北里大学 獣医学部 動物資源科学科

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家畜にも快適性を−豚の屋外飼育から試食会まで

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家畜の福祉(快適性)を高めた飼育法の探究−豚の屋外飼育から生産物の試食会まで

2012年2月3日
動物行動学研究室

  動物資源科学科の動物行動学研究室ではブタの放牧飼育に関する研究を行っています。初代の故 宮腰 裕先生(旧 応用動物生態学研究室)から始まったブタに関するこの研究は脈々と受け継がれています。宮腰先生はブタの研究に関して、かなり有名な先生でいらしたので、その先生の流れを受け継いで今も頑張っている、という歴史ある研究なのです。

  皆さまが日々、口にしているおいしいハムやベーコンとなっているブタはどのように飼育されているかご存知ですか?戦後、食糧の増産が急務となると共に世界的に始まった効率性と経済性を最重視した飼育方法は家畜に過剰なストレスをかけている、ということで1960年頃から問題視されるようになりました。効率性と経済性だけを求めて無理な方法で動物を飼うと結局、動物たちが病気になりやすくなってしまったり、成長を過度に良くさせようとして食べ物のバランスが崩れていたり、ストレスから家畜のホルモンバランスを崩したりします。最近では、家畜に無理強いをさせて飼育すると結局、食の安心安全も確保できなくなってくるという点が重視され、家畜の快適性を考え、家畜に配慮した飼育を考えていきましょうと、「アニマルウェルフェア」を重要視した飼育法が世界的に注目されるようになってきました。
  そこで動物行動学研究室では、現在、日本で問題となっている「耕作放棄地」をうまく利用してブタを放牧できないか考えています。ブタは耕作放棄地に生えている雑草を食べ、土を掘ってくれるので、荒れた土地をきれいにすると共に耕してもくれると考えたのです。しかし、ブタは寒さに弱いとされている動物です。病気にかかりやすいとも言われています。屋外に放牧したら弱ってしまうかもしれません。そこで、学内の附属農場に簡易ブタ運動施設があるので、実際にそこでブタを飼育してみました。この放牧飼育プロジェクトは、農場長から「NOBUTA PROJECT」と名付けられています。

  屋外で放牧されたブタは病気になる事もなく、元気で、のびのびと育ちました。自然の中でブタらしく、走り回りながら育ったブタたちだからか、従来の方法で育ったブタよりも早く成長していました。専門家の方々は「屋外飼育はエサを余分に消費するのでは?」とお考えでしょう。でも、心配しないでください。「飼料効率」は従来法と変わりませんでした。寒さに弱いとされるブタなので、雪が降った時は大丈夫かと心配しましたが、十和田農場のブタ担当職員のアイディアで作った落ち葉のバイオベッド(落ち葉を発酵させて暖かくしたベッド)の上や中でぬくぬくと寝ていました。7月に生まれたブタたちは無事12月22日に肥育終了となりました。
  先日、研究室で大学院生と学部生が屋外で手塩にかけて育てたこのNOBUTAちゃんたちを試食してみました。屋内で従来の方法で育てられたブタの肉よりもジューシーで臭みが無く、塩コショウだけでとてもおいしくいただけます。試食会の詳細は食品機能安全学研究室のホームページでご覧になれます。

 おいしくて、安心安全、ブタにも人にも優しいこのNOBUTAちゃん、そのうち北里大学発「北里おいらせ雪ぶた」とか「北里放牧NOBUTAポーク」とか、素敵なブランド名をつけて売れる日が来るとよいのですが.....(ネーミングがいまいちですか?読者の方から素敵なブランド名を募集しようかな?)


  • 1) 実験用の屋外飼育施設を建設中です。日除け・風よけの屋根と壁がつきます。
  • 2) 分娩も屋外です。母親2頭に子豚が「たくさん!」
  • 3) こちらはデュロック種の親子。赤茶色の毛をしています。
  • 4) ミルクを飲んで、みんな幸せそうにスヤスヤ。
  • 5) デュロック種の子豚。仲良く並んでハイぱちり。
  • 6) 獣医師による採血で健康状態の検査もしました。豚によく見られる貧血など全くなく、健康そのものでした。
  • 7) 親子で日なたを散歩です。
  • 8) 豚の特徴的な行動、「ヌタウチ」です。本来、体温調節が苦手な豚は、皮膚を濡らし、その気化熱で体を冷やします。
  • 9) こちらは附属農場の簡易ブタ運動施設のNOBUTAちゃんです。
  • 10) 同じくNOBUTAちゃん。冬になって雪が降っても健康や発育に全然、問題ありませんでした。
  • 11) 落ち葉のバイオベッドでくつろぐNOBUTAちゃん。

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