北里大学東洋医学総合研究所

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漢方鍼灸治療センター

漢方鍼灸Q&A

近年、東洋医学に対する関心は国の内外を問わず、とみに高まっています。ひとくちに漢方鍼灸治療といっても、診療施設によって随分内容が異なるのが現状です。
そこで、北里大学東洋医学総合研究所 漢方鍼灸治療センターの診療の特徴と、外来や事務窓口で患者様からお受けするお問い合わせについて、Q&A形式でまとめてみました。

漢方鍼灸治療センターについて

北里大学東洋医学総合研究所 漢方鍼灸治療センターの漢方診療・鍼灸治療の特徴はどこにありますか。
当センターの「漢方診療」の特徴から説明します。まず、第一点は高品質な生薬(しょうやく)を用いていることです。漢方薬は素材が良いとより効果が期待できます。当センターでは品質管理に精通した薬剤師が責任を持って選別・保管しており、質の高い生薬を豊富に揃えている点では 他施設の追随を許さないものと自負しています。
第二点は医師の漢方診療技術を高く保つよう努力していることです。薬が良くても使い方が適切でなければ望ましい効果は発揮されません。当センターの医師は現代医学のトレーニングを充分積んだ後に、漢方医学の研鑚を重ね診療にあたっております。
このことは例えば診療担当者の多くが日本東洋医学会専門医制度の指導医資格を有することにもよく表れています。
漢方診療の本質は身体に負担をかけずに生体が本来もっている「内なる治癒力」を上手に引き出すことにあります。自由診療であることで、より柔軟で幅の広い漢方診療が可能となっています。
次に「鍼灸治療」の特徴は、鍼灸古典に基づく治療(北里方式経絡治療)を基本としていることです。身体全体のバランスを整える本治法と愁訴に従って行う標治法から成り立っています。診察では、漢方と同じように四診を用い、特に鍼灸では脈診と切経(経絡を探って異常をみつける診断 法の一種)を重要視しています。脈診により体質や病状を診て、それに応じた本治法を行い、同時に標治法で苦痛を取り除くよう治療を行います。
当センターは世界保健機関(WHO)の伝統医学協力センターの指定を日本で初めて受け、以来、世界に日本の漢方医学の素晴らしさを発信し続けております。伝統を守りつつも、基礎・臨床などの研究に基づく最先端の漢方診療・鍼灸治療を行っています。
なぜ自由診療なのですか。
当センターでは漢方薬がより良い治療効果を発揮できるように、患者様ひとりひとりの身体の状態に合わせて、適切な生薬を組み合わせて使用しています。
ところが、保険診療では生薬の品目数が制限されており、購入金額も決められているために、高品質な生薬の使用が実質的には不可能に近い現状があります。
最良の治療効果を上げるために、各種の制約から解き放たれた自由診療という診療形態を選択せざるを得ないのです。また、日本では先進医療やベッド差額料などを除き、混合診療(保険診療と保険外診療を併用する診療)が認められていないため、当センターでは鍼灸治療も保険外となっています。
それぞれの医師に専門分野はあるのですか。
当センターで診療を担当している医師は内科、外科、産婦人科、小児科など、それぞれが専門医の資格を有しています。当センターの漢方科には、幅広く身体をとらえる漢方診療に加え、西洋医学の専門知識を生かした専門外来がございます。
しかし、漢方医学では西洋医学の診断名で治療が決まるわけではありません。特定の部位だけではなく常に身体全体のバランスを整えることを考えるので、専門性にこだわらず、どの医師に受診されてもきちんとした見立てと漢方薬の処方が受けられます。
入院して漢方薬や鍼灸治療を受けることは可能ですか。
当センターは診療所であり、入院設備を有しておりません。しかし、患者様の病状によっては入院が必要と判断される場合もあります。そのような場合には、隣接する北里研究所病院へ紹介いたします。
北里研究所病院に入院中の場合は、北里研究所病院の主治医の許可のもと、漢方・鍼灸の診療を受けることができます。
検査は受けられますか。
当センターでは、一般的な血液検査のほか、心電図や腹部超音波検査などの検査を受けることができます。また、自律神経バランスや動脈硬化度を調べる検査、深部体温などの冷え症検査、ストレス度検査など漢方薬の効果と関わりの深い検査も行っております。
これらの中には、他の病院では行っていない当センター独自のものも含まれます。詳しくは担当医師にご相談下さい。なお、レントゲン、内視鏡などについては、隣接する北里研究所病院で受けていただくことが可能です。
初診の患者様につきましては、漢方薬の適正使用確認のため、漢方薬服用前の肝機能、腎機能、貧血などの最低限の検査を実施しております。
ただし、他の医療機関での至近の検査結果がある場合には、そのデータをご持参下さい。診療の参考とさせていただきます。
「漢方ドック」とはどのようなものですか。
漢方ドックでは、脈診・舌診・腹診などの漢方特有の診察方法から「未病」の状態かどうかを「虚実」「寒熱」「気血水」という漢方の概念をものさしとして総合的に診断します。一般的な現代医学的検査では異常がなく、原因がわからないといったような方にもご利用いただいております。
未病とは、まだ病気になっていないが、放っておくと病気になる可能性のある状態のことをいいます。漢方ドックによって未病の状態かどうかを診断することで、生活習慣を見直したり、診断の結果によっては漢方診療、鍼灸治療により、病気を予防することを目的としています。

