北里大学メディカルセンター 整形外科のご案内

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整形外科 ひざ関節センター  

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ひざ関節センター開設について(担当:占部 憲)

 北里研究所メディカルセンター病院では平成24年6月から「ひざ関節センター」を開設しました。

  ひざ関節におこる病気にはお子さんの成長にともなうひざの痛み、若い方のスポーツなどによるひざの靭帯損傷や半月板損傷といったひざの外傷、加齢による高齢者のひざの痛みである変形性ひざ関節症など、それぞれのご年齢でさまざまなひざの問題があります。この「ひざ関節センター」では、ひざ関節を専門とする医師と看護師、理学療法士、作業療法士、放射線技師が協力してこれらの病気を正しく診断し、その患者さんに最も適切な治療を行っています。ひざの痛みでお困りの方はどうぞご相談ください。

   またひざ関節センターでは、40歳以降に加齢にともなっておきてくる変形性ひざ関節症について、どのような病気であるのか、どのような手術以外の治療方法(保存療法)、あるいは手術による治療法があるのかについて皆さんに正しく理解していただくために「ひざ教室」を開催しています。「ひざ教室」では皆さんの現在の体の状態を評価し、皆さんにあった手術以外の治療方法(保存療法)の具体的な方法、日常生活の工夫など、普段の生活の中でできる治療方法についてもご説明しています。年に4回各地域で行います。広報誌などでお知らせいたしますのでぜひご参加ください。


ひざ関節とは

  ひざ関節は大腿骨、脛骨、腓骨、膝蓋骨からできている関節です(図1)。大腿骨、脛骨、膝蓋骨の表面には、関節軟骨があり、つるつるしています(図2)。大腿骨の関節面の形は内側も外側もまるく、このまるい関節面が脛骨の平らな関節面の上で転がるように動くことで、ひざ関節がまがったりのびたりしています。また膝蓋骨の関節面は大腿骨の関節面の上で動きながら膝蓋骨についている筋肉の力を、膝蓋腱を介して脛骨に伝えます。

  大腿骨がきちんと脛骨の上で転がることができるように、ひざ関節には外側側副靭帯、内側側副靭帯、前十字靭帯、後十字靭帯、膝蓋腱といった靭帯や腱がついています(図2)。また大腿骨のまるい関節面が脛骨の平らな関節面とより広く接触できるように、外側と内側に半月板という軟骨があります。そしてそのひざ関節全体を関節包という厚い線維性組織がおおっています。

  ひざ関節をまげたりのばしたりするために、ひざ関節には大腿四頭筋、大腿二頭筋、ハムストリングなどの筋肉がついています(図2)。

   ヒトが立って歩くために必要な足には、股関節、ひざ関節、足関節などの関節がありますが、ひざ関節はこの中で最も大きな関節です。またそのため最も疾患がおこりやすい関節でもあります。


(図1)
ひざ関節
(図2)
ひざ関節のしくみ


ひざ関節におこりやすい疾患

1. 中高年層におこりやすい疾患
   変形性ひざ関節症がもっとも多い疾患です。現在全国で2,350万人の患者さんがいるといわれています。変形性ひざ関節症とは加齢に伴って関節軟骨が徐々にけずれていく疾患です。また変形性ひざ関節症があまりひどくない患者さんで、ある時から急激に強いひざの痛みがでる疾患として特発性ひざ骨壊死や偽痛風発作があります。
   また関節リウマチの患者さんでは、ひざ関節の破壊が進んでいく場合があります。


2. 若年層から中年層におこりやすい疾患
  スポーツをされる方々が増えてきたことから、スポーツに伴う外傷が増えています。半月板損傷、内側側副靭帯や前十字靭帯などの靭帯損傷、骨軟骨損傷などです。


ひざ関節センターでおこなう治療について

  治療を行うにあたって、まず正しく診断をする必要があります。正しい診断をするためには、十分な知識と経験を持って診察し、レントゲンやMRI、CTといった画像を適切に読影して判断する能力が必要となります。このひざ関節センターではまずこの診断を正しく行っていきます。

   治療は保存的治療(手術をしない治療)と手術的治療に大きく分けられます。このひざ関節センターでは保存的治療について十分ご説明しますが、保存的治療を実際に続けていかれるのは患者さんのお近くの医療機関で行われることをお勧めします。保存的治療には週に何度か通われたほうがよいような治療法もありますので、通いやすいところでの治療が有効です。

   このひざ関節センターでは主に手術的治療とその後の急性期リハビリテーションおよび回復期リハビリテーションを行います。常に最新の知識と技術を取り入れて、患者さんによりよい手術的治療とリハビリテーションを提供することを目的にしています。手術はひざ関節外科を専門とする医師のチームが、それぞれの患者さんに適切な手術を最先端の技術で行っています。また術後のリハビリテーションは患者さんの生活環境を考えて、また患者さんの回復状況を見ながら十分なリハビリテーションを行っています。


