胃もたれや胃の痛みは、日常的に頻繁に見られる症状です。内視鏡や腹部超音波検査などで異常が見られない場合に機能性ディスペプシアという病名が付きますが、現代医薬ではなかなか症状が改善しない方もいらっしゃいます。そのような場合、漢方薬は有効な治療の選択肢となり、学会の診療ガイドラインでも治療薬のひとつとして推奨されているものもあります。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
安中散 (あんちゅうさん) |
冷え症、胃痛、胸やけなど |
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黄連解毒湯 (おうれんげどくとう) |
赤ら顔、のぼせ傾向、胃酸過多など |
人参湯 (にんじんとう) |
虚弱体質、冷えなど |
半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) |
咽のつまり感、腹部膨満感など |
半夏瀉心湯 (はんげしゃしんとう) |
口内炎、腹鳴、下痢など |
補中益気湯 (ほちゅうえっきとう) |
食欲不振、胃下垂、全身倦怠感など |
六君子湯 (りっくんしとう) |
食欲不振、強い胃もたれなど |
上記以外の漢方薬
堅中湯 (けんちゅうとう) |
吐き気、腹痛、下痢など |
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香砂平胃散 (こうしゃへいいさん) |
食後の消化不良症状、気分不快など |
清熱解鬱湯 (せいねつげうつとう) |
胸やけ、げっぷ、ストレスによる胃痛、便秘など |
調中益気湯 (ちょうちゅうえっきとう) |
食欲不振、強いだるさ、腹痛など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
うつ病は、男性では仕事やストレスに関連して中高年に多く、女性では月経周期、産褥期、更年期などに多く、また子供や高齢者では身体症状が前面に出てうつ病が見逃されやすいとされています。強いうつ症状に対する治療の第一選択は抗うつ薬や抗不安薬であることに変わりはありませんが、抑うつ症状やうつ病に伴う身体症状を軽減させ、また抗うつ剤の作用を補強し副作用を軽減させる薬として漢方治療が役立つ場合も少なくありません。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
香蘇散 (こうそさん) |
胃腸虚弱・神経質・不安・老化に伴う気分の落ち込みなど |
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六君子湯 (りっくんしとう) |
食欲不振・胃もたれを伴う気分の落ち込みなど |
加味逍遙散 (かみしょうようさん) |
更年期や月経前の気分の落ち込みなど |
釣藤散 (ちょうとうさん) |
高血圧・頭痛・ノイローゼに伴う気分の落ち込みなど |
半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) |
不安・神経質・咽喉部異常感覚のある気分の落ち込みなど |
加味帰脾湯 (かみきひとう) |
不眠・動悸・寝汗・のぼせを伴ううつ症状など |
四逆散 (しぎゃくさん) |
神経過敏・ストレス・不眠などを伴ううつ症状など |
柴胡加竜骨牡蛎湯 (さいこかりゅうこつぼれいとう) |
体力が充実した方の不安・緊張・不眠を伴ううつ症状など |
上記以外の漢方薬
分心気飲 (ぶんしんきいん) |
食欲不振、神経衰弱、食道のつかえ、腹部膨満感を伴ううつ症状など |
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変製心気飲 (へんせいしんきいん) |
倦怠・胃もたれ・頭痛・めまい・むくみを伴ううつ症状など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
炎症性腸疾患の西洋医学的治療は、分子標的薬の登場などにより長足の進歩を遂げましたが、治りにくい患者様も依然として多く、生活の質に配慮した治療が今まで以上に求められています。西洋医薬の副作用軽減を含めた治療効果を期待して、漢方外来を受診する炎症性腸疾患の患者様は少なからずいらっしゃいます。特に軽症潰瘍性大腸炎の腹痛や下痢に対して、漢方薬の効果が期待できます。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
黄連解毒湯 (おうれんげどくとう) |
潰瘍性大腸炎で新鮮出血のある場合など |
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桂枝加芍薬湯 (けいしかしゃくやくとう) |
腹痛や下痢など |
柴胡桂枝湯 (さいこけいしとう) |
若年者の腹痛など |
柴苓湯 (さいれいとう) |
下痢、口渇感、尿量減少など |
十全大補湯 (じゅうぜんたいほとう) |
下血、貧血、倦怠感など |
真武湯 (しんぶとう) |
下痢、体の冷え、強い倦怠感など |
大建中湯 (だいけんちゅうとう) |
腹部の冷え、腹痛など |
当帰建中湯 (とうきけんちゅうとう) |
腹痛、血便など |
半夏瀉心湯 (はんげしゃしんとう) |
口内炎、腹鳴、下痢など |
上記以外の漢方薬
胃風湯 (いふうとう) |
潰瘍性大腸炎の下痢や粘血便など |
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千金内托散 (せんきんないたくさん) |
クローン病で瘻孔があるものなど |
大桃花湯 (だいとうかとう) |
潰瘍性大腸炎の下痢など |
断痢湯 (だんりとう) |
ほかの漢方薬が無効の下痢など |
白頭翁加甘草阿膠湯 (はくとうおうかかんぞうあきょうとう) |
血便、渋り腹など |
上記以外、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
慢性前立腺炎に代表される慢性会陰部痛は一般に難治とされ、西洋医学的には抗生物質以外の有効な治療手段がありません。適切な漢方薬が患者様の生活の質を向上させることも少なくないため、積極的な漢方治療が考慮されてよいと考えられます。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
五淋散 (ごりんさん) |
尿道の痛みや残尿感、炎症など |
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清心蓮子飲 (せいしんれんしいん) |
排尿関連の症状、冷え症、胃腸虚弱など |
当帰四逆加呉茱萸生姜湯 (とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう) |
手先・足先の冷え、特に冷えをきっかけに痛みが悪化する場合など |
八味丸 (はちみがん) |
夜間頻尿、下半身の冷え、腰痛など |
半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) |
神経過敏、症状に対し不安が強い場合など |
抑肝散 (よくかんさん) |
不眠傾向、ストレスでイライラが強い場合など |
竜胆瀉肝湯 (りゅうたんしゃかんとう) |
炎症が強い場合など |
上記以外の漢方薬
桂姜棗草黄辛附湯 (けいきょうそうそうおうしんぶとう) |
神経質、全身の痛みやしびれを伴う場合など |
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上記以外、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
過敏性腸症候群は器質的な病変がない腹痛に便通異常が伴うストレス関連疾患で、便秘型・下痢型・混合型などに分類されます。漢方薬は腸管運動を正常化するのみならず、プロバイオティクスとして腸内細菌に変化をもたらし、精神面を含めた全身状態も改善させます。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
桂枝加芍薬湯 (けいしかしゃくやくとう) |
腹痛・下痢など |
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桂枝加芍薬大黄湯 (けいしかしゃくやくだいおうとう) |
腹痛・便秘など |
小建中湯 (しょうけんちゅうとう) |
虚弱体質、腹痛など |
半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) |
咽のつまり感、腹部膨満感など |
半夏瀉心湯 (はんげしゃしんとう) |