漢方診療について

漢方診療で「おなか」を丁寧にみるのはなぜですか。
漢方では患者様の症状に対して漢方医学的な視点から診療を進めていきます。特に舌や脈やお腹を丁寧に診察します。これらの診察は、漢方では舌診、脈診、腹診といって、患者様に最も適した漢方薬の処方を決める上で重要な情報を得るために行います。病気の種類や症状にかかわらず、舌やお腹を診るのはそのためです。漢方では体質や心理状態や体のバランスの崩れがこれらに反映されると考えます。特に日本ではお腹の筋肉の緊張状態や圧痛などによって、適切な薬を選ぶ「腹診」という技術が江戸時代以降体系化され、今日まで受け継がれています。そのため、患者様ご本人の来院を促す理由はこのようなところにもあります。
煎じ薬とエキス剤(粉薬)は効果が違うのですか。
煎じ薬は生薬の分量や種類を患者様の症状に合わせて、いろいろと変更することができますが、エキス剤は決まった処方しか準備できないため、患者様の症状に合わせた細かい対応ができません。自由度の高い「匙(さじ)加減」ができるのが、煎じ薬の大きな特徴です。
ここでは煎じ薬をドリップコーヒーに、エキス剤をインスタントコーヒーに喩えるとわりやすいかも知れません。
こだわりの豆を自身の目と鼻で選び、煎って挽き、馥郁(ふくいく)たる香りを辺りに漂わせるドリップコーヒーにくらべ、湯を注ぐだけのイン スタントコーヒーは簡便さでは勝るものの、満足度ではかなり見劣りしてしまいます。最近のインスタントコーヒーの品質が向上したといっても、そもそもどんな品質の豆をどのようにブレンドしたか、我々には知る術がありません。
これを漢方に置き換えると、薬剤師は目利きの選品者、医師は熟達したブレンダーということになります。また、コーヒーを入れる、すなわち、漢方薬を煎じるという行為を通して、患者様は服用前にもかかわらず、すでに治療に参加していることになります。当センターが煎じ薬にこだわる理由がお分かりいただけたことと思います。
煎じ薬とエキス剤では有効成分の抽出量でも大きな差があります。薬剤部では使用頻度の高い漢方薬として黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を選び、1日分のエキス量を比べてみました。当センターでお渡ししている煎じ薬のエキス量は3.4gでしたが、一般に用いられているエキス剤7.5g中に含まれているエキス量は1.5gでした(残りは乳糖などです)。黄連解毒湯の煎じ薬と一般に用いられているエキス剤とのエキス量には2倍以上の開きがあることになります。エキス抽出量ひとつを取っても煎じ薬が優っているのです。
また煎じ薬であれば何でもよいわけではなく、それをささえるのは目利きの薬剤師の選んだ高品質の生薬という背景があってのことです。
「毎日煎じることが難しい」、「仕事が忙しくて煎じる時間がない」、「旅行先でも服用したいが煎じられない」など様々な理由で煎じることが難しい場合はどのようにしたら良いですか。
原則的に煎じ薬の治療をお勧めしていますが、さまざまな理由から煎じることが困難な場合は、エキス剤をお出しすることができます。また、当薬剤部では患者様の代わりに漢方薬を煎じてレトルトパックに詰める「煎じ代行」(別料金)も行っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
漢方薬をどのくらい飲めば効果がわかりますか。
症状や発症の時期によって効果が表れる期間には個人差があります。したがって、一律に「このくらい」と明言できるものではありません。
急性の病気、たとえば風邪の初期症状なら、わずか一服で効果が表れることもあります。逆に慢性の難治性疾患はすぐには変化が表れないことが多いのも事実です。これは漢方に限らず現代医学にも当てはまることです。ただ漢方診療を受けに来られる方の中には慢性の疾患が多いため治療にも時間を要することが多くなる傾向はあります。
漢方では「早く効く薬」、「強い効果のある薬」が必ずしも「よい薬」とは考えません。効果の目安をどこに置くかにもよりますが、自覚症状の軽減ということであれば、四週間を一応の判定の目安にされるとよいでしょう。
ほかの病院の薬と漢方薬の併用は構いませんか。
他院で薬が処方されている際は、併用を継続しなければならない場合と、中止してもよい場合とがあります。薬理学的に漢方薬と西洋薬が相互に影響を及ぼしあうこともあるからです。しかし、実際にはいくつかの例外を除けば、併用は差支えがない場合が多いといえます。併用に当って注意を要する場合には服用の方法を具体的にご説明いたします。飲んでいる薬の名前がご不明な時は実物をご持参下さい。
