医薬開発学

医薬開発学

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2024年度研究発表会懇親会(2024.7)

 近年、医療技術の高度化や医薬品開発の国際化が急速に進む一方で、開発コストの上昇、研究開発の生産性の低下などに伴い、医薬品開発のプロセス・戦略は大きく変化しています。このような状況の中、独創的な企画力を持ち、新薬開発の国際的な最前線で活躍できる人材の養成が急務とされているところです。

 医薬開発学研究室では、薬学・医学・統計学などの幅広い自然科学をベースに、社会科学的な側面も加味した知識と経験を応用し、臨床試験のデザインと評価、医薬品市販後の安全対策を含む医薬品の開発戦略をメインテーマとした研究を行っています。

 これらを通して、医薬品開発に必要な包括的な知識を習得しつつ、現行の医薬品開発の問題点を的確に分析・評価し、それらを解決するための科学的かつ柔軟な戦略を企画立案できる人材を養成することを目的としています。

■ 医薬開発学研究室
 〒108-8641 東京都港区白金5-9-1
 北里大学薬学部(プラチナタワー7F) 
 ☎03-5791-6446 
 ✉pharmmed@pharm.kitasato-u.ac.jp

■学部講義

薬学概論(学部1年:分担講義)
薬学と医薬品行政:医薬品は生命関連商品であり、薬事法をはじめとして、様々な規制や行政措置の対象となっている。
行政と薬学サイエンスとの関わりの重要性について解説する。
生命創薬科学(学部2年:分担講義)
医薬品開発:医薬品の研究開発を巡る最近の話題と、医薬開発学研究室における研究内容を紹介する。
創薬情報科学(学部3年:分担講義)
医薬品の研究開発とデータの流れ:医薬品の研究開発の過程と、当該過程における各種試験で得られるデータの流れを解説する。
臨床試験総論(学部4年:分担講義)
機関審査委員会(IRB)、効果安全性評価委員会: 臨床試験におけるデータ管理:
臨床試験の倫理性を確保するための規制及び組織、臨床試験におけるデータ管理の手順などについて解説する。
薬事行政(学部4・5・6年)
医薬品の開発、承認審査、市販後の安全対策、薬価制度など、薬事行政全般に関する基本的知識を習得する。
薬事関係法規、医薬品の開発、市販後の安全対策、安全性情報の提供・伝達、医療保険制度と薬価制度など

■大学院講義・演習

医薬開発学特論Ⅰ(1年・前期)
医薬品開発に必要な包括的な知識を習得する。
薬事法、薬害問題、特許、創薬プロセス、非臨床試験、臨床試験、市販後安全対策など
[担当講師] 成川 衛、佐藤 彰秀(中外製薬)、高垣和史(日本新薬)、加藤 浩(日本大学)、小野 俊介(東京大学)、山下 賢司(MSD)
医薬開発学特論Ⅱ(1年・前期)
臨床試験で用いられる試験デザイン、無作為化手法、基本的な統計解析手法などの基礎的な知識を習得する。
[担当講師] 成川 衛、松井 和浩、松本 正人(MeijiSeikaファルマ)
医薬開発学特論Ⅲ(1年・後期)
医薬品開発に関連する最新の知識を幅広く習得する。
医療保険制度、医療経済評価、ライセンス、ゲノム薬理学、欧米での新薬開発、研究開発と組織能力、臨床試験のマネジメントとオペレーションなど
[担当講師] 成川 衛、荒戸 照世(北海道大学)、熊谷 雄治(北里大病院)、中島 香恵(ファイザー)、西村 公男(アキュリスファーマ)、斎藤 嘉朗(国立医薬品食品衛生研究所)、
塚本 幸治(アステラス)、藤原 康弘(医薬品医療機器総合機構)、永井 尚美(武蔵野大学)、井上 悠輔(東京大学)、辻井 惇也(医薬産業政策研究所)、津野 昌紀(エーザイ)
医薬開発学演習Ⅰ(1年・後期)
最近承認された新薬を題材とした臨床データパッケージ、審査内容等に関する事例研究を通して、現行の医薬品開発の問題点を分析・評価し、開発戦略立案のための
基礎力を養う。
[担当講師] 成川 衛
医薬開発学演習Ⅱ(2年・前期)
選定したテーマに関する論文・ガイドライン等を読み、事例研究を行うことを通して、国内外における医薬品開発や規制の最新情報に接し理解するとともに、開発戦略立案
のための応用力を養う。
[担当講師] 成川 衛
医薬開発学演習Ⅲ(2年・後期)
新薬臨床開発プログラムの模擬的な企画・立案を行うことを通して、戦略的かつ柔軟な医薬品開発戦略を企画立案できる能力を養う。
[担当講師] 成川 衛

■ゼミ

医薬開発学ゼミ(通年)
学生・教員が持ち回りで自身の研究内容、関係する文献等について発表し、議論する。
英語文献講読ゼミ(通年)
選定した医学論文(無作為化比較臨床試験、医薬品開発に関する研究論文など)の紹介及びそれに基づく議論を通して、
最新の医薬学・統計学、薬事規制等の情報を得るとともに、英語による発表・議論に慣れる。(発表・議論はすべて英語で行う。)