公衆衛生学
教授:堤 明純
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疫学調査などの集団のデータに基づき健康を守る仕組みを作る実践的な社会医学
公衆衛生学の目的は、社会全体の組織的な努力を通して集団の健康を改善することである(Winslow,1920)。社会もしくは地域を俯瞰する視点は臨床医にも必要であり、個人と集団双方の健康問題を視野において、根拠に基づいて問題の解決にあたれる医師・研究者の育成に努めている。健康に関与する要因は生存環境中の物理的、化学的、生物的、心理的な諸要因があり、これらが疾病の発生と悪化に深く関与しうることを学ぶ。現代社会における社会経済的要因と健康との関連にも注目している。公衆衛生が対象とする領域は、疾病の予防から社会復帰、医療体制の効率化、医療資源の適正分配、新たな健康問題(新型インフルエンザ)や災害医療、危機管理に対応するための法整備など多岐に及ぶ。人を対象とした疫学研究の成果(エビデンス)を基に、個人の疾病予防のみならず、それを支える社会の構築について、計画立案、実施、評価、改善を行う。