北里大学感染制御研究機構

北里大学感染制御研究機構

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感染制御研究機構

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設 立

  2007年(平成19年)に、21世紀COEプログラム 「天然素材による抗感染症薬の創製と基盤研究」 の成果と研究組織を基に、大学院感染制御科学府と北里生命科学研究所を中核とし、これに大学院各研究科を連携させた感染症制圧のための全学横断型研究教育拠点 「北里大学感染制御研究機構」 を設置し、感染制御の関する教育研究を一元的に展開することができる新たな学内組織が誕生しました。

  「北里大学感染制御研究機構」は、海洋バイオテクノロジー釜石研究所を併設し、2009年(平成21年)からワクチン開発、創薬研究ならびに感染制御に関する医療スタッフの育成を中心に、本格的な活動を開始しました。

 設立の趣旨

  医療の高度化と、公衆衛生の改善により制御したかに見えた感染症の脅威が、世界的規模で再燃しています。 高病原性トリインフルエンザや新型(豚)インフルエンザなどの新興感染症、麻疹や結核などの再興感染症の対策、薬剤耐性インフルエンザ菌やマラリアなどの治療薬開発は急務とされています。 さらに、感染性下痢症のように多くの子どもが死亡するなど、人類の健康増進にとって優先的な課題の一つが、感染症制圧への取組です。

  感染症克服に向けた研究は、絶えず変化している感染症に基礎研究と臨床研究が有機的に連携し、学際分野が迅速に対応できる研究体制が必要であり、その研究成果がワクチン開発や抗感染症薬の創薬に結びつけられなければなりません。 さらに重要なことは、感染制御に携わる研究者、高度専門技術者を養成し、感染症への早期対応を可能とすることです。 具体的には、感染症を総合的に捉えることのできる研究者・高度専門技術者、感染制御に関する専門医療スタッフなどの人材を育成することが不可欠です。

  感染制御の「基盤研究」と「教育」から、ワクチン・抗感染症薬の「トランスレーショナルリサーチ(開発研究・臨床試験等の実学研究)」までを一貫して行える体制にある本学は、大学院感染制御科学府(平成16年博士後期課程発足、教育部を担当)と北里生命科学研究所(平成13年発足、研究部を担当)を中核とし、これに大学院各研究科を連携させた感染症制圧のための全学横断型研究教育拠点「北里大学感染制御研究機構」を、平成19年に設置しました。

  アカデミアと実学を掲げる機構は、国内関連学会を始め、ローベルト・コッホ研究所(独)、スクリプス研究所(米)やWHOなどの海外研究機関・大学・国際機関とのネットワークとも連携し、感染症制圧のための国際的な研究・教育拠点として社会に貢献いたします。

設立の背景

 新興・再興感染症とその対策

  新型インフルエンザは世界的な流行になり、国内の季節型を含めたインフルエンザ感染者は、1週間で30万人以上と推測されています。 一方、麻疹(はしか)は2006年には過去最低の患者数となりましたが、2007年(平成19年)に10〜20歳代を中心とする全国的な流行があり、多数の学校が休校するなどの社会問題になりました。 また、1970年代まで減少を続けていた結核は、その後徐々に増加の傾向を示し、近年では集団発生があるなど年間で数千人の死亡者がでています。 さらに、各種の抗生物質が効かなくなった多剤耐性菌、熱帯から亜熱帯地域の病気であったマラリアやデング熱など、医療の高度化と、公衆衛生の改善により制御したかに見えた感染症の脅威が、世界的規模で再燃しています。

  このような感染症の脅威から人類を守るため、ワクチンや治療薬の開発が急がれるだけでなく、医療における感染管理・感染症対策、感染症の最前線に立つ専門性の高い医療スタッフの育成と教育訓練などへの注力も求められております。

 

 微生物アカデミーの設立

  1993年(平成5年)1月に、北里大学と(社)北里研究所の感染症や微生物研究者が中心となり、「北里微生物アカデミー」を設立しました。 北里柴三郎博士以来の伝統である感染症や微生物研究分野を中心に、オール北里として緊密な連携を持った教育研究を行うため、情報交換と学術研究集会を行う組織が誕生しました。

  2003年(平成14年)に採択された21世紀COEプログラム「天然素材による抗感染症薬の創製と基盤研究」は、この「微生物アカデミー」の組織が母胎となっています。

 

 北里生命科学研究所と大学院感染制御科学府の設立

  2001年(平成13年)4月、北里大学と(社)北里研究所等から招聘した任期制教員(5年間)により、感染症と感染制御に特化した北里生命科学研究所を開設しました。 2002年(平成14年)4月に、北里生命科学研究所を研究部とした大学院感染制御科学府博士前期課程を、2004年4月には同博士後期課程を開設しました。

