メンバーひとりひとりが栄養管理の知識と技術を向上させるべく日々努力しています
NST委員会 委員長片岡 祐一
北里大学病院NST(Nutrition Support Team:栄養サポートチーム)は、2006年に全科型NSTとして設立され活動が始まりましたが、その前身として1999年から既に救命救急・災害医療センターのNST活動が行われていました。1990年代後半の時期は、全国的にまだNSTのある病院はほんのわずかであったと思います。しかし2006年診療報酬改定に伴い、多職種による栄養管理を必要とする栄養管理実施加算が新設され、全国的にNSTをつくる病院が急速に増えはじめました。2010年にはNST稼働施設は1,500を超える数にのぼり、今やNSTがあるのは当たり前という時代になっています。
また2010年には栄養サポートチーム加算が新設され、NST専門療法士の参加が加算のために必要な条件となりました。当院救命救急・災害医療センターは、2004年にNST専門療法士認定教育施設に認定され、今までに128名(2021年3月現在)が当院での臨床実地修練を修了しています。
当院でNST活動をはじめた最大の目的は、患者さんの傷病を回復させることにあります。傷病の回復のためには、適切な栄養管理はなくてはならないものだからです。しかし、それを本当に理解している医療従事者はまだ決して多くはありません。
適切な栄養管理のためには、しっかりした栄養の知識、病態の把握、そしてきめの細かい管理が何よりも重要になります。栄養管理は、呼吸、循環、感染などの管理と異なり、短期間でその効果が目に見えて表れるものではなく、大変地味で根気のいる仕事です。
栄養により人間のからだはつくられています。そして栄養管理は医療の基本であると思います。北里大学病院のNST活動がより多くの患者さんの傷病回復につながることを信じ、NSTのメンバーひとりひとりが栄養管理の知識と技術を向上させるべく日々努力し、よりレベルの高いNST活動を展開していければと思います。
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