他院で処方されている漢方薬や、ふだん使用している民間薬や健康食品との併用についても、成分の重複、相互作用の恐れがある場合がありますので、まずは当センター医師または薬剤師までご相談下さい。
漢方薬は毎日決められた時間に飲まなければ効きませんか。
漢方薬の服用時間は、一般に食事と食事の間または空腹時がよいとされています。
その理由は漢方薬の吸収がよいことと、食事内容との相互作用を防ぐためです。しかしながら、服用時間にあまり厳格になる必要はありません。定時に飲めない場合は1日分を随時随回に飲む、ということでも結構です。また、空腹時に飲むと胃がもたれる方には、食後の服用をお勧めしております。
「漢方薬にも副作用がある」と新聞に書いてありましたが、大丈夫ですか。
漢方診療は疾患自体の根治もさることながら、自覚症状の軽減や日常生活の質の向上をめざしています。したがって、漢方薬の服用によって逆に不都合が生じるようなことは本来あってはならないことです。そのため、われわれ漢方診療者側は細心の注意を払って治療に臨んでいます。しかし、予想が不可能な薬剤アレルギーがごく稀ですが出現することは事実です。漢方に限らず、薬剤全般、食品などに敏感な方は特に注意が必要です。
また、漢方薬の服用によって一時的に予期せぬ症状が出ても、そのまま服用の継続をお勧めする場合があります。漢方薬が奏効する前に一時的な悪化を認める場合があるからです。これを好転反応あるいは瞑眩(めんげん)といいますが、その判断をご自身でなさることは避けて下さい。
万一、当センターでお出しした漢方薬の服用により不都合な症状が現われるようであれば、早めに医師や薬剤師にご相談下さい。適切に対応させていただきます。連絡先は薬袋に記載されています。
漢方薬が農薬に汚染されている心配はありませんか。
当薬剤部では、残留農薬試験を行って安全性が確認された生薬のみを使用しています。ロット管理も厳格に行っており、原産地・生産者・収穫年等を追跡できる万全の体制を敷いて品質管理を行っています。
漢方薬を飲む上で、何か生活上、気をつけた方がよいことはありますか。
患者様の疾病のなかには、いくつかの日常生活上の問題を解決することによって、漢方診療の効果をさらに引き上げることが可能となるものもあります。日常生活の不摂生や過労がいろいろな病気の原因や、症状悪化の引き金になっている場合も多いからです。患者様ご自身が気づいていない、あるいは気づいていても対策が講じられていない生活上の問題点を明確にし、その是正に向けて、当センターでは、適切なアドバイスをいたします。
漢方診療を続ける上で留意することを教えて下さい。
漢方では患者様の自覚症状を非常に重視します。そのため、どんな些細な症状でも、お困りのことがあれば、ありのままにお話し下さい。
また、漢方では経過観察を大変重視します。症状の変化に応じて薬を変えていくのが、漢方診療の本来の姿です。もちろん症状によっては同じ薬をかなり長期的に服用することで効果が得られることもあります。
同じ薬でよいか、薬を変えるべきかの判断は診察しないとできませんので、定期的な受診をお勧めしています。
当センターを受診される患者様の中には慢性疾患のために長期的な治療を余儀なくされている方も多くいらっしゃいます。このような方の場合には、時々刻々変化する症状に一喜一憂するのではなく、長期的視野で疾病に対峙する姿勢も時に必要となります。長期療養を強いられている患者様 のよりよい精神的ケア・サポートの一端を担うべく、スタッフ間で日々話し合いの場を持ち、議論を尽くしております。漢方では食養生も重視します。食生活を含めた生活環境が病気の回復に重要であることは言うまでもありません。しかし、何を食べたらよいかは一概には決められません。一般的にはバランスのとれた食事を適量に、あるいは体調に応じて加減して、楽しくいただくことが大切です。玄米食や自然食品にこだわる方もいらっしゃいますが、治療食として一律にはお勧めしておりません。
赤ちゃんや幼い子どもでも漢方薬は飲めますか。
体質改善は年齢が低いほど容易であると言われています。しかし、漢方薬には独特の匂いと味があって、幼いお子さんでは飲めないこともあります。当センターでは乳児の場合には漢方薬をお母さんに飲んでもらい、母乳を通して漢方薬を赤ちゃんに与える「経母乳投与」という治療法も 取り入れております。
特に、離乳してから3、4歳くらいまでが飲ませるのに非常に苦労する時期です。しかし、最初に飲みやすい漢方薬を使用したり、少しずつの量から始めて徐々に量をふやしたりしていくことで、大抵の場合飲むことができるようになります。

