実習科⽬ |
概要
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化学実験 (化学科1年生) |
- 化学実験を通して、化学反応と分子の概念を体験し、物質の性質を考える基本を身につける。全員が化学実験に関する基本操作を実際に行いながら、安全に配慮しつつ実験に集中する感覚や心構えを身につける。
- 化学実験の基礎
器具の取り扱い方法・危険物の取り扱い方法・安全教育・廃棄物処理のルールを学ぶ
- 金属錯体の合成と光の作用
トリスオキサラト鉄(Ⅲ)錯体の合成と光によるFe(Ⅲ)からFe(Ⅱ)への変化を観察するとともに、再結晶等の操作法を学ぶ。
- アボガドロ定数の測定
単分子膜によるアボガドロ定数の概算を行う。
- 有機分子の反応とその性質(Ⅰ)
フェノールのニトロ化、生成物の抽出とTLCによる分離を行い、酸性・アルカリ性でのスペクトル変化を観測する。
- 有機分子の反応とその性質(Ⅱ)
エステル化と加水分解反応を実施し、生成物の単離と精製、蒸留方法、ガスクロマトグラフによる分析について学ぶ。
- 水素イオン濃度の測定
pHメーターの原理と使い方を学ぶ。最小二乗法によるデータの解析方法を身に付けるとともに、pHとpKa、中和滴定について学ぶ。
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基礎物理学実験 (化学科1年⽣) |
- 電気回路の基礎
電気回路を組み⽴てて電量、電圧、抵抗の測定を⾏う 電気回路の基礎を学ぶ
- ⽐熱容量の測定
電流による発熱でお湯を沸かして、電気エネルギーの熱エネルギーへの変換を測定 電気エネルギーと熱エネルギーの関係、⽐熱容量について理解する
- 電⼦の⽐電荷
真空中で荷電粒⼦の軌道が磁場によって曲げられることを観測 電荷と磁場の関係について理解し、電⼦の⽐電荷を求める
- 光の回折と分散
レーザーを使って光の回折・分散の実験を⾏う 光の性質、光が波の性質を持つことを学ぶ
- デジタルオシロスコープ
電圧の時間変化を可視化するオシロスコープを使って蛍光灯の光強度の時間変化を観察 オシロスコープの使い⽅を習得するとともに周波数の概念を理解する
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基礎生物学実験 (化学科1年⽣) |
生物学の基本を学ぶため、分子から個体までの多岐にわたって生物学全体を理解することを目標として、主として目で見てわかる実験および観察を行う。また、講義、実験を通して、目覚ましく進展する生物科学の現状を体感してもらう。
[内容・項目]
- 分子生物学実験:PCRによるDNA増幅、制限酵素切断、および電気泳動による解析
- 細胞生物学実験:血清タンパク質の電気泳動および濃度の測定 (定量)
- 幹細胞学実験:ニワトリ胚の観察
- 免疫学実験:血球、免疫系組織の観察
[方法] 配布した実習書、動画、資料に基づいて教員が実験内容・操作を説明後、グループに分かれて実験あるいは観察を行う。教員およびティーチングアシスタント(TA)が、必要に応じて指導を行う。
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無機化学実験 (化学科2年生) |
- 実験講義・準備
実験についての注意、グループ分け、安全教育を行う 実験の概要と基本原理を解説する 器具の点検、洗浄などの準備をする
- ガラス細工
伸ばす、切る、つなぐなどの基本操作とガラス玉、ピペット、T 字管を作成する
- 光学活性錯体の合成と旋光性
光学活性なコバルト錯体を合成し、旋光度を測定する
- 酸化還元
モール塩を合成し、電位差滴定によって鉄を定量分析する
- 多核錯体の合成と定量分析への利用
モリブデン酸の縮合したポリオキソメタラートを合成し、比色法によるリンの定量分析を行う
- 非ベンゼン系芳香族化合物・フェロセンの合成
有機遷移元素化合物であるフェロセンを合成し、可逆に 酸化還元反応を起こしうることを確認する
- ニッケル錯体触媒を用いたクロスカップリング反応
ニッケル錯体触媒を合成し、芳香族ボロン酸とハロゲン化芳香族を用いたクロスカップリング反応を行う
- まとめ
実験を通して学んだ基礎事項、観察結果、体得した実験技法についての確認を行う。
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有機化学実験 (化学科2年生) 紹介動画はこちら! |
- ガイダンス
実験にあたっての一般的注意、薬品や器具、機器の取り扱い方および基本操作の解説
- Grignard反応
第三級アルコールの合成と反応
- 酸化反応
シクロヘキサノンとその誘導体の合成
- Friedel-Crafts反応
フェロセンのアセチル化とカラムクロマトグラフィー
- アルドール縮合
フラボン誘導体の合成
- Diels-Alder反応
トリプチセン誘導体の合成
- 芳香族求電子置換反応および官能基変換
パラニトロアニリンの合成と反応
- Wittig反応
スチルベンとその誘導体の合成
- 機器分析による構造解析
NMR、IRスペクトルの測定と解析による構造決定
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物理化学実験 (化学科3年生) |
- 基本原理に基づく測定・解析能力を習得し、自然界の多様な物質の性質とその変化に関する理解を深めるとともに、その利活用方法を学ぶ。
- 結晶/液晶/液体の相転移の熱量測定
液晶物質の相転移におけるエネルギー、エントロピー変化を求め解析し、液晶状態の性質を理解する。
- 赤外分光法を用いた分子構造と分子間相互作用の解析
赤外分光器を用いて分子の振動回転スペクトルを測定するとともに、スペクトル解析を通じて分子分光学の基礎を学ぶ
- 高分子溶液の粘度測定
液体の流体力学的性質について学び、溶質高分子の分子量、分子構造について考察する。
- 二成分混合系の臨界共溶現象
ヘキサン-メタノールの混合液体の臨界共溶線をつくり、溶液物性を規定する熱力学的関数を理解する。
- 分子の電子的励起状態と蛍光スペクトル
π共役分子の蛍光・励起スペクトル、エキシマー蛍光の観測を通して分子の電子的励起状態とその緩和現象について理解する。
- 可視・紫外分光法を用いた反応速度の解析
有機化合物の溶液内反応(求核置換反応)を、可視・紫外分光法で調べ、反応速度の解析、活性化状態の熱力学的考察を行う。
- 結晶のX線回折
粉末X線回折の測定と解析を行い、X線回折の原理、結晶構造を理解する。
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