―十和田市および十和田キャンパスの印象はいかがですか。
十和田市に来て1年半が過ぎました。とても過ごし易い環境というのが感想です。明瞭な四季を感じることができ、夏も湿度が低いので快適です。当然のことながら冬は寒いのですが、学内の建物は暖房設備が充実しているので、不自由はありません。今のところ、“雪かき”も楽しいです。
―学生の印象はいかがですか。
動物資源科学科だけあって、“動物が大好き”な学生が多いと感じています。十和田キャンパスには多くの動物がいるので、そんな学生にとっては、十和田は恵まれた環境だと思います。
―ご趣味は何ですか?
サーフィン、スノーボード、マラソン、釣り(フライフィッシング)。
十和田市から30~40分程度で、サーフィンができる海、スノーボードができる山に行けます。その気になれば、同じ日にサーフィンとスノーボードを楽しむこともできます。また、川に行けばヤマメやイワナも比較的簡単に釣ることができます。遊び人にとっては、サイコーの環境です。。
―研究を開始するきっかけは?
研究の面白さを知ったのは、大学時代の指導教員の影響です。間違いなく、私のこれまでの人生に大きな影響を与えてくれました。感謝しています。論理的な思考方法など多くを学びましたが、研究者としての姿勢は、未だに遠い目標です。将来的には、かつての指導教員のように、学生に影響を与えられる教員になりたいと思っています。
―先生が本学に着任するまで、どこで、どの様な研究をされていましたか?今、進められている研究の内容についてわかりやすく教えてください。
私は平成13年に宮崎県庁に入庁し、農業改良普及員として3年間畜産農家の技術・経営支援に携わった後、優良家畜受精卵総合センターと畜産試験場に合わせて12年間勤務しました。普及員時代は、多くの畜産農家に出入りし生産現場の現状を知ることができました。その後は、暑熱ストレスの影響緩和技術の開発や、ICT(情報通信技術)を活用した家畜生産技術の開発などに携わってきました。着任後も、この二つをキーワードとして研究を進めています。
―なぜそこに注目したのですか?
最近では、全国各地で猛暑日等の発生日数が増え、畜産農家に対して大きな影響を与えています。夏に乳用牛が“ヘトヘト”になっている様子を酪農家でいつも目にしていたので、何とかしたい、という思いがありました。また、畜産経営者の高齢化や経営の大規模化に対応するため、技術を省力化、効率化する必要がありました。そこで、早い段階からICTに着目し、生産現場への導入について多くの民間企業の協力を得ながら、研究を進めてきました。
―その研究は、将来、どのように私たちの生活に関わってきますか?
私が進めている研究課題は、=生産現場のニーズであると考えていますので、近い将来、私たちが開発した技術が生産現場で活用されることを目標にしています。それによって、家畜の生産性が向上することで、良質畜産物の安定供給と、何より、畜産農家に喜んで貰えることが理想です。
―学生とどのように研究を進めていきたいと考えていますか。
キャンパス内だけで学生生活を送ることは可能ですが、せっかく畜産の盛んな青森県にあるので、積極的に学外に出て行き、近隣の畜産農家で研究を展開することで、国内の畜産の現状を知って貰いたいと考えています。
―これまで経験されてきたことから、これからどんなことを学生に伝えたいと思いますか?
私は畜産農家出身で、着任するまでの15年間も畜産の生産現場をフィールドに研究を進めてきたので、生産現場の現状などを伝えることはもちろんですが、農家の感覚や家畜に対する思いを少しでも分かって貰えればと考えています。そのために、常に出口を見失わないように課題を設定し、解決できる能力を身に付けられるよう、学生と接していきたいです。
―先生はどんな夢をお持ちなのか教えてください。
私たちの研究成果が畜産農家の役に立つことの喜びを、学生と一緒に分かち合いたいです。
―ありがとうございました。