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研究課題

1. 肉用牛における発情行動 現在ではほとんどの牛は人工授精により繁殖が行われます。たくさんいる牛の群れの中から、人工授精できる発情した牛を見つけ出す方法について、主に行動の面から研究します。 2. 分娩後乳牛における炎症性子宮疾患について 牛が分娩した後は次の妊娠に向けて子宮が元の状態に戻る必要があります。様々な診断方法によってこの子宮修復を解析し、早く次の子牛を妊娠させるための技術を開発します。 3. 牛の発情同期化法について 近年は牛の発情発見率が低下していることから、ホルモンを用いて人工的に発情させる発情同期化技術が開発されています。ショートシンク法と呼ばれる発情同期化法を発展させ、より高い受胎率を得る方法について研究しています。 4. 犬の精液凍結法 犬の人工授精技術の発展により、より優れた凍結精液が求められています。このため、より精子生存性の高い犬の精液凍結方法について研究しています。 5. 馬の精子形態 馬は主に自然交配が行われ、受胎するためには精子の質が重要です。馬の精子奇形や、加齢に伴う形態学的変化について研究しています。 6. 妊娠時ステロイドホルモン動態について 分娩の徴候を正確につかむことにより、分娩の始まる正確な日時を把握する事ができます。山羊、羊、牛について妊娠時の胎児や子宮由来のステロイドホルモン動態を測定し、分娩との関連について解析しています。 7. 繁殖データの解析法 近年繁殖管理プログラム技術が進んだために、容易に大量のデータを処理できるようになりました。これらのデータの解析方法を研究することにより様々な情報を得ることができます。

トピックス

当研究室に所属した学生は飼育動物の世話や管理を行い、また教員のもとでテーマを決めて卒業論文を作成します。犬や馬の繁殖についての研究を担当してきた菊池元宏教授は獣医学臨床教育推進室へ異動しましたが、当研究室での研究は継続しています。

研究業績

[学術論文]
1) Kusaka H, Hasegawa R, Nishimoto N, Kawahata M, Miura H, Kikuchi M, Sakaguchi M. Comparison of diagnostic methods for uterine health in dairy cattle on different days postpartum. Veterinary Record. 139: 1-6, 2019.12

2) Miura H, Yamazaki T, Kikuchi M, Sakaguchi M. Plasma steroid hormone concentrations and their relationships in Suffolk ewes during gestation and parturition. Animal Science Journal. 90: 1426-1431, 2019. 10

3) Bandai K, Kusaka H, Miura H, Kikuchi M, Sakaguchi M. A simple and practical short-term timed artificial insemination protocol using estradiol benzoate with prostaglandin F2alpha in lactating dairy cows. Theriogenology.141: 197-201, 2019. 7

4) Kusaka, H, Miura, H, Kikuchi, M, Sakaguchi M. Relationship between the side of pregnancy and side of subsequent ovarian activity during the early postpartum period in lactating dairy cows. Journal of Reproduction and Development. 64: 7-14, 2018. 2

5) 三浦弘、菊池元宏、坂口実. 繁殖牛管理記録と気象庁データによる一日平均気温と分娩率の相関. 産業動物臨床医学雑誌. 8: 214-220, 2017. 12

6) Kusaka H, Miura H, Kikuchi M, Sakaguchi M. Incidence of double ovulation during the early postpartum period in lactating dairy cows. Theriogenology 91: 98-103, 2017. 3

7) Kanazawa T, Seki M, Ishikawa K, Kubo T, Kaneda Y, Sakaguchi M, Izaike Y, Takahashi T. Pregnancy prediction on the day of embryo transfer (Day 7) and Day 14 by measuring luteal blood flow in dairy cows. Theriogenology 86(6): 1436-1444,2016.6


[総説・その他]
1) 坂口 実・菊池元宏・三浦 弘. 発情発見困難牛の特徴解明による授精率向上方策の検討. 平成30年度食肉に関する助成研究調査成果報告書. Vol. 37: 176-180, (公財)伊藤記念財団,2019.11

2) 坂口 実. 牛の発情周期と分娩後の発情回帰. 臨床獣医臨時増刊号, 10-17,2018.6

3) 三浦弘. 繁殖管理記録と気象庁の気温データを用いて、高気温によるホルスタイン牛の繁殖性低下を解析する. 臨床獣医 36(2): 26-29 2018. 2

4) 万代一翔・坂口 実. ホルスタイン種乳牛における排卵促進剤として安息香酸エストラジオールを単回投与するShort-synchプログラム. 家畜診療 64(12): 677-682,2017.11

5) 坂口 実・菊池元宏・三浦 弘. 異なる発情判定基準による人工授精適期の再設定(II). 平成28年度食肉に関する助成研究調査成果報告書. Vol. 35: 171-179, (公財)伊藤記念財団,2017.11

6) 坂口実・日下裕美. 牛の発情に関する課題の現状と解決の方向性. 日本胚移植学雑誌39(2):105-115. 2017.5

7) 坂口 実・菊池元宏・三浦 弘. 異なる発情判定基準による人工授精適期の再設定. 平成27年度食肉に関する助成研究調査成果報告書. Vol. 34: 175-180, (公財)伊藤記念財団,2016.11

所在・連絡先

V10号館3階

0176-23-4371、内線454

備考