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2023.02.08物理学科

生物物理学講座 佐藤俊輔君、渡辺豪准教授らの論文が ChemPhysChem誌に掲載されました

   物理学科生物物理学講座の佐藤俊輔君(博士課程1年)、渡辺豪准教授らの研究に関する論文がWiley-VCHが出版している ChemPhysChem 誌(IF=3.5)に掲載されました。
  本論文は、東京大学大学院工学系研究科の加藤隆史教授、西安交通大学のGoran Ungar教授らとの共同研究による成果です。
  液体の流動性と結晶の秩序性を併せ持つ液晶には、位置の秩序によって様々な相に分類することができます。例えば、位置秩序が存在しないネマチック液晶、一次元の周期構造(層構造)を有するスメクチック液晶、そして二次元の周期構造(カラム構造)を有するカラムナー液晶が挙げられます。スメクチック液晶では、層内において秩序がないスメクチックA(SmA)相や6回回転対称性を有するスメクチックB(SmB)相などが存在することが知られています。
  本研究では、脂環式のビシクロヘキシルのメソゲン骨格と柔軟性のテトラオキシエチレン部位を含んだ分子が、SmA-SmB-SmAという特異なリエントラント液晶相転移を示すことを明らかにしました。電子密度プロファイルと分子動力学シミュレーションの結果より、このリエントラント現象は、剛直なメソゲン部分のパッキングとフレキシブルな部位のコンフォメーションが温度によって段階的に変化することで引き起こされていると考えています。

  本研究は、文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)「水圏機能材料:環境に調和・応答するマテリアル構築学の創成」の助成(JP19H05718)を受けました。

論文タイトル: “Reentrant 2D Nanostructured Liquid Crystals by Competitionbetween Molecular Packing and Conformation: Potential Design for Multistep Switching of Ionic Conductivity”
論文誌: ChemPhysChem
DOI: 10.1002/cphc.202200927


論文のページ
https://chemistry-europe.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/cphc.202200927

新学術領域「水圏機能材料」
https://www.aquatic-functional-materials.org/

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