国際部長メッセージ

国際部長メッセージ

国際部部長(副学長) 馬嶋正隆
国際部部長(副学長)馬嶋正隆

生命科学に特化した北里大学は、国際化を積極的に進めています

 北里大学の特色と強みは、7つの学部を擁する生命科学に特化した総合大学であることです。その特色を生かして、チーム医療教育、農医連携教育・研究、感染制御教育・研究、医工連携教育・研究、さらには東洋医学教育・研究など、ユニークな教育・研究活動を進めています。それに加えて、教育・研究の国際化にも積極的に取り組んでいます。
 社会の多様な国際化の進展に伴い、日本の高等教育を取り巻く環境も大きく変化しつつあります。学生諸君や研究者の流動性が年々拡大するに伴って、全世界から優秀な研究者や学生を招聘し、国際的に活躍する人材の育成することが肝要となります。その際には、異なる文化への寛容性を持つことも必要となりますし、喫緊の地球規模の課題の解決に取り組み、未来の創造につながる教育・研究活動を進めることも重要です。
 北里大学は、海外学術機関との連携協定に基づく知の交流(学術シンポジウム)、教育プログラムの交流、先進医療の交流、留学生の派遣・受け入れなど、国際部が先導して推進しています。多様な国際貢献や国際連携の在り方があリますが、生命科学に特化した大学および病院群の強みを生かした北里ならではの国際化を進めています。

13th Joint Symposium

Scienceのすばらしいところ、それは論文発表という行為で世界に成果を問えるところです

 目の前の成果を学術論文として発表することで世界に発信出来るところがScienceのすばらしいところです。国際化のための体質作りで、もっとも大事なことは、英語で論文を書くことに何らのハードルを感じないということだと思っています。これが国際化の最も基盤となる部分です。事実、大学院生でもいわゆるtop journalに論文が採択され、学位を取得するものも少なくありません。
 我々は、このような環境を作る努力をしています。個人の語学力アップの支援をはじめ、グローバルな舞台で活躍できるそれぞれの分野で求められる人材を育成すること、さらには具体的な留学手続きの支援など、生命科学の総合大学として国際的にも存在感を示すことが使命だと考えています。

Reserch Article

一流の海外研究者を招聘、キャンパスのなかに海外研究者がたくさんいる、そういう雰囲気作りが大切です

 海外の大学施設を訪ねた時に、若い学生、院生諸君がずっと行動を共にして大学のアクティビティーを紹介してくれることは少なくありません。多くの部門の研究者、教員が海外からの研究者を招聘した際には、同様なことを積極的にしてもらいたいと考えています。学会でもmeet the professorといって若手研究者を集めて少人数で顔のみえる親密な議論を行うsessionもあります。海外からの招聘研究者、留学生がキャンパスのいたる所にいて皆交流することが出来る、そういう雰囲気作り環境作りが重要と思っています。
 多くの学部、研究科の実質的なサポートが必要ですが、国際交流の果実として、国際シンポジウム等の学内開催を大いに進めていきたいと思っています。その際には、学生、院生諸君の積極的な参加を期待します。
国際交流1国際交流2

多彩な支援を用意しています

 少子高齢化社会を迎え、多様な分野で人材が不足し、海外の人たちとともに事業を進める機会が増えてきています。積極的に国際交流を推進できる人材が求められます。北里大学では、医療系の学部・研究科も含めて、海外連携協定校を対象に、交換留学や研修を行っています。外国を経験することは、国際感覚を養うために非常に大事なことです。将来的には、外国の大学と単位互換制度やダブル・ディグリー制度などを確立して、教育プログラムを整える所存です。しかしながら、留学している間の単位や学籍の取り扱い、外国の方をたくさん受け入れるための施設やスタッフの充実など、懸案の課題は少なくありません。比較的留学生を受け入れやすい大学院を中心に、連携協定をもとに実質的な人の交流を進め、まずは着実に成果を上げていきたいと考えています。
 本年度から、大学推薦の国費外国人留学生や外国政府派遣留学生を対象に、学費を全額免除する制度が出来上がりました。多くの海外からの留学生を受け入れるきっかけになることを期待しています。留学生確保のための大使館への働きかけも、積極的に行っていきたいと思います。国際部として、留学生や外国人研究者の生活面も含めたケアなどにも対応していく必要性も感じています。

研究者との交流は一生の宝

 国際交流のもっとも根幹に関わる部分は、研究者個人と個人のつながりといえます。国際交流のゴールとして、ぜひ、the best friendと呼べる海外研究者の知己を作ってほしいと思っています。先日、国際学会でボストンに行き、私の師匠の時代から交流があるハーバード大のFrank Austenと言うアレルギーを研究する教授に会ってきました。ハーバードで彼はprofessor’s professorと呼ばれ、尊敬を集めている人物で、ロイコトリエンという生理活性脂質の研究では、50年以上にわたって世界のトップランナーであり続けています。私も生理活性脂質の研究を専門としていますので、同じ研究領域で知り合うことが出来、30年以上交流しています。人生、研究者の先達として、実に多くのことを教えてもらいました。これこそ一生の宝と言えるものでしょう。
 Scienceの社会は、広いようでも思いのほか狭い世界であることがまま経験されます。論文を投稿すると、いわゆる“peer review”のプロセスを経ることになります。Peerというのは、同業者という意味がありますが、これにくわえてじっくり穴があくほど凝視するという意味があります。偽札でないかと透かしを見る行為をpeerと言います。論文の内容をじっくり吟味、評価するということです。極東のいわば地の果てから投稿された論文が、本当に信頼に足るものかどうかは、peer reviewのプロセスで評価されます。交流ある研究者仲間がreviewerになっていることも少なくありません。ここでも研究者仲間の信頼関係が、論文の評価に大きく影響を与えます。
 ぜひ、北里の国際化の活動を足がかりにして、一生の宝と呼べるような海外研究者の知己を作ってほしいと思っています。

研究者との交流は一生の宝