新着情報
  • トップ
  • 新着一覧
  • “種とは何か”の分子基盤の解明へ 〜 利己的DNAによる「異種ゲノム間闘争」〜

“種とは何か”の分子基盤の解明へ
〜 利己的DNAによる「異種ゲノム間闘争」〜

 北里大学大学院理学研究科の須田皓介 大学院生(博士後期課程/研究当時)、伊藤道彦 准教授らの研究グループは、異種交配によって生じたツメガエルのゲノム解析を行い、“片親種サブゲノムのDNA欠失”と“DNAトランスポゾン活性化”に正の相関を発見しました。異種ゲノム同居細胞内における「異種ゲノム間闘争」が、生殖的隔離により多様化した利己的DNA(トランスポゾン)を介して起きたことが推測され、有性生殖における「種の違い」とは、利己的DNAとその防御システムの差異であるという仮説が考えられます。この研究成果は、2024年9月21日付でGenome Biology and Evolutionに掲載されました。

ポイント

・ツメガエル近縁2種(L種、S種)の約1800万年前の異種交配において、DNA欠失が2種サブゲノム共に交配後まもなく大規模に起きた。その際、L種に比べS種のサブゲノムでより多い遺伝子欠失が起きた。
・染色体逆位が、交配後まもなく、L種に比べS種のサブゲノムでより多く起きた。
・Sサブゲノムに偏ったDNA欠失とDNAトランスポゾンの活性化の正の相関が、交配後の短期間において認められた。

論文情報

【掲載誌】Genome Biology and Evolution
【論文名】Correlation between subgenome-biased DNA loss and DNA transposon activation following hybridization in the allotetraploid Xenopus frogs
(異質四倍体ツメガエルの異種交配後のサブゲノム偏向DNA欠失とDNAトランスポゾン活性化との相関)
【著 者】Kosuke Suda, Takahiro Suzuki, Shun Hayashi, Honoka Okuyama, Daisuke Tsukamoto, Takuya Matsuo, Kei Tamura, Michihiko Ito
【DOI】10.1093/gbe/evae179

問い合わせ先

研究に関すること

北里大学理学部生物科学科
准教授 伊藤道彦
e-mail:ito“AT”sci.kitasato-u.ac.jp

報道に関すること

学校法人北里研究所 総務部広報課
〒108-8641 東京都港区白金5-9-1
TEL:03-5791-6422
e-mail:kohoh“AT”kitasato-u.ac.jp
※e-mailは上記アドレス“AT”の部分を@に変えてください。