感染制御科学府

感染制御科学府

2024年10月更新
感染制御科学府は、21世紀の長寿社会における感染症など重要疾病発症の制御に対する社会的要求に応えるため、北里生命科学研究所を「研究部」とし、その「教育部」として平成14年4月に博士前期(修士)課程が、平成16年4月に博士後期課程が設置されました。
専攻カリキュラムは「感染制御・免疫学履修コース」と「創薬科学履修コース」の2コースに分かれており、感染制御・創薬分野に特化した大学院教育が展開されています。従来の大学院研究科が学部の上に位置する縦型のものであるのに対し、学府は学部のない独立大学院として、他研究科とのネットワーク教育を行うことで感染制御分野の柔軟な連携を図る横型の大学院となっています。また、学府生は博士前期(修士)課程、博士後期課程を通じて大村智記念研究所(2020年に北里生命科学研究所から改称)等の感染制御と創薬に関するプロジェクト研究に参加し、先進的研究の最前線を経験することによって実践的研究能力を養うことを特徴としています。
  • 修士課程
  • 博士後期課程

感染制御科学専攻【修士課程】

授業科目

主科目(輪講、特別研究)
○感染制御・免疫学履修コース
ウイルス学Ⅰ 、分子細菌学Ⅰ、感染症学Ⅰ
○創薬科学履修コース
和漢薬利用科学Ⅰ 、細胞機能制御科学Ⅰ、生物有機化学Ⅰ、微生物機能科学Ⅰ、熱帯病制御科学Ⅰ、感染創薬学Ⅰ
副科目A
化学療法学、機能性分子科学、新興・再興感染症、ワクチン学、創薬有機化学、創薬微生物科学、有機化学※、生命薬学※、創薬情報科学※、薬理・薬物学※
副科目B
ウイルス学Ⅰ 、分子細菌学Ⅰ 、感染症学Ⅰ
和漢薬利用科学Ⅰ 、細胞機能制御科学Ⅰ 、生物有機化学Ⅰ、微生物機能科学Ⅰ、熱帯病制御科学Ⅰ、感染創薬学Ⅰ
関連科目
臨床統計学入門Ⅰ※、臨床統計学入門Ⅱ※、国際保健学、知的財産論、サイエンスコミュニケーションⅠ(英語)

