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動物生態学研究室では、2016年から十和田湖周辺の5地点に自動撮影装置を設置し、野生動物の生息状況のモニタリング(監視)を行っています。自動撮影装置は赤外線センサーで動物を検知して撮影するものです。電池で動作し撮影画像は記録メディアに保存されます。人間がいない状況で撮影するため、動物の普段通りの姿を記録することができます。
動物生態学研究室では、撮影装置は冬も含めて一年中設置したままにしています。野外使用を前提として頑丈に作られているため、装置が凍結や雪によって全滅することはありません。林内では積雪が多くないので1.5m以上の高さに設置すれば装置が雪に埋まることはなく、やや下向きに設置することで雪の付着も防止できます。ただし記録メディアの容量と電池の消耗は問題です。記録メディアの容量は、動物の撮影だけなら十分なのですが、吹雪、雪の照り返し、春の草のそよぎ(これが深刻)などを装置が動物と誤認して撮影し、容量が埋まってしまうことがあります。電池も通常なら6〜7ヶ月は保ちますが、撮影回数が多くなると消耗します。記録メディアの容量や電池を使い切ってしまったら、それ以上データは記録されません。
そこで毎年気になるのが山の道路の冬期閉鎖です。十和田湖周辺の一部の道路は毎年12月初めから4月終わりまで閉鎖が予定されています。半年近く調査地点に入れませんので、冬期閉鎖ギリギリのタイミングで消耗品の交換を行うようにしています。ところが2020年は降雪が早かったため一部の道路は11月半ばに閉鎖されることになり、研究室では大慌てで調査地点を回って冬支度(撮影装置の設置の確認、電池と記録メディアの交換)を行いました。冬支度が終わると次に撮影装置を訪問するのは5月です。毎年、春まで頑張ってと撮影装置の健闘を祈りながら現場を後にしています。
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