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2021.05.10化学科

化学科共通研究室の内山洋介助教らの9-アミノアントラセン(9AA)に関する研究の総論が化学工業誌に掲載されました。

  化学工業誌(http://www.kako-sha.co.jp)の「革新的ライフサイエンスの新展開」に関する特集号において、内山助教らのグループが寄稿した「生体内の低酸素領域を検出するための9AA染色法」の総論(8ページ)が掲載されました。
  この9AA染色法に関する研究は、異分野連携(理学部化学科 松沢英世准教授、理学部生物科学科 内山孝司助教、医療衛生学部 川上文貴講師、医療衛生学部 鍵谷豪准教授、医療衛生学部 丸山弘子准教授、医学部 板倉誠准教授)により得られた成果で、化学科共通研究室の山岸正太郎君、山浦貴久君、金沢一駿君、安田悠君、木村忍君、國谷駿君、渡邉崚君、黒滝孝典君、澤村維宏君、大槻武丸君、菊池勇一君、阿部真也君、村上力也君の卒業研究により得られた成果でもあります。
  本総論では、低酸素下で9-アミノアントラセン(9AA)の緑色蛍光が持続する性質を利用し、バイオイメージング剤として用いることで、有機化学分野から生命科学分野へ繋がる研究成果がまとめられています。1950年代から知られている9AAですが、9AAは空気中不安定で自動酸化(auto-oxidation)されるために、9AAの緑色蛍光が消失する性質を持っていました。本研究により、低酸素下では9AAが安定に存在し、緑色蛍光を持続することが明らかにされ、組織切片の染色に成功しました(https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acsomega.7b00711)。また、9AAおよびその誘導体であるMes9AAを用いたがん細胞のイメージングに初めて成功し、Si9AAによるフッ化物イオン検出剤も最近開発されました(https://www.eurekaselect.com/182831/article)。
  昨年度には、本研究で開発された9AA染色法を元にした事業が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2020年度「研究開発型スタートアップ支援事業/NEDO Entrepreneurs Program (NEP)」の支援のもとで実施されました(https://www.nedo.go.jp/koubo/CA3_100237.htmlhttps://www.nedo.go.jp/content/100924007.pdf)。


「化学工業」2021年5月号(VOL.72 No.5)
http://www.kako-sha.co.jp

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