特別演習
基本技術講座
特別講義
感染制御科学特別講義、研究倫理・生命倫理
※薬学研究科開講科目

募集専門分野

感染制御・免疫学履修コース
専攻分野
指導教員
研究内容
ウイルス学
片山 和彦(教授)
  1. ノロウイルス、サポウイルス、アストロウイルス、ロタウイルスなどの胃腸炎ウイルスの新規ワクチン、抗ウイルス薬、消毒薬の研究開発
  2. 胃腸炎ウイルスの感染機構、増殖機構、病原性発現機構に関する研究
  3. 分子生物学的手法、細胞生物学的手法(オルガノイドなど)を用いた胃腸炎ウイルス感受生細胞の構築、ヒト化マウスなど小動物モデルの構築
  4. 構造生物学的手法(クライオ電顕、X線結晶構造解析、NMRなど)を応用したウイルス粒子、ウイルス由来タンパク質、核酸などの分子構造解析
  5. ウイルス感染、ワクチン接種に対する宿主免疫応答の研究
  6. ウイルスの検出法の研究、分子疫学研究と流行予測システム開発
分子細菌学
阿部 章夫(教授)
  1. ボルデテラ属細菌が産生するエフェクターの機能解析
  2. ボルデテラ属細菌におけるIII型分泌装置の制御機構の解析
  3. ボルデテラ属細菌におけるエフェクター宿主移行の解析
  4. 百日咳菌におけるIII型分泌タンパク質の産生条件の検討
  5. III型分泌装置阻害剤のスクリーニングシステムの最適化
  6. III型分泌装置阻害剤における病原性減弱における解析
感染症学
髙橋 孝(教授)
市中及び院内の重症感染症に関する基礎及び臨床研究
  1. 呼吸器感染症におけるウイルスと病原細菌との病態関連性の解明
  2. 侵襲性レンサ球菌感染症の播種性病態生理の解明に関する研究
  3. 菌血症における原因菌同定に関する迅速遺伝子診断法の開発
  4. インフルエンザを含む気道ウイルス感染症に対する新たな治療戦略
  5. 肥満・糖尿病等の代謝異常(メタボリックシンドローム)と重症感染症発症との関連性の解析
  6. 効果的な医療関連感染管理に繋がるエビデンス作成
創薬科学履修コース
専攻分野
指導教員
研究内容
和漢薬利用科学
永井 隆之(准教授)※
感染症及び免疫・精神神経疾患に対する和漢薬の薬効機序及び薬効成分の解析と応用
  1. 漢方薬の薬理作用、薬効成分、作用機序の総合的解析
    1) アレルギーなどの慢性炎症性疾患に対する粘膜免疫機構を介した漢方薬の薬効と薬効成分の解析
    2) インフルエンザなどの感染症に対する粘膜免疫機構を介した漢方薬の予防/治療効果と作用機序及び薬効成分の解析
    3) うつ様症状などの精神神経疾患に対する漢方薬の効果と作用機序及び薬効成分の解析
  2. 和漢薬など植物素材由来の多糖及びオリゴ糖の腸管免疫系を介した薬理作用及び活性発現機序の生化学的解析と有用素材への開発研究
  3. 和漢薬由来低分子成分の粘膜免疫機構調節作用の解析と有用医薬品素材への開発研究
  4. 漢方薬評価系を用いた有用天然物医薬品素材の探索研究
細胞機能制御科学
浅見 行弘(教授)
微生物の生産する創薬資源の探索と応用
  1. 微生物の生産する抗感染症物質の探索研究(薬剤耐性菌,寄生虫,ウイルスなどを対象とする)
  2. 微生物の生産する生物活性物質の探索研究(抗がん活性物質,ミトコンドリア機能阻害物質など)
  3. 抗生物質や生物活性物質の標的分子の同定研究
  4. 非天然型微生物培養液からの生物活性物質の探索研究
  5. 創薬シード化合物を最適化するための薬理研究
生物有機化学
砂塚 敏明(教授)※
感染症及び重要疾患に対する創薬研究
  1. 天然物由来の抗感染症薬(病原微生物、結核、マラリア、寄生虫を含む)の合成研究と創薬研究
  2. マクロライドの有する新作用の解明と合成研究
  3. 天然物由来の有用生物活性物質をリードとする創薬のための合成研究
  4. 微生物由来の生物活性天然物の探索研究
  5. In situ click chemistryを用いた創薬研究
微生物機能科学
稲橋 佑起(准教授)
創薬のための微生物資源の開拓と応用
創薬の探索源となる未利用微生物の探索とその応用研究を課題として下記のテーマから選択する。
  1. 環境からの微生物の分離とその応用研究
  2. 微生物の分類研究
  3. 難培養微生物の分離法および培養法の開発
  4. 微生物の二次代謝産物生産のための培養検討と遺伝子改変
  5. 微生物のゲノム情報利用した二次代謝産物の探索
熱帯病制御科学
岩月 正人(教授)
熱帯病の治療薬開発を目指した天然化合物の探索
  1. 微生物の生産する熱帯病治療薬シード化合物の探索
    1)マラリア原虫増殖阻害物質の探索
    2)マラリア原虫解毒酵素 glyoxalase I の阻害活性物質の探索
    3)リーシュマニア原虫増殖阻害物質の探索
  2. 熱帯病治療薬シード化合物の構造決定
  3. 熱帯病治療薬シード化合物の作用メカニズムの解明
感染創薬学
花木 秀明(教授)※
薬剤耐性菌の感染制御に向けた研究
  1. MRSA、MDRP、MDRAなど多剤耐性菌の耐性機序の解明と治療法に関する研究
  2. 我が国における肺炎球菌莢膜血清型の疫学調査
  3. イムノクロマ ト法による感染症迅速診断方法の開発と製品化 (企業との共同研究 )
  4. 薬剤耐性菌に有効な新規抗感染症薬の創薬研究(学内外の研究機関と共同研究)
  5. 開発品の抗菌活性評価、医療用医薬品の市販後調査などの受託研究の実施
  6. イベルメクチンの新型コロナウイルスに対する創薬研究
※ 2025年3月退任予定

感染制御科学専攻【博士後期課程】

授業科目

主科目(輪講、特別研究)
○感染制御・免疫学履修コース
ウイルス学Ⅱ 、分子細菌学Ⅱ、感染症学Ⅱ
○創薬科学履修コース
和漢薬利用科学Ⅱ、細胞機能制御科学Ⅱ 、生物有機化学Ⅱ、微生物機能科学Ⅱ、熱帯病制御科学Ⅱ、感染創薬学Ⅱ
関連科目
サイエンスコミュニケーションⅡ(英語)
特別講義
特別講義Ⅱ 、研究倫理・生命倫理Ⅱ
特別演習
感染制御科学特別演習Ⅱ

