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難治性の悪性脳腫瘍を改善する治療法の新規開発!
 ~化学療法の抵抗性獲得システムの解明~

 北里大学医学部病理学の加藤 琢哉(かとう たくや)助教、名古屋大学大学院医学系研究科(研究科長・門松 健治)脳神経外科学(若林 俊彦 教授)の夏目 敦至(なつめ あつし)准教授、Melissa Ranjit(メリッサ ランジト)研究員(筆頭著者)、平野 雅規(ひらの まさき)研究員(筆頭著者)、腫瘍病理学の榎本 篤(えのもと あつし)准教授、高橋 雅英(たかはし まさひで)教授らの研究グループは、RET finger proteinの働きを抑えることによって、悪性脳腫瘍である膠芽腫(こうがしゅ)に対する化学療法の効き目が改善することを示し、さらに次世代シーケンサーを用いた解析により、それに関連するメカニズムを明らかにしました。
 脳腫瘍はWHOの定める定義に基づき、難治性に応じてGradeⅠ~Ⅳに分類されますが、膠芽腫は最も治療の見通しが悪いGradeⅣの代表的な疾患です。膠芽腫を難治性たらしめている要因の一つとして、現在、唯一明確な効果が示されている化学療法薬(テモゾロミド:TMZ)に対する耐性メカニズムの存在が挙げられ、その解明および克服は喫緊の課題となっています。
 今回の研究ではRET finger protein(RFP)というタンパク質に着目し、テモゾロミド抵抗性の高い脳腫瘍においてRFPが多く発現していること、また、RFP阻害とテモゾロミド投与を組み合わせることでテモゾロミドが効かなくなった脳腫瘍においても高い治療効果が得られることが明らかとなりました。さらに次世代シーケンサーを用いた解析から、RFPを阻害することによって、近年スーパーエンハンサーの指標としても着目されているヒストン修飾 (H3K27ac) の広範な変化が引き起こされ、これが酸化ストレス・アポトーシス関連遺伝子の活性化、また一方で細胞周期進行・塩基除去修復を司る遺伝子の不活性化につながり、治療効果に寄与していることが示されました。
 本研究成果は、国際生物学総合誌「Cell Reports」(英国時間2019年2月26日付(日本時間2019年2月27日の午前1時)の電子版)に公開されました。
 本研究は、日本学術振興会新学術領域研究(課題番号:17928985)の助成を受けました。

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