宮城県宮城第一高等学校出身
獣医寄生虫学研究室で、マラリアを媒介するハマダラ蚊の研究をしています。大学3年次に受けた獣医寄生虫病学の授業が楽しくて、寄生虫にはまりました。けして成績のよい方ではありませんでしたが、興味が持てると、勉強も楽しく、結果としてよい成績がとれていたのがきっかけで、大学4年次から獣医寄生虫学研究室に所属しています。実家が動物病院で、当初は「日本一の動物病院を創りたい」と言っていましたし、当研究室から臨床医になる人も少なくありません。しかし、卒論の研究を進めるうちに、これで終わりたくないという思いが膨らみ、大学院進学を決めました。
研究テーマは指示されるのではなく、学生が考えるという研究室です。研究してみたいテーマは何で、それはなぜか、どのような計画で行うのかを提示し、遂行してみて、結果から考察、失敗しても、成功しても、その理由を筋道たてて考えることは、どの分野で働くにも役に立つことだという考え方です。大学時代にも学会での研究発表を数回経験するなど、さまざまな機会もいただきました。重篤な伝染病を媒介する蚊は世界で最も多くの人間を死に至らしめる動物だと言われています。ハマダラ蚊の発生をコントロールする方法を研究し、社会に還元したいと思っています。
日本女子大学附属高等学校出身
動物好きだったことから北里大学へ進学しました。実習はいずれも興味深く、疑問に感じたことを段階を踏んで知る面白さに気づくきっかけになったように思います。さまざまな授業の中で特に興味を持つようになったのが微生物の働きでした。そこで、4年次は腸内細菌などの研究をしている細胞分子機能学研究室に所属し、先輩の研究を引き継いで、菌の培養方法などを一つひとつ身に付けていきました。将来は、腸内細菌の働きを解明することで、より効果的な機能性食品を開発する仕事に就きたいと考えています。例えば、乳糖不耐性の人がおいしく飲める牛乳を作り出すといった仕事です。4年で就職という選択肢もありましたが、即戦力となる研究者になりたいと大学院への進学を決めました。
今は、乳酸菌やビフィズス菌の腸内定着機構の研究をテーマにしています。研究は期待していた結果が得られないことも多く、その原因が菌にあるのか、自身の手技に問題があるのか、検証すべきことがいくつもあって大変ですが、やりがいを感じています。十和田キャンパスでは、実験を行いパソコンに向き合っている時間ばかりでなく、森やビオトープで気分転換する時間もあり、勉強に集中できる環境であることも気に入っています。
埼玉県立新座総合技術高等学校出身
4年次の卒業論文研究で研究の面白さを知り、大学院への進学を選択しました。淡水に生息するイシガイ科二枚貝の稚貝の餌資源を調べています。4年次には、この二枚貝が多数生息している姉沼に、バイオフィルム(細菌と細菌が生成する細胞外多糖などの総称)が豊富なことを突き止め、餌資源はバイオフィルムなのではないかというところまで研究を進めることができました。大学院では、稚貝にバイオフィルムを給餌して飼育実験を行っています。当初は姉沼のバイオフィルムを試行錯誤して給餌していましたが、1か月以上成育しないという壁にぶつかってしまいました。
要因として考えられたのは、栄養素の不足です。そこで、現在、バイオフィルムの状態、バイオフィルム以外の餌資源の利用を再検討しながら、研究を遂行しているところです。一方で、稚貝から成長した幼貝が生息している水域で、稚貝が成長するために必要な条件を把握するためのフィールドワークも行っています。幼貝が生息することができる条件が把握できれば、飼育実験にも活かせるかもしれません。十和田キャンパスは、近傍に豊かな自然環境が多いことから、野生生物を対象とした研究を行うには恵まれた環境です。
Kitasato University provides 7 postgraduate schools. The postgraduate school for Veterinary Sciences is one of them, and located in Towada City, Aomori Prefecture, which is the northernmost prefecture on mainland Japan. The postgraduate school started in 1970 as Master's program in Veterinary Science, and in Animal Sciences. In 1972, the university established a doctoral program. Postgraduate study in Bio-production and Environmental Sciences was established in 1987.
At present, the postgraduate school is composed of a master's program and a doctoral program. The master's program provides postgraduate study in Animal Science and Environmental Bioscience, while the doctoral program provides postgraduate study in Animal Science and Veterinary Medicine.
The school term for the master's program is 2 years, while that for the doctoral program is 3 years for Animal Science and 4 years for Veterinary Medicine. In Japan, the number of foreign postgraduate students has been increasing rapidly. The objective of these programs is to contribute through our postgraduate course to the whole world while positively inviting foreign students.
「北里大学大学院獣医学系研究科私費外国人留学生(修士課程・博士後期課程・博士課程)特別待遇奨学生(特待生)」
Regulations Governing Scholarship Students Eligible for Special Scholarship for International Students in Master's Program and Doctoral Program at Graduate School of Veterinary Sciences, Kitasato University