募集専門分野

感染制御・免疫学履修コース
専攻分野
指導教員
研究内容
ウイルス学
片山 和彦(教授)
  1. ノロウイルス、サポウイルス、アストロウイルス、ロタウイルスなどの胃腸炎ウイルスの新規ワクチン、抗ウイルス薬、消毒薬の研究開発
  2. 胃腸炎ウイルスの感染機構、増殖機構、病原性発現機構に関する研究
  3. 分子生物学的手法、細胞生物学的手法(オルガノイドなど)を用いた胃腸炎ウイルス感受生細胞の構築、ヒト化マウスなど小動物モデルの構築
  4. 構造生物学的手法(クライオ電顕、X線結晶構造解析、NMRなど)を応用したウイルス粒子、ウイルス由来タンパク質、核酸などの分子構造解析
  5. ウイルス感染、ワクチン接種に対する宿主免疫応答の研究
  6. ウイルスの検出法の研究、分子疫学研究と流行予測システム開発
分子細菌学
阿部 章夫(教授)
  1. ボルデテラ属細菌が産生するエフェクターの機能解析
  2. ボルデテラ属細菌におけるIII型分泌装置の制御機構の解析
  3. ボルデテラ属細菌におけるエフェクター宿主移行の解析
  4. 百日咳菌におけるIII型分泌タンパク質の産生条件の検討
  5. III型分泌装置阻害剤のスクリーニングシステムの最適化
  6. III型分泌装置阻害剤における病原性減弱における解析
感染症学
髙橋 孝(教授)
市中及び院内の重症感染症に関する基礎及び臨床研究
  1. 呼吸器感染症におけるウイルスと病原細菌との病態関連性の解明
  2. 侵襲性レンサ球菌感染症の播種性病態生理の解明に関する研究
  3. 菌血症における原因菌同定に関する迅速遺伝子診断法の開発
  4. インフルエンザを含む気道ウイルス感染症に対する新たな治療戦略
  5. 肥満・糖尿病等の代謝異常(メタボリックシンドローム)と重症感染症発症との関連性の解析
  6. 効果的な医療関連感染管理に繋がるエビデンス作成
創薬科学履修コース
専攻分野
指導教員
研究内容
和漢薬利用科学
永井 隆之(准教授)※
感染症及び免疫・精神神経疾患に対する和漢薬の薬効機序及び薬効成分の解析と応用
  1. 漢方薬の薬理作用、薬効成分、作用機序の総合的解析
    1) アレルギーなどの慢性炎症性疾患に対する粘膜免疫機構を介した漢方薬の薬効と薬効成分の解析
    2) インフルエンザなどの感染症に対する粘膜免疫機構を介した漢方薬の予防/治療効果と作用機序及び薬効成分の解析
    3) うつ様症状などの精神神経疾患に対する漢方薬の効果と作用機序及び薬効成分の解析
  2. 和漢薬など植物素材由来の多糖及びオリゴ糖の腸管免疫系を介した薬理作用及び活性発現機序の生化学的解析と有用素材への開発研究
  3. 和漢薬由来低分子成分の粘膜免疫機構調節作用の解析と有用医薬品素材への開発研究
  4. 漢方薬評価系を用いた有用天然物医薬品素材の探索研究
細胞機能制御科学
浅見 行弘(教授)
微生物の生産する創薬資源の探索と応用
  1. 微生物の生産する抗感染症物質の探索研究(薬剤耐性菌,寄生虫,ウイルスなどを対象とする)
  2. 微生物の生産する生物活性物質の探索研究(抗がん活性物質,ミトコンドリア機能阻害物質など)
  3. 抗生物質や生物活性物質の標的分子の同定研究
  4. 非天然型微生物培養液からの生物活性物質の探索研究
  5. 創薬シード化合物を最適化するための薬理研究
生物有機化学
砂塚 敏明(教授)※
感染症及び重要疾患に対する創薬研究
  1. 天然物由来の抗感染症薬(病原微生物、結核、マラリア、寄生虫を含む)の合成研究と創薬研究
  2. マクロライドの有する新作用の解明と合成研究
  3. 天然物由来の有用生物活性物質をリードとする創薬のための合成研究
  4. 生体・細胞機能解析のための非天然型生物活性物質の開発
  5. In situ click chemistryを用いた創薬研究
微生物機能科学
稲橋 佑起(准教授)
創薬のための微生物資源の開拓と応用
創薬の探索源となる未利用微生物の探索とその応用研究を課題として下記のテーマから選択する。
  1. 環境からの微生物の分離とその応用研究
  2. 微生物の分類研究
  3. 難培養微生物の分離法および培養法の開発
  4. 微生物の二次代謝産物生産のための培養検討と遺伝子改変
  5. 微生物のゲノム情報利用した二次代謝産物の探索
熱帯病制御科学
岩月 正人(教授)
熱帯病の治療薬開発を目指した天然化合物の探索
  1. 微生物の生産する熱帯病治療薬シード化合物の探索
    1)マラリア原虫増殖阻害物質の探索
    2)マラリア原虫解毒酵素 glyoxalase I の阻害活性物質の探索
    3)リーシュマニア原虫増殖阻害物質の探索
  2. 熱帯病治療薬シード化合物の構造決定
  3. 熱帯病治療薬シード化合物の作用メカニズムの解明
感染創薬学
花木 秀明(教授)※
薬剤耐性菌の感染制御に向けた研究
  1. MRSA、MDRP、MDRAなど多剤耐性菌の耐性機序の解明と治療法に関する研究
  2. 我が国における肺炎球菌莢膜血清型の疫学調査
  3. イムノクロマ ト法による感染症迅速診断方法の開発と製品化 (企業との共同研究 )
  4. 薬剤耐性菌に有効な新規抗感染症薬の創薬研究(学内外の研究機関と共同研究)
  5. 開発品の抗菌活性評価、医療用医薬品の市販後調査などの受託研究の実施
  6. イベルメクチンの新型コロナウイルスに対する創薬研究
※ 2025年3月退任予定