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2022.01.07化学科

化学科共通研究室の内山助教らのWittig反応に関する研究の論文がPhosphorus, Sulfur, and Silicon, and the Related Elementsに掲載されました。

論文タイトル: “Observation of intermediates in reaction of non-stabilized phosphonium ylide containing phosphaboratatriptycene skeleton with PhCHO”, Yosuke Uchiyama, Shotaro Yamagishi, Takuya Yasukawa
DOI: 10.1080/10426507.2021.2021524

  このWittig反応に関する研究成果は、化学科共通研究室の山岸正太郎君の卒業研究(2020年度)と安川拓也君の大学院修士論文研究(2009年度)により得られました。
  本論文では、ホスファボラタトリプチセン骨格の反応中間体に対する安定化効果を利用して、不安定リンイリドとベンズアルデヒドとの反応(Wittig反応に相当)において、31P NMR測定によりベタインが初めて観測されたことを報告しています。一般に、Wittig反応では、1,2-オキサホスフェタンが観測・単離される唯一の中間体として知られていますが、ベタインの観測は、これまでに報告されていませんでした。本論文では、リン原子に対するボラタアニオンの電子的な効果によって、温度可変31P{1H}-NMR測定において、ベタインが、-90℃から-10℃まで、一時的(transient)な中間体として観測されたことを報告しています。

ベタイン中間体が、不安定リンイリドとベンズアルデヒドとの反応[1]およびβ-ヒドロキシアルキルホスホニウム塩の脱プロトン化反応[2]の両条件において、観測されました。
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