煎じ薬・エキス剤について

お薬を煎じる際の水の量と時間を教えて下さい。
通常、水600mlを使って約40~50分で約300mlまで煎じます。長く煎じますと成分が分解し、短いと十分に抽出されない場合があるので、煎じ上がりの量ではなく時間を守って下さい。
出来上がりの量が300mlの場合は250~350mlの範囲内であれば構いません。計量カップやタイマーを用いると便利です。処方の内容により、水量・時間は異なることがあります。
浄化水やイオン水を使ってもよいですか。
硬質のミネラルウォーター(硬水)やイオン水は、お薬に含まれる成分の抽出を妨げる可能性があるため、なるべくご使用は避けて下さい。浄化水(浄水器を通した水)やミネラル成分が水道水に近いミネラルウォーター(軟水)の使用は構いません。なるべく毎回同じ種類のお水を使用して煎じて下さい。
お薬をティーバックのように袋に入れて煎じてもよいですか。
小さい袋を使用した場合、水の対流が悪く成分が充分に抽出されません。袋を使用される場合は、充分に容量のある(薬の容量の三倍以上)袋で、水の通りのよいものをお使い下さい。
沈殿したお薬は飲んだ方がよいですか。
漢方薬の原料として用いられる生薬の中には粉末状のものがあります。これらはカスを濾した後でも時間が経つにつれ沈殿物として残ることがありますが、成分は上澄み液の方に十分に抽出されていますので、特に飲む必要はありません。また、仮に飲んでも害にはなりません。
煎じたお薬をポットに入れておいてもよいですか。
ポットで保温する場合、半日くらいでしたら差し支えありませんが、あまり長時間おきますと、かえって腐りやすい状態になりますのでご注意下さい。
固まってしまったエキス剤は飲んではいけませんか。
湿気を吸って少し色が変わっても、サラサラした状態であれば服用しても差し支えありませんが、固まったり溶け始めたりしているものは服用できません。
同じ薬を出してもらったのに前回と味や香りが違うように感じるのはどうしてですか。
生薬も野菜や果物と同様に天然物なので、採取した年・時期・産地や乾燥などの調整方法などにより、多少味・香り・色・形が異なることがありますので、ご承知おき下さい。また、体調の変化により、味や香りの感じ方が変わることもあります。ふだんと大きく異なる場合には薬剤師にお問い合わせ下さい。
漢方薬の中にカビに見えるものがありますが、大丈夫ですか。
生薬の中には糸を引いたり、カビに見えたりするものがあります。これは品質の良い証であり、カビではありません。ただし、温かい所に長時間放置または、保存状態が悪い場合、虫やカビが生薬につくことがありますのでご注意下さい。心配な場合には薬剤師にご相談下さい。