腹鳴、下痢など |
四逆散 (しぎゃくさん) |
脇腹や側胸部の痛み、手足の冷えなど |
大承気湯 (だいじょうきとう) |
便秘、腹部膨満感、抑うつなど |
上記以外の漢方薬
堅中湯 (けんちゅうとう) |
腹痛、下痢、吐き気など |
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胃風湯 (いふうとう) |
腹痛・下痢など |
小承気湯 (しょうじょうきとう) |
便秘、腹部膨満感、抑うつなど |
調胃承気湯 (ちょういじょうきとう) |
便秘、腹痛、腹部膨満感など |
調中益気湯 (ちょうちゅうえっきとう) |
腹痛、下痢、食欲不振など |
上記以外、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
がん治療においては手術・放射線療法・化学療法を基本とする西洋医学的治療を優先すべきです。その上で、全身の免疫力を高めたい場合や、根本的な治療が行えずに緩和ケアの対象となる場合、各種治療の副作用・合併症を予防・軽減する必要がある場合などに漢方薬の出番があります。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
十全大補湯 (じゅうぜんたいほとう) |
免疫力低下など |
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人参養栄湯 (にんじんようえいとう) |
免疫力低下、不眠など |
補中益気湯 (ほちゅうえっきとう) |
気力や体力の消耗など |
半夏瀉心湯 (はんげしゃしんとう) |
抗がん剤や放射線療法による口内炎など |
牛車腎気丸 (ごしゃじんきがん) |
抗がん剤や放射線療法によるしびれなど |
六君子湯 (りっくんしとう) |
抗がん剤や放射線療法による食欲不振など |
上記以外の漢方薬
帰耆建中湯 (きぎけんちゅうとう) |
気力や体力の消耗など |
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茯苓四逆湯 (ぶくりょうしぎゃくとう) |
冷えを伴った極度の体力低下など |
乾姜人参半夏丸 (かんきょうにんじんはんげがん) |
抗がん剤による吐き気など |
清熱補気湯 (せいねつほきとう) |
抗がん剤や放射線療法による口内炎など |
十六味流気飲 (じゅうろくみりゅうきいん) |
切除不能な乳癌や甲状腺癌など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
慢性ウイルス性肝炎は抗ウイルス療法が第一選択ですが、抗ウイルス療法が適応とならない肝硬変症の全身状態改善や、ウイルス以外が原因の脂肪肝などには漢方薬が有効な場合があります。一方、生薬の一つであるオウゴンはまれに肝障害を起こすことがあります。これを含む漢方薬を服用する場合主治医と相談し、念のため定期的に血液検査をするとよいでしょう。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
茵蔯五苓散 (いんちんごれいさん) |
肝硬変に伴う黄疸、腹水など |
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加味逍遙散 (かみしょうようさん) |
倦怠感、精神不安など |
柴胡桂枝湯 (さいこけいしとう) |
胆膵疾患などに伴う腹痛など |
小柴胡湯 (しょうさいことう) |
肝疾患等などに伴う上腹部の膨満感、口内の苦味、吐き気など |
大柴胡湯 (だいさいことう) |
体格がよい、脂肪肝など |
補中益気湯 (ほちゅうえっきとう) |
食欲不振、だるさなど |
防風通聖散 (ぼうふうつうしょうさん) |
脂肪肝、肥満、メタボリック症候群など |
上記以外の漢方薬
柴胡四物湯 (さいこしもつとう) |
自己免疫疾患など |
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柴胡疎肝湯 (さいこそかんとう) |
体幹部や腹の痛み、抑うつ気分など |
補気健中湯 (ほきけんちゅうとう) |
肝硬変に伴う腹水、浮腫など |
良枳湯 (りょうきとう) |
胆石などに伴う上腹部痛など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
感冒はのどや気管支などの呼吸器にウイルスが感染することで、鼻水、咳、痰、のどの痛み、発熱、倦怠感など様々な症状が現れます。漢方治療では体質や風邪をひいた時期などを考慮して細やかな対応を取ることができます。特にひき始めや長引いた場合は、漢方薬のよい適応となります。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
桂枝湯 (けいしとう) |
体力が低下した人で汗がある状態に |
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葛根湯 (かっこんとう) |
体力があり頭痛、首・肩のこりがある |
麻杏甘石湯 (まきょうかんせきとう) |
喘息ぎみの咳や喘鳴、呼吸困難などに |
小青竜湯 (しょうせいりゅうとう) |
水っぽい痰や鼻水、くしゃみなど |
香蘇散 (こうそさん) |
胃腸が弱く神経質な傾向の風邪の初期 |
上記以外の漢方薬
桂姜棗草黄辛附湯 (けいきょうそうそうおうしんぶとう) |
虚弱傾向で長引くもの |
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桂枝二麻黄一湯 (けいしにまおういっとう) |
汗をかいて熱感が多く冷えが少なく口が渴かないもの |
桂枝二越婢一湯 (けいしにえっぴいっとう) |
汗をかいて熱感が多く冷えが少なく口が渴くもの |
升麻葛根湯 (しょうまかっこんとう) |
あまり悪寒がなく咽頭痛があるもの |
竹葉湯 (ちくようとう) |
産後や貧血傾向があるもの |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
急激な強い胸痛、あるいは冷や汗や呼吸困難を伴う胸痛を自覚した場合、急性心筋梗塞や大動脈解離、急性肺血栓塞栓症など、生命に関わる疾患が原因である可能性があるので救急車を呼ぶなどの緊急対応が必要です。他方、種々の検査を行っても原因がわからない胸痛がくりかえされる場合、狭心症や逆流性食道炎、肋間神経痛などで西洋医学的な治療を行っても胸痛症状が消失しない場合には漢方薬が役に立つことがあります。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) |
動悸、のどのつまり感、腹の張りなど |
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香蘇散 (こうそさん) |
憂うつ感、頭痛、食欲不振など |
当帰湯 (とうきとう) |
冷えによる背部痛、腹にガスがたまる場合など |
半夏瀉心湯 (はんげしゃしんとう) |
みぞおちのつかえ感、嘔気、下痢など |
桂枝加苓朮附湯 (けいしかりょうじゅつぶとう) |
冷え、四肢の疼痛、動悸など |
六君子湯 (りっくんしとう) |
疲れやすい、冷え、食欲不振など |
上記以外の漢方薬
括呂薤白半夏湯 (かろうがいはくはんげとう) |
嘔吐、呼吸困難、前胸部の痛みが背中まで広がる場合など |
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枳縮二陳湯 (きしゅくにちんとう) |
嘔吐、冷えで痛みが生じる場合など |
茯苓杏仁甘草湯 (ぶくりょうきょうにんかんぞうとう) |
胸のつまり感、動悸、呼吸困難など |
柴胡疎肝湯 (さいこそかんとう) |
げっぷ、頭痛、肩こり、憂うつ感など |
上記以外、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
月経に伴う痛みを月経困難症といいます。多くの方が消炎鎮痛剤やLEP(Low dose Estrogen Progestin)製剤(低用量ピル)で対応しています。しかしこの痛みは体の冷えや虚弱が関与していることがあります。漢方薬では冷えなどを改善することによって痛みを軽減します。漢方治療と西洋薬(鎮痛剤やホルモン剤)の併用は可能です。漢方で体の調子を調えることで、必要となる鎮痛剤の量が減っていきます。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
桂枝茯苓丸 (けいしぶくりょうがん) |
冷え、肩こり、便秘、のぼせなど |
