輸血医療は、医療安全上重要な分野です。特に、医師、看護師、検査技師やMEなど他職種におよぶチーム医療の良いモデルでもあります。さらに、造血細胞移植医療は、多くの診療科、栄養部、緩和ケア、患者支援センターなどとの連携が必要なチーム医療の最たるものです。したがって、本単位は、チーム医療の推進や医療安全文化の醸成のために、大きな役割を果たすべき部門と考えます。臨床面では、日本輸血・細胞治療学会認定医、臨床輸血看護師、アフェレーシスナースを育て、安全かつ適正な輸血診療を推進し、再生医療や樹状細胞療法などの研究的先端医療では、基礎研究から前臨床段階(臨床応用)にわたって今後発展が期待される分野ですので、各科各研究室と連携しながら、リサーチマインドをもった医師を育てていきたいと考えています。
1. 我が国におけるヘモビジランス体制の確立
日本輸血・細胞治療学会において、輸血に伴う全副作用情報をもれなく収集するシステムの構築に向けて、各社の電子カルテに対応可能なものを検討、作成中です。
2. 臨床試験
血液内科領域、特に血栓止血領域(血小板減少症、血友病など)、造血細胞移植領域における治験、臨床試験に参画しています。
3. 複数ユニットを用いた新規臍帯血移植法の開発、および造血幹細胞の体外増幅法、移植後の生着制御、造血幹細胞の質の劣化の防止、造血幹細胞の機能温存法に関する研究
石田助教、大津診療講師が東大医科研(中内研究室)で行ってきた研究テーマであり、今後も関連した研究を継続して行う予定です。
4. 遺伝性血小板減少症の病態生理に関する研究
岐阜医療科学大学、成育医療センターとの共同研究で遺伝性巨大血小板減少症の病態についての研究を行っています。
5. 免疫性血小板減少症の病態解明
本学医療衛生学部 佐藤隆司講師との共同研究で、免疫性血小板減少症の病態解明に関する研究を行っています。
北里大学医学部 輸血・細胞移植学〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1
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