鍼灸治療について

鍼灸治療でいくらかお金が戻ってくる制度があると聞いたのですが。
「五十肩」「リウマチ」「神経痛」「頚肩腕(けいけんわん)症候群」「頸椎捻挫後遺症」「腰痛症」の診断を受けた方が対象です。申請には保険診療機関での同意書が必要となります。ご自身での申請手続きの必要がありますので、詳しくは加入健康保険組合や区役所等に直接おたずねください。
鍼治療は痛いのですか。
当センターで使用している鍼は、太さが0.14mm~0.2mm、長さが約6cmで、鍼先が非常に細いステンレス製の日本鍼です。
刺入時は、鍼がスムーズに入るように鍼管と呼ばれる管を使い痛みを少なくするよう心掛けております。刺入により鈍い痛みや違和感、重い感覚などが生じる場合もあります。これらの感覚は鍼がツボに入った時に生じる「響き」であり治療効果の現れでもあります。通常は時間とともに軽減するため心配はありません。しかし、鋭い痛みや電気の走るような不快な感覚が生じることもあります。これらの痛みは鍼先が皮下の痛点や末梢神経に触れたときにおこるものです。治療中に不快な感覚が生じた場合は近くのスタッフまでお申し出ください。
灸を行うこともありますか。
当センターでは鍼を主体とする治療を行い、必要に応じて灸を併用します。原則として、跡の残らない灸の方法を用いていますが、不安のある方、また火傷し易い方は診療担当者にご相談下さい。
鍼の消毒について教えて下さい。
当センターでは完全滅菌済み(エチレンオキサイドガス処理)の使い捨ての鍼を用いております。また必要に応じて高圧蒸気滅菌装置(オートクレーブ)で手術器材同様の滅菌処理を行った鍼を使用しています。
鍼灸の治療はどのような症状や病気に有効ですか。
歴史的には鍼灸治療は内科疾患を始めとして多くの疾患治療に用いられていました。現在、日本では「腰痛」、「頸肩腕(けいけんわん)症候群」、「膝(ひざ)関節痛」などの運動器疾患や慢性疼痛(とうつう)の治療のため鍼灸治療を受ける人が多いのが現状です。現在、鍼灸治療は世界的な広がりを見せ、医学の各分野で基礎・臨床研究が進んでいます。世界保健機関(WHO)は鍼治療の適応として「運動器疾患」や「慢性疼痛」、「尿失禁」、「メニエール症候群」、「便秘」など49の疾患・症状をあげています。
日本の鍼灸教育機関の教科書には、「頭痛」「顔面痛」、「顔面麻痺(まひ)」「鼻閉」「鼻汁」「めまい」「脱毛」「便秘と下痢」「食欲不振」「肩こり」「眼精疲労」「生理痛」「疲労と倦怠」「インポテンツ」「冷えとのぼせ」「排尿障害」など、日常遭遇する主要な35症状の鍼灸治療法が取り上げられています。
現代医薬との併用はどうしたらいいのですか。
鍼灸は現代医薬の効果に拮抗したり、悪影響を及ぼしたりすることはほとんどありませんが、不安な場合は診療担当者にご相談下さい。
生理中に、鍼灸治療を受けても大丈夫ですか。
生理中も問題なく治療を受けることができます。もし体調に不安があって診療の是非についてご不明の点などがございましたら遠慮なく診療担当者にご相談下さい。
治療した後、運動をしてもよいですか。
治療当日は、なるべく控えた方がよいでしょう。治療後は血行がよくなるため、さらに運動を行うと疲労感が増すことがあります。また、治療後に痛みなどが軽減したために、ふだんより体を動かし過ぎて後でかえって痛みが増加してしまうなど、本来の治療効果を得られない場合も出てくるからです。
治療した日は、お風呂に入ってもいいですか。
一般的にはお風呂に入って体を温めた方が効果的です。しかし、いわゆる「鍼・灸当たり」と呼ばれ、治療後にだるさや疲労を感じたり、気持ち悪くなることがあります。これはしばらくすると自然に回復してきますが、このような場合は、お風呂には入らない方がよいでしょう。