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当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん) |
冷え、むくみ、頭痛など |
加味逍遙散 (かみしょうようさん) |
冷え、イライラ、便通異常など |
温経湯 (うんけいとう) |
冷え、肌の乾燥など |
当帰建中湯 (とうきけんちゅうとう) |
冷え、胃腸虚弱など |
安中散 (あんちゅうさん) |
冷え、胃痛など |
上記以外の漢方薬
神効湯 (しんこうとう) |
強い冷えによる腹痛、むくみ、便秘など |
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附子湯 (ぶしとう) |
強い冷え、下腹部の痛みなど |
正気天香湯 (しょうきてんこうとう) |
胃腸虚弱、痛みなど |
四逆湯 (しぎゃくとう) |
強い冷えなど |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
正常な月経は、周期日数が25~38日の間にあり、その変動が6日以内で、月経持続日数は3~7日です。漢方では、五臓や気血水の異常、寒冷刺激などによって月経不順が生じると考えます。全身のさまざまな症状の改善を図りながら月経を整えることができるのが漢方治療の特徴です。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん) |
冷え、肩こり、頭重感、めまいなど |
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芎帰調血飲 (きゅうきちょうけついん) |
めまい、食欲不振、腹痛など |
桂枝茯苓丸 (けいしぶくりょうがん) |
のぼせ、便秘、肩こりなど |
加味逍遙散 (かみしょうようさん) |
イライラ、不眠、便秘、肩こりなど |
温経湯 (うんけいとう) |
手足のほてり、口唇や指先の乾燥など |
女神散 (にょしんさん) |
めまい、のぼせ、抑うつなど |
桃核承気湯 (とうかくじょうきとう) |
便秘、のぼせ、イライラなど |
通導散 (つうどうさん) |
肥満、赤ら顔、高血圧など |
半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) |
不安、不眠、几帳面など |
当帰四逆加呉茱萸生姜湯 (とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう) |
四肢末端の冷え、下腹部の圧痛など |
八味丸 (はちみがん) |
全身倦怠感、手足の冷え、腰痛など |
上記以外の漢方薬
逍遙散 (しょうようさん) |
倦怠感、頭重、寝汗など |
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当帰四逆湯 (とうきしぎゃくとう) |
冷え、下腹部痛、腰痛など |
折衝飲 (せっしょういん) |
月経痛、腰痛など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
高血圧の治療としては、減塩や運動習慣など日常生活全般の改善に加え、降圧薬の服用が必要となることが一般的です。しかし降圧薬を飲まなくていいレベルの軽度高血圧や、降圧薬だけでは十分血圧が下がらない時など、漢方薬が役立つ場合があります。なお、甘草(かんぞう)という生薬を含む漢方薬を服用した場合、血圧上昇の副作用が生じることがあるので注意が必要です。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
柴胡加竜骨牡蛎湯 (さいこかりゅうこつぼれいとう) |
ストレス、不眠など |
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黄連解毒湯 (おうれんげどくとう) |
のぼせ、不眠など |
釣藤散 (ちょうとうさん) |
肩こり、耳鳴り、頭痛など |
八味丸 (はちみがん) |
冷え、足腰の力の低下など |
七物降下湯 (しちもつこうかとう) |
体力がない、のぼせ、肩こりなど |
半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) |
めまい、動悸、便秘など |
当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん) |
血色が悪い、月経障害など |
上記以外の漢方薬
治肩背拘急方 (ぢけんばいこうきゅうほう) |
高度の肩こりなど |
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竜骨湯 (りゅうこつとう) |
うつ、食欲がないなど |
温胆湯 (うんたんとう) |
体力がない、不眠など |
奔豚湯 (ほんとんとう) |
発作的な動悸など |
補気健中湯 (ほきけんちゅうとう) |
むくみ、気力低下など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
更年期は女性の加齢に伴う生殖期から非生殖期への移行期であり、卵巣機能の低下、精神・心理的な要因、社会文化的な環境因子などが複合的に影響することにより症状が発現すると考えられています。このように複合的な要因が関与する場合は、全身を総合的に治療する漢方治療が有用です。様々な精神身体症状に応じて漢方薬が選択されます。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん) |
冷え、肩こり、頭重感、めまいなど |
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加味逍遙散 (かみしょうようさん) |
イライラ、不眠、便秘、肩こりなど |
桂枝茯苓丸 (けいしぶくりょうがん) |
のぼせ、発汗、肩こりなど |
温清飲 (うんせいいん) |
月経不順、皮膚の乾燥、高血圧など |
五積散 (ごしゃくさん) |
腰下の冷え、のぼせなど |
温経湯 (うんけいとう) |
手足のほてり、口唇や指先の乾燥など |
桃核承気湯 (とうかくじょうきとう) |
便秘、のぼせ、イライラなど |
女神散 (にょしんさん) |
めまい、のぼせ、抑うつなど |
上記以外の漢方薬
逍遙散 (しょうようさん) |
倦怠感、頭重、寝汗など |
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治肩背拘急方 (ぢけんばいこうきゅうほう) |
首、肩のこりなど |
苓桂五味甘草湯 (りょうけいごみかんぞうとう) |
手足の冷え、しびれ、めまい、顔の赤みなど |
巫神湯 (ふしんとう) |
めまい、悪心、のぼせ、発汗など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
産褥期とは、分娩終了後の妊娠・分娩に伴う母体の生理的変化が非妊時の状態にもどるまでの状態をいい、その期間は6~8週とされています。しかしその後も慣れない子育ての疲れや不安、環境の変化から、心や体に不調をきたすことがあります。それらの不調に対して漢方薬はとても役にたちます。なお授乳中でも下記の漢方薬は服用できます。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
葛根湯 (かっこんとう) |
母乳の出が悪い、初期の乳腺炎、肩こりなど |
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排膿散及湯 (はいのうさんきゅうとう) |
母乳の出が悪い、乳腺炎、乳房が痛いなど |
十全大補湯 (じゅうぜんだいほとう) |
疲れやすい、抜け毛、貧血症状、母乳が少ないなど |
補中益気湯 (ほちゅうえっきとう) |
食欲不振、疲れやすい、子宮下垂感など |
香蘇散 (こうそさん) |
気が塞がる、お腹がはる、風邪をひきやすいなど |
半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) |
のどのつまり感、腹部膨満感など |
芎帰調血飲 (きゅうきちょうけついん) |
気が塞がる、疲れやすい、冷えるなど |
抑肝散 (よくかんさん) |
些細な事にイライラする、眠れないなど |
抑肝散加陳皮半夏 (よくかんさんかちんぴはんげ) |
些細なことにイライラする、胃腸が弱いなど |
上記以外の漢方薬
蒲公英湯 (ほこうえいとう) |
母乳が少ないなど |
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巫神湯 (ふしんとう) |
