新千円札の図柄に、学祖北里柴三郎の肖像が採用されました。北里柴三郎は1853年1月29日、現在の熊本県阿蘇郡小国町に生まれ、1871年熊本医学校に入学、1874年に東京医学校(1877年に東京大学医学部に改称)に入学し、卒業後、1886年にドイツに留学しました。ドイツでは、細菌学の第一人者であるベルリンのローベルト・コッホに師事し、1889年に、破傷風菌の純粋培養に成功、さらに1890年には破傷風菌毒素に対する血清療法を確立しました。帰国後の1892年、福澤諭吉先生のご援助で私立伝染病研究所を設立、1893年に我が国初の結核療養所(土筆ヶ岡養生園)を開設しました。1894年には香港で流行していたペストの原因菌であるペスト菌を発見しました。1899年に私立伝染病研究所を国に寄付し所長に就任、1914年に国立伝染病研究所を辞し、同年11月5日に私立北里研究所を創立しました。北里柴三郎の門下生にはハブ毒の血清療法を研究した北島多一、赤痢菌を発見した志賀潔、マラリアやツツガムシ病を研究した宮島幹之助、梅毒の特効薬サルバルサンの創製に成功した秦佐八郎、黄熱病や梅毒の研究で知られている野口英世などがおり、世界レベルの研究者を育てています。その後、北里研究所は社団法人となり1962年4月に、創立50周年記念事業として学校法人北里学園・北里大学を開学し、2008年4月に社団法人北里研究所と学校法人北里学園が統合して、学校法人北里研究所・北里大学となり、学祖北里柴三郎の精神を受け継いでいます。