ひざ関節センターの手術的治療の特徴

1.変形性ひざ関節症の手術的治療
  変形性ひざ関節症の手術的治療には、1)関節鏡視下デブリドマン、2)骨切り術、3)人工ひざ関節全置換術、4)人工ひざ関節単顆置換術があります。このひざ関節センターではこれらの全ての手術を受けることができます。しかし、1)関節鏡視下デブリドマンの効果はあまり長期的ではありませんので、主に2)骨切り術と3)人工ひざ関節全置換術、4)人工ひざ関節単顆置換術を行います。骨切り術をお勧めするか人工ひざ関節全置換術、人工ひざ関節単顆置換術をお勧めするかは、患者さんのご年齢、変形性ひざ関節症の進行の程度、ご希望などから判断させていただいています。骨切り術ではロッキングプレートという最新の内固定材料を使用し、術後早期から体重をかけて歩く練習ができるようにしています。人工ひざ関節全置換術、人工ひざ関節単顆置換術では最小侵襲手術 ( Minimally Invasive Surgery: MIS) 手技を用いて正確に手術を行なっています。


2.半月板損傷、靭帯損傷、骨軟骨損傷の手術的治療
  これらの手術は全て関節鏡視下手術を行います。前十字靭帯損傷、後十字靭帯損傷の治療には主に自家骨付き膝蓋腱(ご自分の膝蓋腱)を用いた再建術を行っています。ご希望があれば同種骨による骨付き膝蓋腱を用いた再建術(ご自分の膝蓋腱を使用しない再建術)も行えます。


ひざ関節センターにおける先端医療について

1.最小侵襲手術(Minimally invasive surgery: MIS)手技を用いた人工ひざ関節全置換術、人工ひざ関節単顆置換術
  皮膚の切開が小さいことが最小侵襲手術ではありません。関節のまわりの軟部組織をできるだけ痛めずに手術を行うことが最小侵襲手術です。これによって手術時間が短縮し、出血量が減少し、術後の痛みが軽減することで、早期から術後のリハビリテーションが開始でき、より早期にひざ関節機能が回復できるようになりました。


2.同種骨移植術を併用した人工ひざ関節全置換術
  変形性ひざ関節症がかなり進行されている方や関節リウマチが進行している方のなかには、大腿骨や脛骨に大きな骨欠損(骨がないところ)ができている場合があります。この場合通常の人工ひざ関節全置換術では骨欠損部を埋めるため、特別な金属でできた補填材料を付けた人工関節を入れることになります。このひざ関節センターでは同種骨(他の方から頂いて保存している骨)を用いて人工ひざ関節全置換術を行うため、金属の補填材料を使用する必要はありません。また移植された骨は時間がたてばご本人の骨に置きかわるため、骨欠損はご自分の骨で修復されます。


3.同種組織を用いた靭帯再建術
  靭帯を再建するには再建材料が必要です。再建材料には自家靭帯(ご自分の靭帯)、人工靭帯(人工的に作られた靭帯)、同種靭帯(他の方から頂いて保存されている靭帯)がありますが、通常日本で前十字靭帯や後十字靭帯の再建術に使用されているのは自家靭帯です。このひざ関節センターでは、自家靭帯を用いた再建術と同種靭帯を用いた再建術のどちらも行うことができます。同種靭帯を用いる場合の利点は、ご自分の靭帯を取らなくてもよいため、手術の傷が少ない、取ることによる痛みがない、取ることによる障害がない、などがあります。問題点としては、同種靭帯による疾患伝播の可能性が100%ないとは言えないことです。


4.自家培養軟骨細胞移植術
  外傷性軟骨欠損や離断性骨軟骨炎による軟骨欠損の治療の中で、4平方センチメートル以上の広範囲軟骨欠損の治療には、自家培養軟骨細胞移植術が保険適応となりました。この治療を行うためには施設認定を受ける必要があります。当院は認定を受け、自家培養軟骨細胞移植術をうけることができます。詳しくは自家培養軟骨細胞移植術自家培養移植術ページへをご覧ください。


5.同種骨移植術と自家培養軟骨移植術
  外傷性広範囲骨軟骨欠損に対する治療方法として、当院では同種骨移植術によって広範囲骨欠損を修復し、移植した同種骨の上に培養した自家軟骨細胞移植術を行う新しい治療法を行っています。


6.ロッキングプレートを用いた骨切り術
  変形性ひざ関節症に対する骨切り術は優れた手術の1つですが、以前は内固定材料(骨切り部を固定する道具)が通常のプレートでしたので体重をかけて歩く練習ができるのは、術後4週からでした。最近新しいロッキングプレートというより強いプレートが使用できるようになったため、術後1日目からでも体重をかけて歩く練習ができるようになっています。


担当医

職位・称号 氏名 資格
副院長
教授
整形外科部長
占部 憲
(ウラベ ケン)
Ken URABE MD,PhD
日本整形外科学会専門医・指導医
日本組織移植学会認定医
身体障害者福祉法指定医 
難病指定医


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