吐き気、むくみ、めまいなど |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
補中益気湯 (ほちゅうえっきとう) |
気力体力の低下、倦怠感など |
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六君子湯 (りっくんしとう) |
胃もたれ、倦怠感など |
四君子湯 (しくんしとう) |
顔色不良、倦怠感など |
十全大補湯 (じゅうぜんたいほとう) |
倦怠感、貧血など |
人参養栄湯 (にんじんようえいとう) |
倦怠感、不眠など |
人参湯 (にんじんとう) |
胃もたれ、冷えなど |
小建中湯 (しょうけんちゅうとう) |
腹痛、虚弱体質など |
半夏白朮天麻湯 (はんげびゃくじゅつてんまとう) |
消化不良、めまいなど |
帰脾湯 (きひとう) |
もの忘れ、不眠など |
加味帰脾湯 (かみきひとう) |
もの忘れ、不眠、イライラなど |
清暑益気湯 (せいしょえっきとう) |
夏バテなど |
上記以外の漢方薬
香砂六君子湯 (こうしゃりっくんしとう) |
抑うつ、消化不良など |
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柴芍六君子湯 (さいしゃくりっくんしとう) |
イライラ、抑うつ、腹痛など |
補気健中湯 (ほきけんちゅうとう) |
腹部膨満感、抑うつなど |
啓脾湯 (けいひとう) |
消化不良、下痢など |
中建中湯 (ちゅうけんちゅうとう) |
腹痛、虚弱体質、消化不良など |
参苓白朮散 (じんりょうびゃくじゅつさん) |
下痢、倦怠感など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
新型コロナウイルスに感染した後、急性期を乗り越えても元の体調を取り戻すことができず、長引く症状で苦しんでいる患者さんが多いことが大きな問題となっています。症状は倦怠感、頭痛、咳、呼吸困難、関節痛・筋肉痛、不眠、乾燥肌、脱毛、嗅覚・味覚障害など多彩ですが、発症原因がわかっていないため西洋医学での対応は鎮痛薬や抗不安薬、睡眠薬の服用などに限定され、根本的な解決につながらないケースが多いのが現状です。無理をせずに徐々に日常生活に戻ることが早期の回復につながると考えられておりますが、全身のバランスを調整する効果のある漢方薬には回復促進効果が期待されます。
● 使用される漢方薬の例と大まかな使用の目安p>
保険適応のエキス剤がある漢方薬
補中益気湯 (ほちゅうえっきとう) |
疲労感、微熱、食欲不振、味覚低下など |
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十全大補湯 (じゅうぜんたいほとう) |
疲労感、顔色不良、脱毛、皮膚の乾燥など |
人参養栄湯 (にんじんようえいとう) |
疲労感、咳、不眠、皮膚の乾燥など |
香蘇散 (こうそさん) |
頭痛、抑うつ感、食欲不振など |
柴胡桂枝乾姜湯 (さいこけいしかんきょうとう) |
微熱、不眠、寝汗、動悸など |
桂枝加朮附湯 (けいしかじゅつぶとう) |
微熱、手足の痛み、冷えなど |
竹茹温胆湯 (ちくじょうんたんとう) |
咳、痰、微熱、不眠など |
桂枝茯苓丸 (けいしぶくりょうがん) |
血管に沿った痛み、皮下出血、むくみなど |
上記以外の漢方薬
味麦益気湯 (みばくえっきとう) |
疲労感、咳、微熱、食欲不振、動悸など |
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清熱補気湯 (せいねつほきとう) |
疲労感、微熱、味覚低下など |
麗沢通気湯 (れいたくつうきとう) |
嗅覚低下、鼻水、鼻づまりなど |
香砂六君子湯 (こうしゃりっくんしとう) |
食欲不振、吐き気、抑うつ感など |
茯苓沢瀉湯 (ぶくりょうたくしゃとう) |
頭痛、めまい、吐き気、のどの渇きなど |
当帰拈痛湯 (とうきねんつうとう) |
肩こり、手足の痛み、手足の腫れなど |
帰耆建中湯 (きぎけんちゅうとう) |
疲労感、寝汗、腹痛、下痢など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
漢方では精神症状と身体症状を分けず、精神症状は身体症状のひとつとして考えます。これを「心身一如(しんしんいちにょ)」といいます。西洋医学的に“神経症”と病名がついている場合でも、年齢や体質に合わせて全身状態を整えることで、精神的な症状の改善を目指します。西洋薬(特にベンゾジアゼピン系の抗不安薬)と異なり、依存性がないのが特徴です。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
香蘇散 (こうそさん) |
胃腸が弱い、神経が細やかな場合など |
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半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) |
取り越し苦労、用意周到な性格など |
抑肝散 (よくかんさん) |
神経過敏、焦燥感が強い場合など |
釣藤散 (ちょうとうさん) |
中高年の抑うつ神経症、動脈硬化を伴う場合など |
小建中湯 (しょうけんちゅうとう) |
疲労感、過緊張など |
八味丸 (はちみがん) |
胃腸が比較的丈夫な高齢者など |
加味逍遙散 (かみしょうようさん) |
更年期に伴う精神症状など |
半夏瀉心湯 (はんげしゃしんとう) |
胃腸に関連した精神症状など |
上記以外の漢方薬
桂姜草棗黄辛附湯 (けいきょうそうそうおうしんぶとう) |
頭部・腰部・四肢の疼痛、冷え症など |
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奔豚湯 (ほんとんとう) |
発作的におこる動悸など |
竜骨湯 (りゅうこつとう) |
抑うつ状態で悲哀感が強い場合など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
神経痛は、帯状疱疹後の末梢神経の障害や背骨の変形に伴う脊髄神経根の障害、脳出血や脳梗塞後の中枢神経の障害など様々な要因があります。一般に治療は容易ではなく、ストレスや冷え、天候の悪化、血流の障害などに伴い悪化するといった特徴もあり、個々の病態に合わせた対応が必要になります。漢方医学では、気血水などの観点からバランスの乱れを是正し、必要に応じて鍼灸治療も併用しながら症状の改善を目指します。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
抑肝散 (よくかんさん) |
イライラ、不眠など |
---|---|
五積散 (ごしゃくさん) |
腰痛、肥満、むくみ、冷えなど |
疎経活血湯 (そけいかっけつとう) |
腰痛、関節痛、筋肉痛など |
牛車腎気丸 (ごしゃじんきがん) |
腰痛、冷え、だるさ、手足のしびれなど |
桂枝加朮附湯 (けいしかじゅつぶとう) |
胃腸が弱い、虚弱体質、冷えなど |
当帰四逆加呉茱萸生姜湯 (とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう) |
手足の冷え、しもやけ、腹痛、月経障害など |
上記以外の漢方薬
桂姜棗草黄辛附湯 (けいきょうそうそうおうしんぶとう) |
ストレス、風邪をひきやすい、冷えなど |
---|---|
芍甘黄辛附湯 (しゃっかんおうしんぶとう) |
お腹や手足がつれて痛む、冷えなど |
神効湯 (しんこうとう) |
冷えによる腹痛、便秘など |
小続命湯 (しょうぞくめいとう) |
脳血管障害、冷え、手足のしびれなど |
鳥薬順気散 (うやくじゅんきさん) |
ストレス、肩こり、手足のしびれなど |
烏苓通気湯 (うれいつうきとう) |
冷えると痛む、神経症、むくみなど |
上記以外、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
頭痛の原因は、筋肉の緊張を伴う緊張型頭痛、拍動感と吐き気を伴う片頭痛、両者の混合型をはじめ多岐にわたり、肩こりや冷え症、月経不順など様々な要因で悪化します。漢方では、気の巡り、血液の循環、水分バランスなどの乱れを評価した上で治療を行うため、頭痛以外の様々な要因も改善させることが可能です。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
葛根湯 (かっこんとう) |
肩こりなど |
---|---|
五苓散 (ごれいさん) |
めまい、むくみ、下痢など |