受診その他について

漢方と鍼灸のどちらに受診したらよいかわからないのですが。
内臓や皮膚などの症状に関しては漢方科、痛みや凝りなどの症状については鍼灸科を受診されている方が多いようですが、両科とも様々な疾患に有効なので基本的には患者様の希望になります。相談窓口を特に設けておりません(現在設置検討中)ので、どちらかに受診していただき、担当医師にご相談いただくことになります。両科に受診されている方も多数いらっしゃいますので、併診を希望される場合は、お気軽に担当医師にご相談下さい。
予約はどのようにしてとるのですか。
診察の際に診療担当者へご相談ください。また、電話でもお受けしております。
予約センター:03-5791-6169【月~金 8時30分~17時まで】【土曜日 8時30分~12時30分まで(休診日を除く)】
再診につきましてはメール(yoyaku@insti.kitasato-u.ac.jp)でも予約をお受けしております。また、急なキャンセル、変更についてもこちらで承りますが、つながりにくい場合は、(大代表03-3444-6161)から『漢方(もしくは鍼灸)外来窓口へ』と交換手にお申し付け下さい。
予約日でなくても急に体の具合が悪くなった時は診てもらえますか。
急に体の具合が悪くなった時には、ご遠慮なくご来院下さい。受付時間内であれば予約がなくても診療いたします。診療の時間帯については、なるべく皆様のご希望に沿うよう努力いたしますが、状況によりご希望の時間には診療ができないこともございますので、その点はご理解下さいますようお願い申し上げます。
受診時に持って行くものはありますか。
診察の結果によっては隣接する北里研究所病院で検査を受けていただくことがございますので、保険証はお持ち下さい。初めて受診される方は、最近受けられた検査や検診の結果、現在服用されているお薬の名前がわかる物などがお手元にございましたらご持参下さい。また、診療案内ページから問診用紙をダウンロードして記入頂くと、お手続きがスムーズになります。
次回の予約日までに間が空くのですが、その間の薬が足りなくなります。どうしたらよいですか。
当センターでは原則として、「お薬のみ」の受付は行っておりません。
ただし、診察時に医師から長期処方箋が発行されている場合に限り、薬のみのお渡しや、郵便振替・インターネット決済による宅配を利用することが出来ます。遠方でなかなか来院が難しい方などは、診察時に担当医師にご相談下さい。
本人が来院できないのですが、家族が代わりに受診することはできますか。
同居されている方が受診されるのが望ましいといえますが、それ以外の方でも代わりに受診することは可能です。ただし、代わりに受診される場合には、伺ったご相談内容や患者様のご病状によっては、担当医師の判断でお薬をお出しできない場合もございます。
鍼灸に関しても漢方同様、ご家族のご相談をお受けすることはできます。いずれの場合にも、ご相談に際しては料金が掛かりますので、ご了承下さい。
領収書は医療費控除に使用できますか。
原則として医療費控除の対象となりますが、疾病予防や健康増進目的の場合はご利用いただけません。
疾病治療の目的であっても、税務署によっては病気を治す目的で通院しているという証明書(診断書)の提出が必要な場合もありますのでご確認下さい。
当センターでは漢方、鍼灸ともに医師による診断書(ケースによっては証明書のみ)(いずれも有料)の発行が可能です。なお、鍼灸師に受診されている方は医師との面談が必要となります。診断書・証明書の発行につきましては、各外来受付にお申し付け下さい。
領収書をなくしたのですが再発行してもらえますか。
領収書の再発行はできません。どうしても必要な場合は1年間にお支払いいただいた金額の合計を記載した支払証明書をお出ししています。ただし、こちらは有料で一通1,000円(税別)となります。作成には1週間ほどお時間をいただきます。なお、支払証明書の郵送を希望される方は会計窓口へご相談下さい。
受診後、質問したいことが生じたら、どこに問い合わせればよいのですか。
  • お体の具合などに関しては担当医師(大代表03-3444-6161)。『東洋医学漢方(もしくは鍼灸)受付へ』と交換手にお申し付け下さい。適宜対応させていただきます。
  • 薬の服用方法、煎じ方、保存方法、薬の内容については漢方薬局(直通電話03-5791-6167)。
  • 予約に関しては予約センター(直通電話03-5791-6169)。
  • 会計に関しては会計窓口(大代表03-3444-6161)。『東洋医学会計へ』と交換手にお申し付け下さい。
  • 漢方薬の宅配に関しては漢方科窓口(大代表03-3444-6161)『東洋医学漢方受付へ』と交換手にお申し付け下さい。
以上、お問い合わせ内容により連絡先が異なりますので、ご確認下さい。