けに注力し、職業観と職業意識を醸成する。
  3. 各種講習を含めた就職ガイダンスや企業研究会など体験型取組を組織的に行い、学生の社会人意識を育むとともに豊かな体験活動を通じて就職活動を成功に導く。
  4. 現地における模擬面接の実施、企業研究会の現地開催等を通じて遠隔地キャンパスの学生の就職支援を強化する。
教育研究等環境の整備方針
北里大学は創設以来半世紀の間、生命科学の最先端の教育・研究・医療を実践する教育学術研究機関を目指して取り組んできた。次なる発展の出発点に立ち、教育研究環境の整備の方針は、大学の理念・目的および社会的使命の下、知識基盤社会、グローバル社会、持続性社会の進展に対応し、「ハード・ソフトが有機的に結合したキャンパスの創出」を方針とする。

具体的には、
第一は「最先端の教育・研究・医療を支える校舎・医療施設の計画的な建設」を推進する。建設は全学的なプロジェクトとして取り組み、全体最適の視点を重視する。国際性や環境負荷低減、ユニバーサルデザインも重視する。

第二は、医療技術の進展に対応し、医療系学生や医療人の卒前卒後教育の充実を目的とした「全学臨床教育棟の建設」を推進する。

第三は、知識基盤社会が進み学習者の学習成果が一層重視される中、「学修機能を重視した図書館の整備と学術情報の充実」を推進する。

第四は、「キャンパスアメニティを充実し学生の学修・生活環境の向上」を推進する。

第五は、TA・RAの拡充、知財やURAなど学術専門職員の登用により、「教育研究支援体制の整備」を推進する。

第六は、独創的な研究を創出するために、「教員や若手研究者・大学院学生に対する競争的研究資金獲得の支援」「大学独自の横断型研究テーマ『感染制御、農医連携、臨床研究』への参画」を推進する。また「教員の研究専念時間確保への配慮」とともに、発足間もない「サバティカル制度の定着」を推進する。

第七は、適正な研究遂行を重視して、「研究倫理遵守に対する意識啓発と教育」「研究費の適正な執行管理」を推進する。
社会連携・社会貢献の方針
社会との連携・協力の方針は、大学の理念第4項および第5項の下、「グローバル化の推進」「生涯学習の推進」「産官学民連携の推進」を方針とする。

具体的には、
第一は、教育・文化、スポーツ、学術研究、医療活動を通じて共生と持続性を指向する地域社会と国際社会の発展に寄与する。

第二は、各大学や大学地域コンソーシアムと連携し地域市民に対して生涯学習の機会を拡大する。各職域の専門職業人に対してはリカレント教育の充実に注力する。

第三は、産業界や地方自治体、教育機関、公益団体等と連携し、福祉の向上と豊かな市民社会の形成を目指すとともに、学生教育の場と機会を広げ、学生の社会適応力や社会的職業的自立能力の涵養に努める。