半夏白朮天麻湯 (はんげびゃくじゅつてんまとう) |
めまい、むくみ、胃腸虚弱など |
呉茱萸湯 (ごしゅゆとう) |
吐き気、腹痛、手足の冷えなど |
釣藤散 (ちょうとうさん) |
高血圧、めまい、イライラなど |
桂枝茯苓丸 (けいしぶくりょうがん) |
のぼせ、肩こり、月経障害など |
加味逍遙散 (かみしょうようさん) |
神経症、更年期障害、虚弱体質など |
桂枝人参湯 (けいしにんじんとう) |
体の冷え、胃腸虚弱など |
川芎茶調散 (せんきゅうちゃちょうさん) |
鼻づまり、手足の痛みなど |
上記以外の漢方薬
清上蠲痛湯 (せいじょうけんつうとう) |
頭や首の難治性の痛みなど |
---|---|
神効湯 (しんこうとう) |
腹痛、便秘、冷えなど |
折衝飲 (せっしょういん) |
肩こり、月経障害、腹痛、動脈硬化など |
芎帰調血飲第一加減 (きゅうきちょうけついんだいいちかげん) |
月経障害、腹痛、虚弱体質など |
烏苓通気湯 (うれいつうきとう) |
冷えで悪化する難治性の痛みなど |
回首散 (かいしゅさん) |
慢性痛、首が回らない場合など |
治肩背拘急方 (ちけんぱいこうきゅうほう) |
ストレス、首や背中のこりなど |
正気天香湯 (しょうきてんこうとう) |
気分の落ち込み、胃腸虚弱など |
桂枝加葛根湯 (けいしかかっこんとう) |
肩こり、発汗、虚弱体質など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
舌痛症は、舌の表面に乾燥や炎症など明らかな異常は認められないものの、痛みの自覚が遷延する病態で、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。舌痛症に対する現代医学的な治療法は確立されておりませんが、漢方医学では、気血水や五臓など独自の観点から、個々の心身の状態に合わせた治療を行うことで、痛みの緩和が期待できることがあります。舌痛症は中高年女性に比較的多いことから、女性特有のトラブルの是正なども踏まえながら、包括的に症状の改善を目指します。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) |
神経症、不眠、喉の違和感など |
---|---|
加味逍遙散 (かみしょうようさん) |
イライラ、月経障害、更年期障害など |
補中益気湯 (ほちゅうえっきとう) |
疲れやすい、胃腸が弱いなど |
滋陰降火湯 (じいんこうかとう) |
慢性の咳、疲れやすいなど |
抑肝散 (よくかんさん) |
不眠、神経過敏など |
立効散 (りっこうさん) |
歯の痛み、口内炎など |
黄連湯 (おうれんとう) |
頭痛、口内炎、胃もたれ、腹痛、下痢など |
上記以外の漢方薬
甘草瀉心湯 (かんぞうしゃしんとう) |
神経症、吐き気、胃もたれなど |
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清熱補血湯 (せいねつほけつとう) |
口内炎、口腔内の乾燥、疲れやすいなど |
清上蠲痛湯 (せいじょうけんつうとう) |
難治性の慢性頭痛など |
大三五七散 (だいさんごしちさん) |
耳鳴、関節痛、冷え、顔面神経麻痺など |
黄耆桂枝五物湯 (おうぎけいしごもつとう) |
顔や手足のしびれなど |
桂姜棗草黄辛附湯 (けいきょうそうそうおうしんぶとう) |
神経症、関節痛、冷えると悪化する場合など |
上記以外、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
多汗については、汗の出る部位や時間帯、便秘の有無、体が熱いか冷たいか、体力が充実しているかなどで漢方薬を使い分けます。特に虚弱体質に伴う寝汗については西洋医学には良い治療がないので、漢方薬は良い適応となります。また発汗のきっかけとなる緊張しやすさなど、精神的な面にも効果が期待できます。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
防已黄耆湯 (ぼういおうぎとう) |
肥満、膝痛など |
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十全大補湯 (じゅうぜんたいほとう) |
寝汗、疲労倦怠感など |
補中益気湯 (ほちゅうえっきとう) |
寝汗、食欲不振など |
黄耆建中湯 (おうぎけんちゅうとう) |
寝汗、虚弱体質など |
人参養栄湯 (にんじんようえいとう) |
寝汗、不眠など |
上記以外の漢方薬
玉屏風散 (ぎょくへいふうさん) |
かぜをひきやすい体質など |
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茯苓補心湯 (ぶくりょうほしんとう) |
うつ気分など |
白虎湯 (びゃっことう) |
口渇、尿量が多い場合など |
小承気湯 (しょうじょうきとう) |
便秘など |
当帰六黄湯 (とうきりくおうとう) |
寝汗、熱感など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
妊婦さんの50~80%に、吐き気や嘔吐を認めます。この症状が悪化して食事がとれず代謝異常を起こし全身状態が障害された状態を妊娠悪阻と言います。妊娠6週から10週に多く、この時期は胎児の器官形成期でもあるので、西洋医療ではブドウ糖とビタミン剤の補液が治療の中心です。軽い場合は漢方のみで、症状が強い場合は西洋医療の補液と併用でこの時期を少しでも楽に乗り切っていただければと思います。下記の薬は妊娠初期でも服用可能です。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) |
ゲップ、吐き気、気が滅入るなど |
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小半夏加茯苓湯 (しょうはんげかぶくりょうとう) |
吐き気、嘔吐など |
人参湯 (にんじんとう) |
虚弱体質、足や体の冷え、生唾がでるなど |
五苓散 (ごれいさん) |
吐き気、嘔吐、のどが渇きやすい場合など |
上記以外の漢方薬
乾姜人参半夏丸料 (かんきょうにんじんはんげがんりょう) |
長く続く重症のつわりで、冷えて全身が衰弱している場合など |
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旋覆花代赭石湯 (せんぷくかたいしゃせきとう) |
みぞおちの違和感、むねやけ、酸っぱいものがこみ上げる場合など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
糖尿病に対しては様々な現代医薬が開発され、血糖を良好にコントロールすることが可能になってきていますが、三大合併症(網膜症・腎症・神経症)が進んでしまった場合に生じる症状に対しては、漢方が効果を発揮する場合があります。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
八味丸 (はちみがん) |
加齢、冷え、足腰の痛み・しびれなど |
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牛車腎気丸 (ごしゃじんきがん) |
加齢、冷え、足腰の痛み・しびれ・むくみなど |
桂枝加朮附湯 (けいしかじゅつぶとう) |
加齢、冷え、足腰の痛み・しびれ、胃腸虚弱など |
真武湯 (しんぶとう) |
冷え、むくみ、胃腸虚弱など |
清心蓮子飲 (せいしんれんしいん) |
加齢、頻尿、精神不安など |
六味丸 (ろくみがん) |
若年発症の糖尿病など |
白虎加人参湯 (びゃっこかにんじんとう) |
多飲、多汗、暑がりなど |
調胃承気湯 (ちょういじょうきとう) |
多食、便秘など |
七物降下湯 (しちもつこうかとう) |
高血圧、網膜症や腎症の進行がある場合など |
上記以外の漢方薬
麦門冬飲子 (ばくもんどういんし) |
口渴、多尿、皮膚乾燥、やせ、咳など |
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温清飲加釣藤黄耆 (うんせいいんかちょうとうおうぎ) |
高血圧、網膜症や腎症の進行がある場合など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
認知症は、まず正確な原因評価のために西洋医学的な検査が必要ですが、漢方治療は、もの忘れなど中核症状に対する西洋医学的治療の効果を高めたり、食欲低下など副作用を緩和したりするほか、不眠や精神症状などの周辺症状の軽減に役立つことがあります。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
