北里大学海洋生命科学部

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地球最大の生物生息域〜海洋〜浅海から深海までそこに棲む生き物たちの生きる知恵を解き明かす

トップ 教育・研究 研究内容紹介地球最大の生物生息域〜海洋〜浅海から深海までそこに棲む生き物たちの生きる知恵を解き明かす

クラゲの秘密

 淡水から汽水、浅海から深海まであらゆるところに適応して生息するクラゲ類、その適応力の秘密はかれらの生活史にあります。クラゲには雌雄の区別がなく自らが分裂して増えてゆくという無性生殖をして付着生活をするイソギンチャクのような形をしたポリプの世代と雌雄があり卵と精子が受精して増えるという有性生殖をして浮游生活するクラゲの世代があります。野に咲く花にたとえると、クラゲは花で、ポリプはその花をつける草です。花を咲かせた後もその草は生き続け、また花を咲かせます。同じように、ポリプもクラゲという花を咲かせた後もポリプで居続けて、ポリプはさらに分裂して、増えてゆき、それぞれの個体がクラゲを生産してゆきます。また、ポリプは生命力が強く、切り刻んでも、すりつぶしても、細胞が生きていれば再生してポリプになります。生息環境が悪くなれば、休眠してよい環境になるまで我慢しています。クラゲ類が地球上に現れてから10億年、その間絶滅せずに生き続けて繁栄してきた秘密です。
  本研究室では、この秘密を明らかにするため、クラゲ類がその生息環境でどう生きているのかをしらべます。そして、さまざまな物理科学的、生物的環境下においてそれらがどう反応して、どう生きてゆこうとするのかを知ることで、環境適応能力を明らかにしてゆきます。
(クラゲの無性生殖)


(左)ミズクラゲのポリプの無性生殖:出芽と二分裂による増殖をしている。
(右)深海産ヒドロクラゲのヒゲクラゲの一種Arctapodema sp.の無性生殖:クラゲからクラゲ芽が出芽し、クラゲが生まれる。

地球を食べる生き物たち

 私たちは植物が太陽のエネルギーで光合成をして作ってくれる有機物を起源とする光合成生態系の中でいきていて、太陽がなくなると生きてはいけません。いわば太陽を食べる生物です。しかし、深海底には、太陽が必要がなくても地球内部からの化学エネルギーで生きている生物、すなわち地球を食べる生物たちが化学合成生態系を形成しています。
深海の化学合成生態系には海底火山のある熱水噴出域、地震の巣の周辺などにできる湧水域、鯨骨生物群集や沈木生物群集などの生物起源の化学合成生態系があります。砂漠のような深海底にぽつりと熱水や湧水ができると、そこにはサンゴ礁の生物量にも匹敵するほどの生物がひしめき合って生きる深海のオアシスができます。この生態系が見つかったのはほんの30年前です。奇しくも進化論の誕生の地ガラパゴス沖でみつかりました。水産学部キャンパスの目の前の海には、水深7000m以上にもなる深い日本海溝があり、そこには世界最深の湧水域があります。ごく最近になって深海生物も飼育できるようになり、深海化学合成生態系生物も飼育できるようになりました。まだまだ伸び盛りの宝の山がたくさんある研究分野です。
  本研究室では、深海研究のネットワークを活かし、深海化学合成生態系の生物をはじめ、中・深層の生物、通常深海底の生物を対象に研究を行います。まず、何がどこにいるのかを調べ、それらの生活史の解明を行います。その過程で採集及び飼育技術の開発から深海生物の実験動物化をめざし、高温、高圧、暗黒、低温など極限環境にいきる生物たちの生命の秘密を明らかにしてゆきます。
(深海研究)


協力:JAMSTEC
(左上)有人潜水艦「しんかい6500」
(中上)深海底に沈んでいるマッコウクジラの遺骸に形成される鯨骨生物群集
(右上)無人探査機「ハイパードルフィン」
(左下)「沖縄トラフ水深1500mの鳩間海丘に見られる熱水噴出域生物群集」
(右下)相模湾初島沖900mにみられる湧水域生物群集