第四は、教育・研究・診療の成果を積極的に社会へ還元し普及する観点から、産官学民連携事業を組織的に展開し、成果の普及・拡大を通じて理念の実現に努める。

社会との連携・協力に関する方針の具体

社会連携と生涯学習の推進
  1. 地域に根ざした大学を目指し、地域の様々な組織との連携協力を通じて、地域の課題解決に取り組む。
  2. 各キャンパスの所在する地方自治体と連携協力して地域市民の教育・学習、文化活動、スポーツ、産業振興などに取り組む。
  3. 大学地域コンソーシアムが推進する教育・学習、人材育成、地域発展事業への参加を通じて学生の社会適応力や職業的自立能力を育む。
  4. 高大連携活動を活発に行い、高校生に対して大学で学ぶ意義や大学での学修に必要な能力や態度の理解に努める。
  5. 地域市民に対する公開講座を充実し、生涯学習の要望に応える。
  6. 各職域の専門職業人に対するリカレント教育を充実し、職域に必要な能力の向上に寄与する。
  7. 大学の施設設備を広く地域に開放し、社会活用を促進する。
  8. 大学附属病院は、高度で特色ある診療・保健活動を通じて地域医療を担う中核機関としての役割を果たす。地域医療を担う医師・看護師など医療職に対しては、リカレント教育の機会を充実し、教育機関としての役割を果たす。
  9. 東日本大震災の復興支援では、水産学や獣医学・環境科学などの学術的知見を最大限活用し、産官学民の連携を通じて被災地域の産業復興と地域社会の再建に貢献する。
グローバル化の推進と国際貢献
  1. 世界各地から優れた留学生・研究者が集まり日常的に活動するキャンパスを創出し、学生・教職員の国際感覚の向上に努める。
  2. 多様な文化や言語に親しみ、世界のどこにおいても働ける人材を育成する。
  3. 海外留学や海外インターンシップなどの体験を通じて国際性(国際感覚、グローバルな思考・態度)を涵養する。
  4. 地球規模の問題の解決に進んで取り組める能力(リーダーシップ、コミュニケーション能力)を育成する。
  5. 国際的視野を有し世界で活躍できる研究者を育成する。
  6. 大学教育の質(学びの内容と水準、学位、職業資格取得)の国際的通用性を確保する。
  7. 北里発の創造性に富む研究を推進し国際連携による学術研究の発展に寄与する。
  8. 国際共同研究を推進し地球規模の問題の解決に努める。
  9. 国際的水準の生命科学の教育・研究・医療・普及活動を通じて国際貢献の目的を果たす。
  10. 世界における本学の存在(プレゼンス)を発揚する。
企業・団体等との連携と成果の普及
  1. 寄附講座、寄附研究部門の設立を推進する。
  2. 様々な社会共同体との教育研究上の連携を深め、教育研究成果を普及・発信する。
  3. 共同研究・受託研究のより一層の受け入れに努め、教育研究の多様な取り組みを促進する。
  4. 知的資産センターを通して、特許出願、特許登録、技術移転を促進する。
  5. 利益相反に関する制度、相談体制の整備充実を図り、適正かつ透明な研究環境の整備に努める。
  6. 研究倫理に関するルールを共有し、適正な研究の遂行と研究費の執行管理に努める。
管理運営の方針
管理運営方針は、大学の理念・目的および社会的使命の下、「教学組織と法人組織が密接に連携し、生命科学の最先端に位置する大学の創造」を基本方針とする。運営を規律する指針は「選択と集中」「優先度」「全体最適」である。

具体的には、4年ごとに中期施策運営の方針を策定し、達成目標を明確にした事業計画とその実現に必要な予算を編成し、計画的かつ優先順位を勘案して実行する。中期施策運営の方針、事業計画、予算および実行後の評価結果については学内外に公開し、関係者をはじめ広く社会に対する周知を通じて公共的な教育学術研究機関としての存在意義を説明する。運営に関わる諸機関の権能と意思決定の過程は次のとおりである。

教学組織にあっては、学長を議長とする学部長会・大学院委員会が、学則および関係規程に定める教育・研究の重要事項について協議決定し、基本方針を推進する。所定の事項は理事会の審議に付す。各学部・研究科に設置される教授会・研究科委員会は、教育・研究の重要事項について審議決定し、所定の事項は学部長会・大学院委員会へ上程する。全学および各学部・研究科に設置される専門委員会は、諮問事項および重要事項の調査研究を行い、その結果を各機関の長へ具申する。

法人組織にあっては、理事長を議長とし法人の最終的な意思決定機関である理事会が、公共性、安定性、継続性、健全性を配慮した施策運営を行い、基本方針を推進する。常任理事会は、円滑な法人運営に資するため、関係規程に定める事項について審議決定し、重要事項について関係機関との調整にあたる。評議員会は、寄附行為所定の審議事項を審議し、諮問事項について協議する。監事は理事会の業務執行状況および財務状況を日常的に監査し、意見を述べ必要な建議を行う。

事務組織にあっては、大学および法人の諸活動を円滑に推進するため、法令遵守の下、最大効果をあげるべく効率的な業務運営にあたる。キャンパス間の円滑な意思疎通に配慮する。大学の発展を支える専門的な知識・技能、高い業務遂行能力を備えた大学職員を育成し、研修・評価を通じて資質・能力・意欲の向上に努める。
財政運営の方針
財務については、「教育・研究・診療の発展に資する規律ある財務運営」を方針とする。