帰脾湯 (きひとう) |
不眠、不安、胃腸虚弱など |
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八味丸 (はちみがん) |
耳鳴り、足腰の痛み、排尿トラブルなど |
人参養栄湯 (にんじんようえいとう) |
不眠、疲労倦怠、気管支炎など |
釣藤散 (ちょうとうさん) |
頭重感、のぼせ、胃もたれなど |
黄連解毒湯 (おうれんげどくとう) |
高血圧、イライラ、暑がりなど |
上記以外の漢方薬
加味温胆湯 (かみうんたんとう) |
不眠、神経症、胃腸虚弱、驚きやすいなど |
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補陽還五湯 (ほようかんごとう) |
脳梗塞、動脈硬化、体力低下など |
八物降下湯 (はちもつこうかとう) |
不眠、肩こり、イライラ、高血圧など |
竜骨湯 (りゅうこつとう) |
気分が塞ぐ、不眠、驚きやすいなど |
折衝飲 (せっしょういん) |
お腹の痛み、動脈硬化、下肢静脈瘤など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
パーキンソン病の治療では、まず正確な西洋医学的評価と治療が必要ですが、漢方治療は、四肢のふるえや固さなどの運動障害を改善したり、不眠や抑うつなどの精神症状を軽減したりするほか、便秘など自律神経障害の緩和に役立つことがあります。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
川芎茶調散 (せんきゅうちゃちょうさん) |
手足の痛み、症状の日内変動など |
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七物降下湯 (しちもつこうかとう) |
高血圧、肌荒れ、立ちくらみなど |
芍薬甘草湯 (しゃくやくかんぞうとう) |
体のこわばり、筋肉のけいれんなど |
半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) |
不安、不眠、お腹が張る、便秘など |
真武湯 (しんぶとう) |
歩行時のふらつき、体の冷え、下痢など |
上記以外の漢方薬
寛中湯 (かんちゅうとう) |
不安、胸が痞える、お腹が張る、便秘など |
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痿症方 (いしょうほう) |
倦怠感、体の動きがおぼつかないなど |
柴芍六君子湯 (さいしゃくりっくんしとう) |
こわばりが強い、胃腸虚弱など |
加味四物湯 (かみしもつとう) |
倦怠感、手足の力がなく動きが悪いなど |
八物降下湯 (はちもつこうかとう) |
不眠、イライラ、肩こり、高血圧など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
アレルギー性鼻炎(花粉症)では、くしゃみ、鼻漏、鼻閉などの典型的な症状に加えて、頭痛、倦怠感、不眠などの随伴症状もあり、QOL(Quality of Life:生活の質)が低下します。現在、多くの種類の抗アレルギー剤がありますが、眠気などの副作用がでる場合もあります。体質や個々の症状に合わせて、眠気のでない治療をご希望される方に漢方をおすすめいたします。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
小青竜湯 (しょうせいりゅうとう) |
水様性鼻汁・痰、咳、くしゃみなど |
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越婢加朮湯 (えっぴかじゅつとう) |
暑がり、むくみ、目のかゆみなど |
葛根湯 (かっこんとう) |
鼻づまり、後鼻漏など |
五苓散 (ごれいさん) |
水様性鼻汁、鼻づまり、水分をよく取り下痢しやすい場合など |
麻黄附子細辛湯 (まおうぶしさいしんとう) |
冷え、倦怠感、水様性鼻汁、のどの痛みなど |
苓甘姜味辛夏仁湯 (りょうかんきょうみしんげにんとう) |
胃腸虚弱、冷え、水様性鼻汁、くしゃみなど |
当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん) |
貧血、冷え、生理不順、水様性鼻汁など |
人参湯 (にんじんとう) |
胃腸虚弱、冷え、下水様性鼻汁など |
上記以外の漢方薬
桂姜棗草黄辛附湯 (けいきょうそうそうおうしんぶとう) |
ストレスによる気分不快、冷え、後鼻漏、鼻閉など |
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麗沢通気湯 (れいたくつうきとう) |
嗅覚異常など |
辛夷散 (しんいさん) |
胃腸虚弱、冷え、鼻づまりなど |
香蘇散加茯苓黄耆 (こうそさんかぶくりょうおうぎ) |
胃腸虚弱、食欲不振、やる気が出ない、水様性鼻汁、くしゃみなど |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
西洋医学では「冷え」は客観的な体温低下を意味し、「冷え性」は冷えに対する過敏な性格と捉え治療法も少ないですが、東洋医学では「冷え症」を冷えが辛いという主観的な自覚症状と認識し、体温計も無い時代から冷え症状を重大な身体バランスの乱れからくる病態と捉え、この状態を放置しておくことで様々な病気が発症する状態(未病)と捉え治療対象としてきました。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん) |
比較的軽度の冷え症でむくみを伴う場合など |
---|---|
桂枝茯苓丸 (けいしぶくりょうがん) |
冷えと共にのぼせや血流うっ滞のある場合など |
加味逍遙散 (かみしょうようさん) 桃核承気湯 (とうかくじょうきとう) |
血流うっ滞に加え便秘など排便異常がある場合など |
五積散 (ごしゃくさん) |
クーラー冷え、のぼせや腰などに痺れや痛みがある場合など |
疎経活血湯 (そけいかっけつとう) |
背中や肩などに凝りがある場合など |
八味丸 (はちみがん) 牛車腎気丸 (ごしゃじんきがん) |
中高年、腰の凝りや腰痛などを伴う下半身型冷え症など |
当帰四逆加呉茱萸生姜湯 (とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう) |
慢性的に手足の末端が冷える場合など |
温経湯 (うんけいとう) |
発汗過多やほてりに加え腹部内の冷えを伴う内臓型冷え症など |
四逆散 (しぎゃくさん) |
緊張症で精神性発汗が原因の四肢末端型冷え症など |
上記以外の漢方薬
四逆湯 (しぎゃくとう) |
手足の冷えが強い内臓型冷え症や全身型冷え症など |
---|
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
肥満症のうち、内臓の周りに脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満は高血圧や脂質異常、糖尿病を伴ってメタボリック症候群となりやすく、将来的に脳卒中や心筋梗塞発症のリスクとなります。漢方薬は全身の代謝や自律神経のバランスを改善し、肥満症改善の手助けをします。ただし漢方薬を飲むだけで痩せることは困難であり、食事療法や運動療法を組み合わせて初めてその効果を発揮するということを認識していただくことが重要です。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
防風通聖散 (ぼうふうつうしょうさん) |
へそを中心とした太鼓腹、便秘など |
---|---|
防已黄耆湯 (ぼういおうぎとう) |
色白、水太り、多汗、疲れやすい、むくみなど |
大柴胡湯 (だいさいことう) |
上腹部を中心とした太鼓腹、ストレス、うつなど |
桃核承気湯 (とうかくじょうきとう) |
のぼせ、月経異常、便秘など |
五積散 (ごしゃくさん) |
上半身の熱と下半身の冷え、下腹部の痛み、むくみなど |
上記以外の漢方薬
小承気湯 (しょうじょうきとう) |
へそを中心とした太鼓腹、便秘、精神不安定など |
---|---|
九味半夏湯 (くみはんげとう) |
冷え、水分をため込むタイプの肥満など |
甲字湯 (こうじとう) |
下腹部痛、月経不順など |
竜骨湯 (りゅうこつとう) |
胃腸虚弱、うつなど |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