  北里生命科学研究所と大学院感染制御科学府を中核として、本学の薬学研究科、医療系研究科、理学研究科に、(社)北里研究所や国内研究機関の研究者により、21世紀COEプログラム「天然素材による抗感染症薬の創製と基盤研究」が採択・実施されました。

 

 21世紀CEOプログラム

  2003年(平成14年)、21世紀COEプログラム「天然素材による抗感染症薬の創製と基盤研究」が採択されました。 2008年(平成18年)までの5年間に、新規抗感染症薬候補物質20種65成分の発見、天然物素材由来の化合物ライブラリーの充実、WHO/TDR(国連熱帯医学特別計画)やDNDi(Drugs for Neglected Diseases initiative)との共同研究や海外研究教育拠点の開拓などを行い、原著研究論文613報、知的財産(特許公開58件)、学術賞・学会賞28件を含む次の成果を挙げました。 また、国際シンポジウム7回、特別講演会14回、公開セミナー92回(外国人演者計56名、国内演者81名)の開催、大学院感染制御科学府における外国人教員による科学英語教育などの教育面の充実を図るなど、21世紀COEプログラム評価委員会から高い評価を得ました。

 

 (社)北里研究所と(学)北里学園との統合

  2008年(平成20年)4月1日に、社団法人北里研究所と学校法人北里学園が統合し、「学校法人北里研究所」が誕生しました。 「学校法人北里研究所」は、北里大学を中核に、北里大学保健衛生専門学院、北里大学看護専門学校、収益事業部門の生物製剤研究所を擁する生命科学系の教育学術研究機関となり、感染制御の「基盤研究」と「教育」から、ワクチン・抗感染症薬の「トランスレーショナルリサーチ(開発研究・臨床試験等の実学研究)」までを一貫して行える体制になりました。

  北里大学感染制御研究機構は、生物製剤研究所との協力関係を更に強化しワクチン開発研究を推進すると共に、本学の4病院とも連携して感染制御に関する医療スタッフの育成を進めてまいります。

目 的

  医療の高度化と、公衆衛生の改善により制御したかに見えた感染症の脅威が、世界的規模で再燃しています。 高病原性トリインフルエンザ・新型(豚)インフルエンザなどの新興感染症、麻疹・結核などの再興感染症の対策、薬剤耐性インフルエンザ菌やマラリアなどの治療薬開発は急務とされています。 また、感染性下痢症のように多くの子どもが死亡するなど、人類の健康増進にとって優先的な課題の一つが、感染症制圧への取組です。

  感染症克服の研究は、基礎研究と臨床研究が有機的に連携した体制の下で総合的に行い、その研究成果がワクチン開発や抗感染症薬の創薬に結びつけられなければなりません。 さらに重要なことは、感染制御に携わる研究者や高度専門技術者を養成し、感染症への早期対応を可能とする本学の伝統を継承することです。

  アカデミアと実学が合さった感染制御研究機構は、「感染制御研究・教育の推進」を研究・教育目標に掲げて推進してきました。 国内関連学会を始め、ローベルト・コッホ研究所(独)、スクリプス研究所(米)やWHOなどの海外研究機関・大学・国際機関とのネットワークとも連携し、感染症制圧のための国際的な研究・教育拠点への発展を目指しています。

  また、近年では「抗生物質に代替し得る生物資源の活用方法」および「耐性菌の出現しない抗感染症薬」を開発することによるワンヘルスの向上への貢献を目指しています。

目 標

  感染制御研究機構の目標は、世界的に問題となっている感染症の有効な予防・治療法の開発のために、病原性の解明に取り組み、新しい概念に基づく抗感染症薬やワクチンの開発を進め、さらにこの分野について幅広い知識と技術を有する優れた研究者や高度専門技術者を育成し、研究・教育・医療の最前線に輩出することです。 具体的には、

  (1) 天然素材開拓・確保

  (2) 天然物の有機合成による生物活性物質の増強,毒性の軽減化等

  (3) 当該研究領域の産学連携による共同研究

  (4) 共同研究等を基礎とした大学院教育を通じた若手研究者、高度専門技術者の育成

 を図ることです。

  感染制御研究機構の教育・研究の目標は、次のとおりです。

研 究 全学横断型プロジェクト研究課題の設定、実施
(1) 感染症の病態解析、病原微生物の病因解析に関する研究
(2) 感染症に対するワクチン開発,抗感染症薬の開発
ワクチン・抗感染症薬のトランスレーショナルリサーチの推進
国内・海外学術研究機関との共同研究の推進
産学連携の推進及び海外ネットワークの形成
教 育 感染制御教育の推進
関連学会との連携による感染制御専門資格認定申請と有資格者のフォローアップ
北里大学微生物アカデミー,北里大学化学シンポジウムとの連携教育活動
感染症とその制御に関する講演会・シンポジウムによる啓発活動