猿渡 茂
准教授

北里大学理学部物理学科物性物理学講座
北里大学大学院理学研究科分子科学専攻
endo(ここに半角の@をいれる)sci.kitasato-u.ac.jp
オフィス・アワー:前後期、曜日によって異なるので、学生便覧39pを見てください。
上記以外でも在室時はいつでも可、メールでもかまいません。
プロフィル
東京大学理学部物理学科卒業。
東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。 理学博士。 (テーマ:Chromatographic Studies on the Interactions of Biological Macromolecules.)
日本電子(株)、新技術事業団(現、(独)科学技術振興機構)ERATO を経て、理学部設立時に北里大学へ。
日本生物物理学会、日本蛋白質科学会会員
研究分野:生物物理学
  • タンパク質の動的構造データベースProMode
  • この他、蛋白質の分子間相互作用の理解を深めることを目的として蛋白質結晶の結晶成長の解析を進めています。

  • 科学技術振興機構(JST)バイオインフォマティクス推進事業の「蛋白質立体構造データベースの高度化」 の中の研究開発項目「蛋白質ダイナミックスデータベースの作成」に研究協力しています。 これは動く蛋白質の図鑑を作るプロジェクトです。動かない蛋白質の図鑑は蛋白質に含まれるすべての原子の位置(x,y,z-座標)のデータを集めたProtein Data Bank (PDB)という名前のデータベース(RCSB PDB、日本のミラーサイト PDBj)で見ることができます。
     ProModeの名前の由来は protein normal mode analysis から来ています。Normal mode analysis(基準振動解析)では数千個の原子から出来ているタンパク質分子の複雑な運動を三角関数で表せるような単純な振動に分解して解析します。 分子全体が動くような振動は低い振動数でゆっくり動き、アミノ酸の側鎖の先だけが動くような振動は大きな振動数で素早く動くことが分かります。低い振動数でゆっくり動くといっても超ミクロの分子の世界の話なので、その周期は10-11秒程度で我々の感覚からすればとてつもなく速い動きです。
     蛋白質分子の動く様はどうして重要なのでしょうか?それは蛋白質のもつ固有の機能が、分子の形のみならず、その動きにも深く関係していることが分かってきたからです。例えば、生体内の様々な化学反応を触媒している酵素はもちろん蛋白質ですが、酵素反応を行っている部位(活性部位)における官能基の配置が固定されていたらスムーズな反応は起こりません。実際、生体内の蛋白質分子は37℃(310K)の水溶液中に存在しているので、蛋白質中の原子はまわりにある水分子等から熱エネルギーを得てかなり激しく動いています。水分子のような低分子の動きはブラウン運動に見られるようにランダムですが、蛋白質中の原子はランダムではなく動いています。ランダムではない動きの基になっているのはそれぞれの蛋白質に固有な(PDBで見られるような)立体構造ですが、この動きこそ蛋白質の機能を担っているものであるといえるでしょう。
担当授業
 1年次 
  • 力学 I :必修 (高大連携科目)
  • 力学演習:必修 
  • 線形代数 II:必修
  •  2年次 
  • 物理学実験 II:必修
  • 基礎物理学III:化学科、生物科学科の2群選択
  • 基礎物理学IV:化学科、生物科学科の2群選択
  •  3年次 
  • 生物物理学 II:選択(化学科、生物科学科B選択) 参考図書
  • 物理学特別実験演習:必修(オムニバス形式+ゼミナール)
  •  4年次 
  • 卒業研究の内容
  •   基本は生体分子を対象にした計算機シミュレーションであるが、それをサポートするようなソフトウェアを開発する課題もあります (過去のテーマ)。
     大学院 
  • 計算物理学:選択 参考図書
  • X線結晶学:必修選択
  • 最近の学会発表(2011年〜)
            2010年度    2009年度    2008年度    2007年度    2006年度    2005年度    2004年度    2003年度    2002年度   
    最近の論文
    1. H. Wako & S. Endo, "Normal mode analysis based on an elastic network model for biomolecules in the Protein Data Bank, which uses dihedral angles as independent variables", Comput. Biol. Chem. 44, 22-30 (2013).
    2. Y. Tshuchiya, K. Kinoshita, S. Endo, & H. Wako, "Dynamic features of homodimer interfaces calculated by normal-mode analysis", Protein Sci. 21, 1503-1513 (2012).
    3. H. Wako & S. Endo, "ProMode-Oligomer: Database of Normal Mode Analysis in dihedral angle space for a full-Atom system of oligomeric proteins", Open Bioinformatics J. 6, 9-19 (2012).
    4. H. Wako & S. Endo, "Ligand-induced conformational change of a protein reproduced by a linear combination of displacement vectors obtained from normal mode analysis", Biophys. Chem. 159, 257-266 (2011).
    5. H. Takusagawa, et al., "New monoclinic form of bovine pancreatic ribonulease A from a salt solution and comparison of intermolecular interactions in ribonuleases A", J. Crystal Growth 319, 49-56 (2011).
    6. S. Hirose, et al., "Prediction of protein motions from amino acid sequence and its application to protein-protein interaction", BMC Structural Biology 10:20 1-18 (2010).
    7. M. Ootaki, S. Endo, Y. Sugawara, & T. Takahashi, "Crystal habits of cubic insulin from porcine pancreas and evaluation of intermolecular interactions by macrobond and EET analyses", J. Crystal Growth 311, 4226-4234 (2009).
    8. H. Wako, M. Kato, & S. Endo, "Promode: A Database of Normal Mode Analyses of Protein Molecules with a Full-atom Model", Bioinformatics 20, 2035-2043 (2004).
    9. H. Wako, M. Kato, & S. Endo, "Improvements in ProMode (a database of normal mode analyses of proteins)", Genome Informatics 14, 663-664 (2003).
    10. H. Wako & S. Endo, "Promode: A Database of Normal Mode Analyses of Protein", Genome Informatics 13, 519-520 (2002).
    11. H. Yamashita, S. Endo, H. Wako, & A. Kidera, "Sampling efficiency of molecular dynamics and Monte Carlo method in protein simulation", Chem. Phys. Lett. 342, 382-386 (2001).
    Updated; Apr., 2017