疲労が強く、休養や睡眠を充分とっても倦怠感が残り、気力もなくなるような場合は病気の影響が考えられます。検査を受けて異常が見当たらない場合でも、漢方医学では「気虚」という状態と関連が深いと判断します。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
補中益気湯 (ほちゅうえっきとう) |
胃腸の働きが弱く、手足の倦怠感が強いもの |
---|---|
十全大補湯 (じゅうぜんたいほとう) |
食欲がなく、貧血傾向があるもの |
人参養栄湯 (にんじんようえいとう) |
倦怠感とともに呼吸器症状のあるもの |
帰脾湯 (きひとう) |
貧血気味で精神不安や不眠などがあるもの |
小建中湯 (しょうけんちゅうとう) |
胃腸が弱く疲れやすいもの、小児にも適応あり |
上記以外の漢方薬
茯苓四逆湯 (ぶくりょうしぎゃくとう) |
虚弱傾向で冷えが強いもの |
---|---|
四逆加人参湯 (しぎゃくかにんじんとう) |
冷えが強く貧血傾向のもの |
帰耆建中湯 (きぎけんちゅうとう) |
倦怠感が強く炎症が長引くもの |
千金内托散 (せんきんないたくさん) |
傷や潰瘍の回復が進まないもの |
味麦益気湯 (みばくえっきとう) |
疲労感と呼吸器症状が改善しないもの |
上記以外、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
貧血とは血液中に存在する赤血球の数やヘモグロビン(酸素を運ぶ赤血球中のタンパク質)の濃度が低下する病気の総称です。貧血には種々の原因があり、まずは西洋医学的な基礎疾患がないかを、かかりつけ医などで精査して頂きます。たとえば貧血の原因を調べているうちに大腸がんが発見されたというような場合があるので、注意が必要です。慢性的な貧血状態で、全身倦怠感、動悸、息切れ、頭痛、立ちくらみなどの症状を伴う場合は漢方が役立ちます。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
四物湯 (しもつとう) |
皮膚の乾燥、毛が抜けやすい、月経の量が少ないなど |
---|---|
十全大補湯 (じゅうぜんたいほとう) |
倦怠感、体重減少、胃腸機能の低下など |
人参養栄湯 (にんじんようえいとう) |
倦怠感、体重減少、咳、不眠など |
当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん) |
頭痛、むくみ、冷えなど |
芎帰調血飲 (きゅうきちょうけついん) |
産後の不調、精神不安定など |
芎帰膠艾湯 (きゅうききょうがいとう) |
出血、月経時の出血量が多い場合など |
帰脾湯 (きひとう) |
心配性、不眠、胃腸虚弱など |
上記以外の漢方薬
甘草乾姜湯 (かんぞうかんきょうとう) |
冷え、口の中の乾燥、頻尿など |
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四逆加人参湯 (しぎゃくかにんじんとう) |
冷え、倦怠感、下痢など |
連珠飲 (れんじゅいん) |
動悸、耳鳴り、めまい、むくみなど |
上記以外、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
お子さんを欲しいと思っている夫婦の1割に不妊症の方がいるといわれています。不妊治療の進歩は目覚ましいのですが、残念ながらすべての方に赤ちゃんが授かるわけではありません。漢方薬がお役にたつ場合もあります。漢方治療を試してみようと思いましたら、気楽にご相談ください。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん) |
冷え、むくみなど |
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温経湯 (うんけいとう) |
腹部に冷えを感じる場合など |
桂枝茯苓丸 (けいしぶくりょうがん) |
過多月経など |
芎帰調血飲 (きゅうきちょうけついん) |
不妊治療に疲れた場合など |
八味丸 (はちみがん) |
胃腸が丈夫、冷えなど |
六味丸 (ろくみがん) |
胃腸が丈夫、足腰のだるさ、腰痛など |
半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) |
のどのつまり感、神経過敏など |
上記以外の漢方薬
四逆湯 (しぎゃくとう) |
強い冷えなど |
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胃風湯 (いふうとう) |
冷え、むくみ、胃腸虚弱など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
漢方薬には、いわゆる“睡眠導入剤”はありません。他の症状や体質などから、血行動態、自律神経バランス、胃腸の調子など全身を整えることで、自然に眠りが得られるよう薬を調整します。現代医薬(特にベンゾジアゼピン系の睡眠薬)と違い、依存性がないのが特徴です。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
酸棗仁湯 (さんそうにんとう) |
疲労困憊して眠れない場合など |
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抑肝散 (よくかんさん) |
イライラして眠れない場合など |
当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん) |
足が冷えて眠れない場合など |
三物黄芩湯 (さんもつおうごんとう) |
足がほてって眠れない場合など |
桃核承気湯 (とうかくじょうきとう) |
便秘や興奮が強い場合など |
半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) |
不眠に対する不安の強い場合など |
四逆散 (しぎゃくさん) |
反応性の抑うつにより眠れない場合など |
人参湯 (にんじんとう) |
みぞおちのつかえ、腹鳴、下痢など |
上記以外の漢方薬
竜骨湯 (りゅうこつとう) |
うつ状態で悲哀感がある場合など |
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温胆湯 (うんたんとう) |
虚弱体質、夢を多く見る、少しの物音で驚く場合など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
本態性振戦は、頭や腕を中心とした小刻みな震えを特徴とし、書字や食事など日常生活動作に伴って悪化することが知られています。緊張などで生じる生理的振戦やドーパミン神経系が障害されるパーキンソン病とは異なり、詳しい原因は不明なことから本態性と呼ばれます。現代医学的には興奮や緊張を緩める薬物が治療に用いられますが、高齢者に多いこともあって、副作用が問題になることが少なくありません。漢方治療では副作用を抑えつつ、種々のふるえ症状を軽減できることがあります。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
抑肝散 (よくかんさん) |
不眠、イライラ、痙攣など |
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釣藤散 (ちょうとうさん) |
頭重感、のぼせ、胃もたれなど |
半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) |
不安、不眠、お腹が張るなど |
四逆散 (しぎゃくさん) |
過緊張、腹痛、冷えなど |
半夏白朮天麻湯 (はんげびゃくじゅつてんまとう) |
頭重感、めまい、胃腸虚弱など |
上記以外の漢方薬
天麻鈎藤飲 (てんまこうとういん) |
めまい、イライラ、高血圧など |
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八物降下湯 (はちもつこうかとう) |
不眠、肩こり、イライラ、高血圧など |
順気剤 (じゅんきざい) |
不安、動悸、胃腸虚弱など |
柴胡疎肝湯 (さいこそかんとう) |
頭痛、肩こり、腹痛、腹満感など |
蘇子降気湯 (そしこうきとう) |
めまい、耳鳴り、胃腸虚弱など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
