救命救急・災害医療センター

地域の救急医療の最後の砦としての役割を担っています

センター長 片岡 祐一

救命救急・災害医療センターウェブサイト

当センターの特色

北里大学病院救命救急センターは、1986年に開設され、主に三次救急医療機関として、地域の救急医療の最後の砦としての役割を担ってきました。受け入れ地域は人口72万人の政令指定都市である相模原市が中心となりますが、県北・県央の座間市、大和市、綾瀬市、東京都の町田市からも多くの患者が搬送されてきます。救急科専門医の資格を持つ救急医を中心に救急医療を展開していますが、365日24時間いつでも緊急で外科手術、心臓カテーテル治療、脳血管内治療、内視鏡治療、集中治療管理などを行うことができます。大学病院であるため、全診療科の専門医のもとで最新の高度な救急医療を提供できる体制にあります。また、平日の日中にはドクターカーの運用を行っています。ドクターカーによる病院前診療は救命率の向上に寄与し、地域の救急医療への貢献にもつながっています。
厚生労働省による救命救急センターの充実段階評価では、2020年度以降Sランクの評価を受けています。また、2023年に神奈川県の救急医療功労者賞を受賞しました。

治療を行っている主な傷病

当センターで救命救急治療を行っている主な傷病は、心肺停止、重症外傷、多発外傷、指肢切断、重症熱傷、急性薬物中毒、敗血症(重症感染症)、急性心不全、急性呼吸不全、多臓器不全、急性心筋梗塞、急性肺血栓塞栓症、急性大動脈解離、大動脈瘤破裂、脳出血、くも膜下出血、重症肺炎、汎発性腹膜炎、急性腸間膜虚血、重症消化管出血、重症急性膵炎、けいれん重積発作、熱中症、低体温症など、多岐にわたります。

当センターでの救命救急治療

当センターは、全ての重症救急疾患に対する治療を行っていますが、特に、外傷治療、急性中毒治療、心肺蘇生、集中治療管理を得意としています。重症外傷に対して緊急の外科手術とカテーテル治療を同時に行うハイブリッド治療、多発外傷に対して複数の外科系診療科によるコラボレーション治療、ECMO(体外式膜型人工肺)を用いた心肺蘇生、中毒に対する毒物分析や血液浄化療法、重症敗血症、重症肺炎、多臓器不全などに対する集中治療管理などは優れた治療成績を残しています。
重症内因性救急疾患に対する外科治療(開頭手術、開胸手術、開腹手術)、心臓カテーテル治療、内視鏡治療、集中治療管理、重症外傷に対する外科治療(開頭手術、開胸手術、開腹手術、整形外科手術、形成外科手術)などは、24時間いつでも可能な体制にあります。また近年では、救命救急治療において、低侵襲治療の占める割合が増えてきています。当センターにおいても、重症外傷に対する経カテーテル動脈塞栓術、急性大動脈疾患に対するステントを用いた血管内治療、クモ膜下出血に対する脳血管内治療、脳出血に対する内視鏡治療などが多く行われています。

救急医療以外の役割

北里大学病院は災害拠点病院であり、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)に基づいた病院の災害対策および災害訓練、DMATの派遣および統括、多数傷病者発生事案への対応など、災害医療体制を当センターの救急医が中心となって発展させてきました。また、当院は国・県の補助金事業により原子力災害医療拠点病院の指定を受けており、有事には地域での診療の完結、原子力災害派遣チームの保有などが規定されています。

当センターにおけるチーム医療

当センターでは、医師だけではなく、看護師、救急救命士、薬剤師、臨床工学技師、放射線技師、リハビリテーション療法士、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーなど、多職種のスタッフが協働し、チームで救急医療を行っています。このチーム医療の推進により、医療の質および医療安全体制の向上が期待できます。また、救急外来や集中治療室において、患者・家族に対するグリーフケア(悲嘆のケア)や家族支援を多職種から成る医療チームで実施しており、患者満足度の向上に寄与しています。

地域の医療機関の先生方へ

ご依頼は直通ホットライン回線(番号は非公開)の電話でお願いいたします。救急医が直接電話に出ますので、医師からのお電話をお願いいたします。重症救急患者について24時間受け付けています。

救命救急・災害医療センター

北里大学病院
〒252-0375 神奈川県相模原市南区北里1-15-1
電話番号:042-778-8111 FAX番号:042-778-9371