北里大学 獣医学部 獣医学科

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第442回獣医学科セミナー<ベスト論文2019>

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  第442回獣医学科セミナーを以下のように開催いたします。教職員および学生のご参加をお待ち申し上げます。

タイトル ブドウ球菌エンテロトキシンの嘔吐発現機序の解明
演    者 小野 久弥 先生(人獣共通感染症学研究室)
セミナー内容
(要約)
   黄色ブドウ球菌はヒトや動物に様々な病気を引き起こします。中でも黄色ブドウ球菌による嘔吐型食中毒は古くから知られていました。1930年にアメリカのDackらにより黄色ブドウ球菌の食中毒は菌自体の感染によるものではなく、菌が食品中で産生する毒素ブドウ球菌エンテロトキシン(SE)により起こることが明らかになりました。その後、SEについては多数の種類があることや、毒素性ショック症候群といった別の病態の原因になることが明らかになりましたが、どのように嘔吐を引き起こすのかは謎でした。またSEによる嘔吐はヒトや霊長類で特に強く見られること、および一般的な実験動物であるマウス・ラットには嘔吐反射がないことから霊長類を用いた研究が必要でした。
  小型の霊長類であるコモンマーモセットにSEを投与したところ、嘔吐が確認されたため、嘔吐モデル動物として確立しました。つづいて嘔吐メカニズムを解明するためにコモンマーモセットの消化管においてSEと結合する細胞を検索したところ、SEが粘膜下組織の肥満細胞に結合することが明らかになりました。また、SEの作用により肥満細胞が脱顆粒を起こしヒスタミンの放出が起こることが確認されました。さらにコモンマーモセットに脱顆粒阻害剤またはヒスタミンブロッカーを投与するとSEによる嘔吐が抑制されることが明らかになりました。このため、食品とともに経口摂取されたSEは、消化管粘膜下組織の肥満細胞に結合し、脱顆粒を起こすことでヒスタミンを放出させ、このヒスタミンにより嘔吐が引き起こされることが明らかになりました。
ベスト論文2019に選出していただきありがとうございました。今回の発表ではエンテロトキシン研究の開始時から現在の進捗状況までお話ししたいと思います。