北里の教育
北里大学病院は、一人ひとりの看護職の成長をサポートすることが組織全体の活性化につながると考え、1996年からクリニカルラダーを導入しています。人材育成は、エンカレッジ(励ます・勇気付ける・承認する)することが基本であると考えています。クリニカルラダーによる教育支援は、このエンカレッジを基盤として構築しました。エンカレッジすることは、スタッフ一人ひとりの個性を認めることであり、多様性を認めることにより、相互信頼できる組織文化が培われています。
2015年度には、コンピテンシーを導入し、クリニカルラダーをバージョンアップしました。ジェネラリストはクリニカルラダー、スペシャリスト・教育者・管理者はキャリアパスとして作成し、それぞれの成果責任を明確にしました。コンピテンシーは、成果を生み出すための個人の行動特性です。それを強みととらえ、看護職それぞれが自身の強みとなるコンピテンシーを活用しながら、患者様への成果を上げ、それにより自身も成長していくことをコンセプトとしています。
教育体制 Education System
一人ひとりの看護職員が自身でキャリアを開発していくためのリソースが充実しています。
看護職員は、北里大学病院看護研修・教育センター、ならびに北里大学看護キャリア開発・研究センター、北里大学看護学部で教育を受ける機会があります。
また、多くのスペシャリストから直接学びを得る機会があります。
2020年4月には、特定行為研修を開講しました。
看護研修・教育センター Center for Nurse Training & Education
病院組織として研修統括部が設置されており、その中に看護研修・教育センターが設置されています。
看護研修・教育センターでは、次のような役割を担っています。
- 集合研修(Off-JT)の企画・実施・教育効果測定を用いた評価を実施
- 教育委員会や研修などを通して各部署の新人看護職員、プリセプター、教育担当者を支援
- 教育に関する調査・研究・開発
学習支援ツール Tool
eポートフォリオ
自分のキャリアに関わるデータ(看護技術チェックリスト、クリニカルラダー、コンピテンシー、ジャーナル等)をインターネット上の情報システムに集約させることで、いつでもどこでも活用できるシステムを導入しています。
また、本システム内で様々な学習コンテンツが公開されており、いつでも・どこでも学習可能な環境を整えています。
本システムは、第12回日本e-Learning大賞「厚生労働大臣賞」を受賞しました。
オンライン学習ツール
病院職員が、根拠に基づく最新の情報を常に得ることができるように、下記のようなオンライン学習ツールを施設契約しています。北里の職員であれば誰でも自由に活用することができます。
- ナーシング・スキル日本版
- 看護技術を映像で確認できるオンラインツール。当院の看護手順として採用している。
- 今日の臨床サポート
- 疾患・症状に対する検査・処方・治療例等を掲載したデータベース。当院の看護計画と紐づけている。
- プロシージャーズ・コンサルト
- 動画解説付きの臨床手技データベース。主に医師向けのツールであるが、診療の介助に有用な情報が得られる。
スキルスラボ
臨床教育研究棟にあるスキルスラボには、病院を想定したシミュレーションルームがあります。様々なシナリオを用いたシミュレーション研修を行っています。
キャリアカウンセリング
キャリアに関する悩みに対して、専門のキャリアカウンセラーによる個別相談、解決への支援を行っています。