ロゴ
大学施設

RESEARCH

RESEARCH

2022.11.14化学科

分子機能化学講座、網城彩恵さん、上田将史助教、真崎康博教授によるトロポン融合型クマリン色素に関する論文がBull. Chem. Soc. Jpn誌に掲載されました

化学科、分子機能化学講座、網城彩恵さん(2021年度修士修了)、上田将史助教、真崎康博教授による研究成果が日本化学会発行のBulletin of the Chemical Society of Japan誌に掲載されました。

クマリンは蛍光特性を有する植物性芳香族ラクトン化合物の一種で、バイオイメージングや化学センサーといった光学材料への応用が期待されています。
本研究では、非ベンゼノイド芳香族として知られるトロポンをクマリン骨格に組み合わせた新たな蛍光色素の開発に成功しました。単結晶X線構造解析から、トロポン部位は柔軟に湾曲した構造をとることが判明しました。また、溶媒の極性に応じて発光波長が長波長シフトしており、蛍光性クマリンと同様に、電荷分離状態をとることが明らかになりました。加えて、理論計算によるシミュレーションでは、励起状態においてトロポン環が平面になることが示唆されました。
興味深いことに、希釈溶液中に酸を滴下していくと、蛍光強度が上昇し、蛍光量子収率は最大で19%を記録しました。今後、酸応答型分子センサーとしての発展が期待されます。

本研究は
文部科学省科研費「ヤヌス型蛍光色素分子を用いた分子配列制御に基づくキラル空間の創成(JP21K14615)」
による研究助成によって実施されました。
 

論文タイトル: Synthesis, Structures, and Properties of Tropone-Fused Coumarin Dyes
DOI: 10.1246/bcsj.20220264


論文のページ
https://www.journal.csj.jp/doi/abs/10.1246/bcsj.20220264

RESEARCH一覧へ戻る