具体的には、財務の健全性を保証する「帰属収支差額適正比率の確保」「消費収支差額の収入超過」「自己資本比率の向上」を指針として財務運営にあたる。

法人は一大事業である新大学病院棟の建設を終え、病院は高度先進医療機関として発展するスタート台に立ったが、多額の建設資金を投入し財政構造の変化に直面している。収支均衡を配慮した堅実な財務運営が一層求められる。

収入は学納金収入の大幅な増加が望めない中、目標値に基づく医療収入、寄付金収入、資産運用収入、外部研究費等の収入増に努める。支出は、教育・研究・診療水準の維持を配慮しつつ、目標値に基づく人件費、物件費等の抑制に努める。自己資本比率の向上は、恒常的な消費収支差額の確保、計画的な借入金の返済および新規借り入れの抑制に努める。健全な財政構造の維持に向けて、貸借対照表関係比率など適正な財務比率の維持に努める。
内部質保証の方針
内部質保証の目的は、教育・研究・診療・管理運営の諸活動について適切な水準を維持し、その水準を向上させるための改善の仕組みを整備、機能させ、その結果を組織的継続的に次なる改善に結びつけるとともに、社会に対して詳らかにし、もって説明責任を果たすことを目的とする。

具体的には、
方針の第一は、全学および各学部・研究科・診療部門に設置する自己点検・評価委員会の自律的な点検・評価活動を推進する。

第二は、北里大学点検・評価室の大学評価活動へ注力する。大学評価活動は、すべての教育・研究・診療組織および事務組織を対象とした客観的な内部点検・評価として取り組み、質の向上に向けた改善策の確認を行う。

第三は、外部評価委員会を設置し自己点検・評価委員会および点検・評価室の諸活動について適切性、妥当性を検証するため外部者による評価を行い、その結果を次期の改善に活かす。

第四は、外部評価結果も含めて点検・評価結果を積極的に公表する。

内部質保証の方針の具体

自己点検・評価の推進
全学および各学部・研究科・診療部門の教育・研究・診療・管理運営に関わる活動について毎年、自己点検・評価を行う。自己点検・評価結果を基礎に次年度以降の教育・研究・診療計画の立案及び将来的方向性の設定を行い、改善・向上に努める。
自己点検・評価結果は整理し、公表する。

大学評価活動への注力
内部質保証システムの充実に資するために、全学および各学部・研究科・診療部門の自己点検・評価結果について、点検・評価室が中立的な立場から分析、改善策を確認し、その結果を還元することにより円滑な自己改善と向上を促す。主な任務は次のとおり。
  1. 教育研究を中心とする情報の一元的な収集・分析
  2. 自己点検・評価結果の分析及び分析結果の学内外への説明・提供
  3. 教学経営における計画立案や意思決定の支援
  4. 認証評価(大学基準協会大学評価)への継続的な対応

外部評価委員会による検証
内部質保証システムの健全性を保証するために、本学の点検・評価活動の適切性、妥当性について外部評価委員会による検証を行い、その結果を受けて次期の改善に活かし、さらなる教育・研究・診療・管理運営の質の向上に努める。

情報公開・説明責任の達成
本学の理念・目的及び諸活動が社会から広く認知、理解されるように積極的かつ戦略的に情報を公開、発信する。
社会に開かれた大学として、法令に定める事項の情報を公開するのはもちろんのこと、教育・研究・診療の水準やその向上に関わる情報、トピックなどを学外に向けて発信し、より広範な説明責任の達成に努める。

コンプライアンス(法令・モラルの遵守)意識の徹底
学校法人北里研究所コンプライアンス推進規程に基づき、コンプライアンス推進組織の充実を図るとともに研修会を開催し、構成員の法令遵守の意識を高める。

大学に対する指摘事項及び勧告などに対する対応
文部科学省や認証評価機関等からの指摘事項や勧告については、関係する部門、委員会等を中心に改善策を検討し、適切かつ速やかに対処する。