研 究

Research

生化学(萬代単位)

神経系がどのようにして形成されて機能しているかを細胞および分子のレベルで明らかにする
MANDAI
萬代 研二
Kenji
Mandai
教授
担当科目生化学序説、代謝学、分子医化学実習
専門分野分子細胞神経生物学、細胞生物学
キーワード神経回路、軸索ガイダンス分子、シナプス、細胞間接着、シナプス可塑性、海馬、内包、体性感覚神経、細胞接着分子、膜裏打ち分子

スタッフ
生化学(萬代単位)
教授:萬代 研二
講師:岡田 大助
講師:山森 早織
助教:石井 郁子
技術員:菅谷 津貴子

教育について
生化学は細胞内の化学的な構成要素とそれらによる化学反応の全てを解明することを目的とする。そのため、医学における生化学では、細胞や組織の構造、代謝、遺伝といった生理現象とその異常による病的状態を分子という言葉で記述する。第1学年前期の「生化学序説」では、このような広範な内容の生化学を学ぶに際して基本となる重要事項について講義する。第1学年後期の「代謝学」では、糖質、脂質、アミノ酸、核酸などの生体分子の代謝、エネルギーの代謝、ならびに代謝の調節の仕組みを講義する。さらに、代謝の破綻がどのような疾患の原因となり得るかについても触れる。同じく、第1学年後期の、生化学(堺単位)および分子遺伝学単位と協力して行う「分子医化学実習」では、ラット血清中のインスリン濃度と血糖値の測定や、細胞分画法と酵素活性測定の実習を担当する。これらの科目以外に、第1学年前期の「基礎教育科目」における一部の講義と第2・第3学年の「器官系別総合講義」における一部の講義を担当する。

研究について
細胞間接着は多細胞生物の生命現象の基盤となる細胞機能で、疾患の発症や病態の進展にも関係している。神経系においては、細胞間接着はシナプスや神経回路の形成と維持に必須の役割を果たしている。このようなシナプスや神経回路は遺伝情報に基づいて形成されるが、感覚器を介した神経系への様々な入力や、学習に伴う神経活動に依存して後天的に形態や性質を変えることがわかっている。このような活動依存的なシナプスや神経回路の変化は、記憶がどのようにして形成されて維持され、そして失われるかという仕組みに関係していると考えられている。

本研究室ではこれらの過程の仕組みを細胞レベル、分子レベルで明らかにすることを目指している。すなわち、発生・発達期においてシナプスや神経回路がどのようにして形成されて維持されているか、そして、これらが神経細胞の活動によってどのようにして形態や性質を変えるかという問題の解明に取り組んでいる。研究成果によっては、精神・神経疾患の発症や病態の進展の機構の解明に寄与する可能性がある。

最近の主な論文
Shiotani H, Miyata M, Mizutani K, Wang S, Mizoguchi A, Mochizuki H, Mandai K, Takai Y (2019)
Interaction of nectin-2α with the auxiliary protein of the voltage-gated A-type K(+) channel Kv4.2 dipeptidyl aminopeptidase-like protein at the boundary between the adjacent somata of clustered cholinergic neurons in the medial habenula.
Mol Cell Neurosci 94:32-40.
 
Sai K, Wang S, Kaito A, Fujiwara T, Maruo T, Itoh Y, Miyata M, Sakakibara S, Miyazaki N, Murata K, Yamaguchi Y, Haruta T, Nishioka H, Motojima Y, Komura M, Kimura K, Mandai K, Takai Y, Mizoguchi A (2017)
Multiple roles of afadin in the ultrastructural morphogenesis of mouse hippocampal mossy fiber synapses.
J Comp Neurol 525:2719-2734.
 
Miyata M, Maruo T, Kaito A, Wang S, Yamamoto H, Fujiwara T, Mizoguchi A, Mandai K, Takai Y (2017)
Roles of afadin in the formation of the cellular architecture of the mouse hippocampus and dentate gyrus.
Mol Cell Neurosci 79:34-44.
 
Yamamoto H, Mandai K, Konno D, Maruo T, Matsuzaki F, Takai Y (2015)
Impairment of radial glial scaffold-dependent neuronal migration and formation of double cortex by genetic ablation of afadin.
Brain Res 1620:139-152.
 
Toyoshima D, Mandai K, Maruo T, Supriyanto I, Togashi H, Inoue T, Mori M, Takai Y (2014)
Afadin regulates puncta adherentia junction formation and presynaptic differentiation in hippocampal neurons.
PLoS One 9:e89763.
 
Mandai K, Reimert DV, Ginty DD (2014)
Linx mediates interaxonal interactions and formation of the internal capsule.
Neuron 83:93-103.
 
Yamamori S, Sugaya D, Iida Y, Kokubo H, Itakura M, Suzuki E, Kataoka M, Miyaoka H, Takahashi M (2014)
Stress-induced phosphorylation of SNAP-25.
Neurosci Lett 561:182-187.
 
Yamamoto H, Maruo T, Majima T, Ishizaki H, Tanaka-Okamoto M, Miyoshi J, Mandai K, Takai Y (2013)
Genetic deletion of afadin causes hydrocephalus by destruction of adherens junctions in radial glial and ependymal cells in the midbrain.
PLoS One 8:e80356.
 
Mandai K, Guo T, Hillaire CS, Meabon JS, Kanning KC, Bothwell M, Ginty DD (2009)
LIG family receptor tyrosine kinase-associated proteins modulate growth factor signals during neural development.
Neuron 63:614-627.
 
Okada D, Ozawa F, Inokuchi K (2009)
Input-specific spine entry of soma-derived Vesl-1S protein conforms to synaptic tagging.
Science 324:904-909.

神経生物学研究に興味のある方へ
チャレンジ精神旺盛な学部生・大学院生・若い医師の当研究室への参加を心からお待ちしています。独創性の高い研究の醍醐味と楽しさを共に分かち合いつつ、未来の医学研究を担う研究者の育成に貢献します。

お問い合わせ
北里大学医学部 生化学(萬代単位)
〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1
E-mail:mandai@med.kitasato-u.ac.jp