2024.08.09
末吉教授の共著論文がAnalytical Sciences誌のHot Article (注目論文) に選出されました!
末吉教授と和田将英博士(現:東京理科大 助教),遠藤達郎准教授,久本秀明教授(ともに大阪公立大)との共著論文が、分析化学に関する国際論文ジャーナルである「Analytical Sciences」誌のVolume 40 Issue 8におけるHot Article (掲載号における注目論文) に選出されました!2024年10月2日まで無料でダウンロードできるようですので,興味をお持ちいただいた方はこの機会にご一読ください!
Selection of structure-induced aptamer targeting small molecule based on capillary sieving electrophoresis
(キャピラリー分子ふるい電気泳動に基づく「低分子を標的とする構造誘起型アプタマー」の選抜)
Masahide Wada, Tatsuro Endo, Hideaki Hisamoto, Kenji Sueyoshi
https://doi.org/10.1007/s44211-024-00588-6
近年、「アプタマー」と呼ばれる「標的分子選択的な結合能を持つ核酸」が注目されています。アプタマーは、高価で希少な抗体に代わる分子認識素子として、医療診断や創薬への応用によるSDGs(持続可能な開発目標)への貢献が期待されています。しかし、その取得・選抜に多大な手間と時間を要する点が大きな課題でした。その中でも、低分子化合物を標的として選択的に結合するアプタマー(低分子標的アプタマー)の選抜は特に難しいことが知られておりました。また、標的分子と結合する際に安定構造が誘起される特殊なアプタマー(構造誘起型アプタマー)は、センシング分子としての応用が期待されていますが、それのみを狙って選抜する技術の報告は数えるほどしかありませんでした。
本論文では、分子のサイズを見分ける「キャピラリー分子ふるい電気泳動」技術を駆使して、「低分子を標的とする構造誘起型アプタマー」を選抜に成功しました。将来的には、生体試料中の低分子医薬品や違法ドラッグ、ドーピング剤などの選択的かつ高感度なセンサ開発に繋がる技術になるものと期待されます。