腸を積極的に動かす便秘薬としては、長らく用いられてきた漢方薬は新薬に比べて安全と考えられます。生薬の組み合わせにより腹痛などの副作用が起こりにくく、他の全身症状に効くのも漢方薬の利点です。下痢については、急性腸炎では炎症を抑え、慢性下痢では体を温め消化を良くするというように病態により漢方薬を使い分けます。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
防風通聖散 (ぼうふうつうしょうさん) |
便秘、肥満など |
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三黄瀉心湯 (さんおうしゃしんとう) |
便秘、いらいら、不眠など |
麻子仁丸 (ましにんがん) |
便秘、痔核など |
潤腸湯 (じゅんちょうとう) |
便が乾燥して硬い場合など |
真武湯 (しんぶとう) |
慢性下痢、冷え症、めまいなど |
桂枝人参湯 (けいしにんじんとう) |
下痢、胃腸炎、頭痛など |
半夏瀉心湯 (はんげしゃしんとう) |
下痢、胃炎、胸やけなど |
啓脾湯 (けいひとう) |
慢性下痢、消化不良など |
上記以外の漢方薬
小承気湯 (しょうじょうきとう) |
便秘、うつ気分など |
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胃風湯 (いふうとう) |
慢性下痢、腹痛など |
参苓白朮散 (じんりょうびゃくじゅつさん) |
慢性下痢、倦怠感など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
西洋医学の内服治療では抗生剤が使われることが多いですが、冷え症や胃腸虚弱のある方には抗生剤が合わず効果が不十分となる場合があります。漢方薬で体を温めたり、消化機能を高めたりすることで、免疫機能が改善して副鼻腔炎の症状が軽快することがよくあります。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
辛夷清肺湯 (しんいせいはいとう) |
鼻の熱感、疼痛、鼻閉など |
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葛根湯加川芎辛夷 (かっこんとうかせんきゅうしんい) |
胃腸が丈夫、若年者向き、鼻閉、後頚部のこりなど |
参蘇飲 (じんそいん) |
胃腸が弱く下痢傾向、抑うつ傾向があるなど |
大柴胡湯 (だいさいことう) |
筋肉質の堅太り、汗をよくかく、便秘など |
防風通聖散 (ぼうふうつうしょうさん) |
太鼓腹、便秘など |
上記以外の漢方薬
千金内托散 (せんきんないたくさん) |
胃腸虚弱、皮膚乾燥など |
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桂姜棗草黄辛附湯 (けいきょうそうそうおうしんぶとう) |
痩せ型、冷え症、抑うつ傾向など |
辛夷散 (しんいさん) |
冷え症、鼻づまりに痛みを伴うなど |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
むくみには心臓、肝臓、腎臓などの内臓疾患に起因するもの、リンパや血液の流れの異常に起因するものなど、原因がはっきりしているものがあり、このような場合はまず西洋医学的な治療を考慮すべきです。他方、複合的な原因が関与していたり、原因が不明であったりすることも多く、このような場合は漢方治療が役立つことが多いと考えられます。なお、甘草という生薬を含む漢方薬を服用した場合、むくみなどの副作用が生じることがあるので注意が必要です。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
防已黄耆湯 (ぼういおうぎとう) |
色白、水太り、多汗、疲れやすい場合など |
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五苓散 (ごれいさん) |
暑がり、多汗、尿量が少ない、のどが渇く場合など |
桂枝茯苓丸 (けいしぶくりょうがん) |
頭痛、肩こり、のぼせ、月経痛、足の冷えなど |
木防已湯 (もくぼういとう) |
みずおちがつかえる、尿量が少ない場合など |
当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん) |
細身で青白い顔貌、冷え、月経痛など |
真武湯 (しんぶとう) |
冷え、下痢、めまいなど |
上記以外の漢方薬
分消湯 (ぶんしょうとう) |
みずおちがつかえる、パンパンに張ったむくみなど |
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当帰粘痛湯 (とうきねんつうとう) |
関節の腫れや痛みを伴うむくみなど |
防已茯苓湯 (ぼういぶくりょうとう) |
筋肉のぴくぴくした動きを伴うむくみなど |
九味檳榔湯 (くみびんろうとう) |
冷え、ふくらはぎの緊張、下肢の疲れなど |
壮原湯 (そうげんとう) |
冷え、尿量が少ない場合など |
補気健中湯 (ほきけんちゅうとう) |
元気が出ない、ブヨブヨしたむくみなど |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
むずむず脚は、下肢の深部に表現しがたい不快感を生じる疾患で、安静で症状が悪化し、動かすことで軽減するという特徴があります。病態は解明されていないものの、ドパミン神経系や鉄代謝の異常の関与などが示唆されています。女性や高齢者に多く、睡眠が妨げられることで心身に不調を生じやすいことが知られており、包括的な対応が求められます。体質を踏まえた漢方治療により、関連する症状の改善を目指します。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
抑肝散 (よくかんさん) |
不眠、イライラ、症状の日内変動など |
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芍薬甘草湯 (しゃくやくかんぞうとう) |
筋肉のけいれん、痛みなど |
疎経活血湯 (そけいかっけつとう) |
腰痛、坐骨神経痛など |
牛車腎気丸 (ごしゃじんきがん) |
耳鳴り、足腰の痛み、下肢の浮腫など |
温清飲 (うんせいいん) |
体のほてり、肌の乾燥、痒みなど |
上記以外の漢方薬
九味檳榔湯 (くみびんろうとう) |
動悸、息切れ、足の痛み、浮腫など |
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独活寄生湯 (どっかつきせいとう) |
足腰の痛み、冷えによる悪化など |
補陰湯 (ほいんとう) |
手足のほてり、腰痛、倦怠感など |
八物降下湯 (はちもつこうかとう) |
不眠、高血圧、イライラ、耳鳴りなど |
鳥薬順気散 (うやくじゅんきさん) |
ストレス、肩こり、手足の痛みなど |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。
めまいの漢方治療では、年齢や個々の背景を考慮して多くの処方が使用されます。西洋薬で一定の効果が得られる場合もありますが、胃のもたれなどの副作用が生じる場合や治療をしていてもめまいを反復する場合に漢方をおすすめいたします。ストレスや疲労など精神的な要因も含めた治療が必要な場合も多く、漢方の有用性が高い領域でもあります。
保険適応のエキス剤がある漢方薬
五苓散 (ごれいさん) |
口渇、むくみ、頭痛、下痢など |
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苓桂朮甘湯 (りょうけいじゅつかんとう) |
のぼせ、動悸など |
半夏白朮天麻湯 (はんげびゃくじゅつてんまとう) |
胃腸虚弱、冷え、倦怠感など |
小柴胡湯 (しょうさいことう) |
ストレス・うつによる食欲不振や倦怠感など |
半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう) |
不安感、のどの違和感など |
釣藤散 (ちょうとうさん) |
頭痛、胃もたれ、イライラ、高血圧など |
八味丸 (はちみがん) |
冷え、腰痛、頻尿など |
真武湯 (しんぶとう) |
胃腸虚弱、冷え、下痢、むくみなど |
上記以外の漢方薬
沢瀉湯 (たくしゃとう) |
強い回転性めまい、頭重感など |
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茯苓沢瀉湯 (ぶくりょうたくしゃとう) |
胃腸虚弱、口渇、動悸など |
巫神湯 (ふしんとう) |
のぼせ、月経不順、むくみなど |
滋腎通耳湯 (じじんつうじとう) |
難聴、ストレスによる増悪を伴う場合など |
その他、病態に応じて様々な漢方薬が処方されます。